サーカスナイト (幻冬舎文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344426443

作品紹介・あらすじ

バリで精霊の存在を感じながら育ち、物の記憶を読み取る能力を持つさやかのもとに、ある日奇妙な手紙が届いた。「庭を掘らせていただけないでしょうか」。それは左手が動かなくなった悲惨な記憶をよみがえらせ…。愛娘の世話や義母との交流、バリ再訪により、さやかの心と体は次第に癒えていく。自然の力とバリの魅力に満ちた心あたたまる物語。

感想・レビュー・書評

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  • よしもとばななさん2冊目。
    1人の女性(主人公)を接点にゆるーく書かれたある2組の家族のお話し。
    読み返したい文章やセリフはあるけれど、
    お話しとしての印象はあまり残らなかった。
    主人公の特殊能力はあってもなくてもお話しに影響しなかったんじゃないかと思います。

  • なにか行動すれば、それが後のなにかに結びついていく。そういうのを三十過ぎてからやっと理解できるようになった。

  • たまたまなのか、特殊能力を持った人の話が続いた。けど、今回はその特殊能力があまり物語につながってなかったような…

  • あとがきは、本文を読んでから読みましたが、ばななさんが意図された通りゆっくり読んでいて、日常の慌ただしさからこの本を読んでいる間はゆったりした時間を感じることが出来ていつまでも読み続けられる感じでした。
    図書館で借りたけれど、手元に持っておきたい本でした。

  • 七尾旅人さんの同タイトル曲に着想を得た作品

  • 今を一緒に生きる家族、過去の先祖など血のつながっている関係はもちろん、友人知人いろんな人たち、広がって人と関わり合う自然を含めてみんな近づいたり離れたりしながら互いに関係しあっている。
    繋がりから受ける活力、わずらわしさ、避けようのない悲しみ。
    自由が持つ素晴らしさの一方で(偽りの自由が)はらむ危うさ。
    関係性のなかで生きていることを自覚しながら自分が自分として生き、そして何かを残して消えていく。
    どうしようもない理不尽は確かに存在し、悲しみが完全に癒えることもないのならそれを抱えてどうやって生きていくのか?そんなことを考える一冊だった。

  • 冒頭に出てくる七尾旅人さんが歌う「サーカスナイト」を聞いた。
    読後だからこその登場人物たちそれぞれのイメージがじんわりと心に浮かんでくる。

    よしもとばななさんを久しぶりに読んだ。
    仕事帰りバスの中での読書タイム(そのままうたた寝してる日もたくさんあったけど)存分に楽しめた。仕事終わりの爽快感も相まって。

    主人公さやかは事情を抱えていても強く、周りの力もしっかり借りながら生きていて尊敬する。
    子供に向けるまなざしも優しい。
    私自身あまり周囲の人に懐かないというか心を開かない正確なので、私の生活にあんまり登場人物増えていかない気がする…
    しかし、さやかは周囲の人たちを家族のようにしていく力があるんだなぁと感じた。
    人と人との結びつきは血縁や時間をも超えてゆく。

    春先の今読んでいたからバリの熱帯感は肌身に感じにくいけれど、読んでいてガムランの響きとにぎやかなお祭りの夜を想像した。
    人だけでなく場所がその人を甘やかしてくれるっていいなぁと思った。
    私にとってのそういう所はどこなのかなぁ。

  • 言葉にしようとすると消え去ってしまうものや
    繰り返しやってくる夜や朝の中で
    夢となっていくしかない儚い瞬間を
    “美しい言葉”で表現してくれているばななさん♡




    読んでいる間だけ出会える彼らたち…
    読んでいたら いつの間にか眠りについてて
    起きたらいつもの朝がはじまってて…
    全部夢だったのかと思うほどで…
    でも確かに私の傍らにはこの作品がいてくれてた…





    窓から射している陽はいつものように
    部屋を真っ白にさらしていたとしても
    読んだ時の余韻がじわりと甦ってきて
    新しい世界の面影を映し出す朝へと変えてくれた…





    今はいない人に話しかける言葉は
    決して目に見えないけれど…
    でもきっと花となり どこかで咲いているような
    優しい気持ちにさせてもらえた作品_





    ばななさんの小説は いつも読者に寄り添ってくれている
    言葉を丁寧に 丁寧に掬いとって…
    小さな灯(ともしび)を私たちに照らしてくれている

  • よしもとばななさんの文章は全てが詩のようで静かに光っている様に感じます。
    読んでいる間、これからの私の人生にも明るい光がある様に感じられました。
    読んでよかった。

  • 2021.11.19読了。
    今年10冊目。

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著者プロフィール

1964年07月24日東京都生まれ。A型。日本大学芸術学部文藝学科卒業。1987年11月小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞受賞。1988年01月『キッチン』で第16回泉鏡花文学賞受賞。1988年08月『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。1989年03月『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞受賞。1993年06月イタリアのスカンノ賞受賞。1995年11月『アムリタ』で第5回紫式部賞受賞。1996年03月イタリアのフェンディッシメ文学賞「Under 35」受賞。1999年11月イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門受賞。2000年09月『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞受賞。『キッチン』をはじめ、諸作品は海外30数カ国で翻訳、出版されている。

「2013年 『女子の遺伝子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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