ナオミとカナコ (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 1480
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  • Amazon.co.jp ・本 (558ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344425897

感想・レビュー・書評

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  • デパートで高所得顧客を担当するナオミさんが、DVを受けている親友のカナコと共謀して夫を殺害する計画を立てて、、、。人脈と偶然の出会いなどで後押しされるのもあるけど、証拠がなければ本気にならない警察、体面を重視して不正をもみ消す銀行(やデパート、こちらはリファレンスとして)の体質なんかも上手く要素に入っていて、筋は良いけど、かなり稚拙な完全犯罪の行く末がどうなるかを楽しむ構成。展開も早くて、そらそうだよなと思いつつ、最後は少し痛快な感じになります。その先は推して知るべしだけど、、、いや、もしかして朱美さんが、、、いずれにしても、面白かった。

  • ここ最近、奥田さんの作品におおはまり。
    大学の友人同士である直美と加奈子の物語。

    キュレーターを望みながらも、百貨店の外商部に勤める直美と、銀行員と手堅い結婚生活を営んでいる加奈子の交錯から物語は始まる…。

    夫からの家庭内暴力被害者である加奈子を友人である直美が救い出すべく、二人で結託し、完全な殺人を企て逃げ延びようとするハラハラドキドキの筋書き。

    特別難しいからくりや言葉遣い、心理があるわけでもなく、分かりやすさで、ぐいぐいとテンポよく、読者を引き付ける。先が気になって、頁を捲る手が止まらない。スカッとするわけではないが、作品のなかに没入して気をもむというのも、読書の醍醐味だなと感じた。

    2人の女性像やややぼけてるかな。冒頭は言動にもう少し上品な印象を受け、途中から二人ともあれ? こんな感じ?
    殺人の動機付けもやや弱めで、繊細な心の動きが少し乏しいかな。
    からくりも杜撰で、これじゃダメじゃん!と途中でダメ出ししたくなる笑。

    ただ、2人がばれたくない、つかまりたくないと、その一念にしがみつく様は読ませるなあ。巧いなあ。
    また奥田さんの違った作風の作品も読んでみたい。

  • 最初から面白くて引き込まれた。ドラマよりもやはり原作の方が心理描写が優れていて感情移入しやすく、最後までずっとハラハラドキドキした。計画的な犯行のはずなのに、スキがあまりにも多いことに違和感を感じて少し残念。

  • その後の展開が気になりました。

  • 途中だが、面白い。
    ザ・エンターテイメント!って感じ。
    どうなるんだろ?捕まらないでくれ。
    でも。

  • 計画的とはいえ、完全犯罪とは程遠い。
    どんどんボロが出ても「逃げ切れ!」と二人を応援する気持ちが強くなっていった。
    本当の結末は読者の想像に任せるということか…。

  • 話の設定は面白かったがいまいち感情移入が出来なかった。展開における辻褄(登場人物達がとった行動の理由)が合わないと思う部分が多いと感じた。ラストシーンはハラハラする部分もあり主人公達の焦りもそこそこ伝わってきて面白かったので3点。

  • 2021.12/25〜2023.1/5
    ドラマを先に観ていたから、脳内配役は広末と内田有紀。完璧だと思われたトリックは素人なりの穴だらけで、追い詰められ崩壊していく様は妙にリアルだった。ラストが少し駆け足な印象。達郎のバックボーンが気になる。

  • お金じゃないって。人生、充実させたいじゃない。

  • 計画、実行の中でそれは甘くないか?と思えるところから次々と綻びが露呈してあれよあれよと追い込まれていくのは面白かった

    朱美を通して中国人の思想を少し理解することが出来た気がする

著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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