私たちはどこから来て、どこへ行くのか (幻冬舎文庫)

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著者 : 宮台真司
  • 幻冬舎 (2017年4月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (499ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344426009

私たちはどこから来て、どこへ行くのか (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 2日かけて読了。久しぶりの宮台真司なので、言葉が難解に感じ、自分の不勉強を実感する。ただ、巻末に約50ページにわたる註釈がついているので、かなりありがたい。現代の閉塞感やナショナリズムの台頭を社会情勢から読み解き、これからの日本はどう進むべきかを考える内容である。個人的には、職業柄か第四章が一番興味深く読めた。読後の率直な感想としては、これからの日本も暗そうだな…と。著者が言うことはわかるが、その転換はなかなか難しいかなと。とんでもない大事件が起こって、国民が蜂起するくらいのことがないと変わらないような気がするが、原発事故でもまだほとんど変わらないところを見ると、戦争でも起こらない限り変わらないかと。いっそのこと、もっと平易な内容で高校の教科書にでもして、これからの人に読んでもらったら変わるかなぁ。

  • 近代化が進み村社会・地方、家庭も学校もシステムに取って代わった現代。システムへの過剰依存が進み、人そのものがシステムの一部に組み込まれてたポストモダンの時代。自己さえもシステムにより生み出された物だと宮台は言う。スマートテクノロジーは人に選択を意識させず、システムの存在を不可視化し、人は気づかないうちにシステムに組み込まれていく。システムの設計意図を自分の意思による決断だと人は思い込むのだ。共同体と顔を失った人々はモンスターペアレントやクレーマー、ネトウヨ、承認厨となってシステムに直接自己の欲望をぶつけるようになっていく。メディアは感情の居場所を失った人たちの最後の拠り所となりもはや民主主義の道具として市民の監視下におかれたものではなくなっている。

    こうした中で若者はテレクラやクラブ、ストリートからネットへ居場所を移していった。
    サブカルチャーで流行したセカイ系は共同体が失われたため個人の謎=世界の謎という個人と世界が直結した構造をとる。この考えが新興宗教を、テロを引き起こした。ハルマゲドンは社会構造を建設的に変える運動というよりは、理想の自己像と世界像に合わせて不都合な現実を作り変えるための運動だった。
    宗教にも失敗した日本の若者は仮想現実へ走った。現実を変えることは不可能なので、ゲームを現実のように生きたり、現実をゲームとして捉えるバトルロイヤル系となって今に至る。

    多様な人々の対峙を余儀なくされるグローバル社会は、共通前提が動物的な快・不快まで切り下げられる社会でありシステム化が加速する。アメリカはキリスト教的価値観が土壌にありNGOやボランティア活動があるのでリバタリアニズムであってもセーフティーネットはあり、欧州はスローフード運動など地産地消を進め共同体を保全している。対立は共通の意識、前提がある共同体だからこそ起こる。対立すら失われた日本は安定しているのでなく地方は地域性を失い、宗教的共同体も血縁主義もない不安定な社会だ。このような土台でグローバルな自由競争では人がもたない。日本は外需と内需を切り分けて対応する必要がある。社会の共通前提を取り戻すために、システムが同性婚でありシェアハウスなど擬似共同体を設定していく必要がある。

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