- Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344426443
感想・レビュー・書評
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七尾旅人さんの同タイトル曲に着想を得た作品
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2021.11.19読了。
今年10冊目。 -
ばななさんの言葉は、いつもわたしを救ってくれる。
わたしの人生をいい具合に認めてくれる気がする。
たからものにしたくなるような大切な言葉を拾い集めてはおまもりにして、ノートにのこす。
以下、サーカスナイトのわたしのメモ。
私はなにもしていないでふらふらしていたようで、実はいろんなことをしながらちゃんと歩いてきたんだ、と思った。
それに、私こそが子どもを育てながら子ども時代をじっくりと取り戻しているのだと思う。
「だいじな人を失うと、人はそこに何か深い意味をどうしても見いだしたくなるから。」
楽しそうに見えるから大丈夫と言うことはない。
ただ楽しそうでない自分がいやなのでそうふるまっているというだけで、そこに悲しみはいつも大きく重く存在するのだ。
「すごく早くに親が死ぬと、早く大人になる面と、いつまでも子どもみたいな面が混じっちゃうんだよね。」
細かい理屈は抜きに、ただいっしょにごはんを食べることで育まれるものまたひとつ育むために。
みんなが楽しそうなので、私もにこにこしてごはんを食べた。
「明るいのはとりえかもしれないなあ。赤ちゃんのときからずっと陽気だった。」
「きっとすごく愛されているのがわかっているんだね。」
一郎は微笑んだ。
「みちるは、そういう意味では、ほんとうに恵まれていると思う。みんなにがっちり守られて、自分がいるということ、この世に自分がいていいということに疑問を持ったこともない。」
生まれたての赤ちゃんからは四方八方にまるでビームみたいに真っ白い幸せの光が放たれていた。こんなに光るもの見たことがない、と私は思っていた。
「人はたまにふるさとを訪れたほうがいいのよ。そうすると思ってもみないくらい素直に、気持ちが原点に返っていくから。」 -
ばななさんのキッチンとか今まで読んできて、今回久しぶりにばななさんの作品を読んだ。
主人公がなのかもしれないが、いままでとは年齢が上がって大人な雰囲気だった。
主人公が若い頃の話を振り返ることが多いし、様々な年代の人たちが登場するので、人生について考える部分が多かったようにおもう。
あとバリと日本を比較している部分がとても面白かった。バリにはいったとこはないけど、日本にはないアジアの感じが書かれてる。
日本は変わってしまったのかなあー。
★バリにいつかいきたい
★ばななさんの他の作品も読みたくなりました -
見えない偉大なチカラを宿すイダさん、全てを受け止めてくれそうな兄貴丸さん。実在する人物なのですね。会ってみたい!
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こんなに『日常』『人生』を感じる作品は初めてでした。
特に急展開を迎えたり、意外なことが起こるわけではなくて、時間の流れが本当にゆっくり。ある意味、変わらない日常を過ごす感覚が心地よい作品でした。
もちろん、ゆっくりの中に確実で、大切な変化があるけど、そういうのがまさに人生という感じ。
ちょっとした噛み合わせでたまたま起こった小さなことが後につながってる、みたいなところが。
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愛し合って結婚したわけでなくても、のちに家族としての意識ができてくるさやかの家族が好き。自分の元の家族とは早々と別れなければならなかったけど、後に自分で作ることができるのだ。いなくても確かに存在する、そう思えればいいなあ。すべてむき出しのバリと平和風味の日本。さやかがうけた心の傷がよくわかった。
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あたたかくて優しい気持ちになれた
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誰か大切な人を失ってしまったときにまた読みたいと思った。
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ふんわりと、穏やかに読んでいられる。
すこし優しい気持ちになる。