持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない (幻冬舎文庫)
- 幻冬舎 (2017年8月4日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344426429
作品紹介・あらすじ
「正社員にならねば」「結婚しなければ」「子どもを作らねば」「老後に備えなければ」…「こうあらねば」が人を追いつめている。生きるのが苦しいときは、世間の価値観や周りの意見にとらわれずに、自分が好きなものに立ち返るといい。仕事や家族やお金に頼らず、社会の中に自分の居場所を見つけ、そこそこ幸せに生きる方法を、京大卒の元ニートが提唱。
感想・レビュー・書評
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生きづらさを感じるのは、時代は変化しているのに普通とされている生き方モデルが古いままで、すごく高いところに設定されているからっていう部分にすごく納得した。だからこんなにモヤモヤしてたのかぁ。
生き方のヒントがたくさん書かれていて、なるほどと思った。参考にしたい。
お金に関しては、お金をかけずに生活を楽しむコツとして、読書と料理がオススメされていた。あとは他人と自分を比べないこと。人に流されず自分なりの価値基準を持つこと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分なりの幸せの基準をきちんと持つことの大切さを教えてもらいました。
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将来の不安のためにお金や家族、会社に頼るのではなくて、いろんな人のネットワークを広げたり、できることや興味のあることや知っていることを増やしたり、いろんな地に根を張ったりしておく方が良い。自ら私的なセーフティーネットを作るのだ。
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私は誰かと向き合い続けるのは、息が詰まって逃げだしたくなるので一人が心地良い。
だけど周囲は結婚するのが普通という感覚が主流。
そういう空気の中では生きづらいし、勝手に憐れみの目で見られたりして居心地の悪い思いをすることもある。
そこで、
他人と比較しない。
生き方の違いは、宗教の違いだと考えて割り切る。
自分が何をしている時が幸せかを知って、それを大切にする。
自分にとって何が大切かを判断する時は、手にとってときめくかどうか、五感を大切に、気持ちが動かされるかどうかを基準に考える。
組織に属して働いている身としては、本書のように自分のペースで生活することはできないけど、そんな生き方もありなんだなと思わせてくれて、少し気が楽になった。
でも、自分が何をしている時が幸せかなど考える余裕もない今。
もう少し休みがほしいな。 -
見田さんが解説を書かれているという事で一読。
全く、自分は「仕事」に疎外されかかっていたんだということに気が付く。
こうやってブクログをつけることも、文章を書くことも、本を読むことも、いつのまにか、「(将来の)仕事」のためにやってしまっていて、そうでないものは徹底して排除してしまうし、結果として、ではその「(将来の)仕事」のために何かが蓄積できているかといったら、そうはなってない。一日を終えて、「あぁ今日は楽しかったな」と言えればそれでいい。
別に仕事のために本を読まないといけないわけでもないし、文章だって作品にならないからといって書いていけないわけじゃない。
あの広島の清掃の人が、毎日掃除をしているように、自分も、自分の内側や外側の掃除をすればよい。別にそれが、(将来の)仕事と関係なくても、それで一日が楽しければそれでよい。
文章を書くのも、臨書するのも、別に仕事のためにしているのではなくて、あくまで一日一日を充実して過ごすための、暇つぶしであり、その手段に過ぎない。仕事がこないからとか、それが仕事につながらないからやらないのだったら、それは仕事に自分の日常がそれだけ疎外されているということ。プロになるために練習やら執筆をするのではなくて、別にそれが結局仕事につながらなくても、自分の一日の充実につながっていれば、それでもういいと思う。仕事に疎外されない。日常の強度を優先する。
●引用
仕事をするのも大事なことだけど、仕事をするために人生があるのではなくて、よりよく生きるために手段の一つとして仕事というものがある。
今はあまり働いていないのでお金はないけど、ネットを見たり、散歩したり、選択をしたり、図書館で本を読んだり、猫と遊んだり、、、、いつの間にか一日が終わっている感じ
そんな感じで毎日やらないといけないことは少ないんだけど、暇を持て余して困るということは意外となくて、
多くの人の本当の行動は暇つぶし。
★★すごくこれをやりたい!って思う事があったりもするが、それ以外の時は、適当に暇をつぶす程度に何かをやって過ごすという感じ。
★やってもやらなくてもそんなに変わらないようなことが多い。それが無意味だとか悪いと言いたいわけじゃない。なんでもいいからやって、それで何かやった気になって満足する、ということの繰り返しが人生
→もう少し気楽にというか、ある種の「ゾーン」に入ることばかりにジャンキーにならず、それ以外の時間ともうちょっとうまく付き合えるようにしたい。退屈と面白さが入り混じったようなグレーに耐えるというか。ゾーンばかり追い求めているから、結局黒ばっかりになる癖があるなぁ。 -
ちょっと同じような本を読みすぎたのもあるけど、しないことリストを掘り深めたような内容でした。
ゆるーく読むのがいいね。何がいいダメは人それぞれだからこそ、自分の価値観や感じることは大事にしていきたいと思いました。 -
もっともっと自由に生きてもいい、ってことを教えてくれる本。「当たり前」や「常識」に囚われて苦しんでいる人はきっと沢山いる。そんな方に読んでもらいたい1冊。
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お金は使いたい分稼げば良い
仕事はすることが目的になることが多く、それは手持ち無沙汰に耐えられない暇つぶしである
家族という限られた空間に全てを求めるモデル自体に無理がある
開けた空間で流動的に交流するのが楽
自分が幸せになることは何かを探す
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著者の自分の気持ちに素直に向き合う姿勢に惹かれる。
P.118に『結局人間にとって一番大事なのは「孤立しないこと」なのだと思う。』という一文がある。いろいろなことを思い出し、考えた。
最終章では『人の居場所になるような場所を、いろんな人が気軽にたくさん作れるような社会が良い社会だと思う。』と語り、著者が経験してきた居場所の作り方や仲間の集め方のコツがまとめられている。そこにはオーガナイズドされた居場所ではなく、日常の連続の中にある居場所の風景が垣間見られる。