がらくた屋と月の夜話 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
3.59
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本棚登録 : 310
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344426696

作品紹介・あらすじ

仕事も恋も上手くいかないつき子は、ある晩、ガラクタばかりの骨董品屋に迷い込む。そこは古道具に秘められた"物語"を売る店だった。未亡人を未来へと導いた時刻表、母と娘の拗れた関係を解いたレース、居場所のない少女に特等席を与えた椅子…。人生の落し物を探して、今日も訳ありのお客が訪れる。つき子もまた、ある指輪を探していた。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに谷瑞恵さんの本を手に取った。
    読むと優しい時間が流れるような気がして、するする読んでしまう。
    タイムテーブルのお話、好きだなぁ。

    吉田大助さんの解説、今の私に必要なことが書かれていた。使わないけれど大切なもの、捨ててはいけないものもあるな…ということ。
    断捨離しつつ、必要なもの、大切なものを把握してモノとの付き合い方を考えたいと思った。

  • タイトルを見た印象は、がらくた屋さんに集まる人々の悩みを解決してくれる店主の話かなあと勝手に想像していました。

    読み進むにつれ、いい意味で予想を裏切ってくれました。つき子が幸せでありますように!と願います。

  • 2015年7月幻冬舎刊。2017年11月幻冬舎文庫化。タイムテーブル、白い糸のジュエリー、特等席の彼女、未来からのドッグタグ、夜のトワエモア、角ウサギの夢、の6つの連作短編。ストーリーの中で語られる物語りに、ファンタスティックな要素を埋め込むという無難な手法は、今までの谷さんとは、ちょっと違った方向で、新鮮でした。少し、無理が多いかな?。

  • 一つ一つの話が読みやすく、ちょっと切なくなるけどほっこりする話だった。
    登場人物の人間関係も見てて感情移入しやすいので気持ちよく読めた。

  • 四話まで不思議なブロカント(美しいガラクタ)話と思っていたら、最後二話はなかなかヘビーなお話。

  • 一見がらくたに見える物がとある人にとっては意味のあるものになる。物語と共に売られる物たち。トランク一つ夜の公園で老人が売る品々とは……。温かい物語でした。不安や悩みコンプレックス、人とのわだかまり、それらがほどけていく様が心地よい。騙されやすい主人公とクールだけれど優しい彼との関係が気になって読みすすめてしまいました。どこか少女漫画を読んでいるような、ドラマチックなお話(*´ェ`*)

  • じんわりと進んでいくストーリーがとてもよかったです。

  • 単行本でも読んでいましたが、文庫版で出たので改めて読んでみました。

    当時読んだ時よりも胸にしみるというか、前よりも面白く感じました。

    人と物との繋がりを大事にしたいですね。

  • あまり面白くはないと思いながら、続きが気になりスルスル読んだ。物が語ると書いて物語。それぞれのモノにもちゃんとした物語がある。モノを大事にしようと思った。
    色々な人間関係も交わりながら、最後の方は少し興味深く読めたかな。

  • つき子のような真面目でうっかりしたお人好しが、最後にハッピーエンドを迎えられてよかった。

    つき子が仕事を押し付けられたり、盛り上げ役として合コンに呼ばれたりしてると、周りにいいように利用されてるように感じるんだよね。
    いや、本人は多分自覚してないだけで、そうなんだろうけど。
    そういうのって受け取りかた次第なんだなぁと思った。
    幼馴染みの件は、間違いなくただの立場を利用した詐欺なんだけど、それも、自戒の為に大事にするとかどんだけMなのか…。

    酔いざましに歩いて帰ろうとして、迷ってしまうという、実際にそうなったら途方にくれそうなシチュエーションの中、河嶋骨董屋や天馬との出会いになってて、ときめいてしまった。
    まだ、なにも始まってないのに(笑)

    温かい道具たちの物語の合間に入るドキッとする場面で、天馬の重そうな事情がかいま見えた時のつき子のためらいとか、骨董屋の物語を買った人
    の過去とか、読んでて感情移入しやすくて、よかった。

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著者プロフィール

三重県出身。『パラダイスルネッサンス楽園再生』で一九九七年度ロマン大賞佳作に入選しデビュー。「伯爵と妖精」シリーズ、ベストセラーとなった「思い出のとき修理します」シリーズ、「異人館画廊」シリーズ、『がらくた屋と月の夜話』『まよなかの青空』『あかずの扉の鍵貸します』『ふれあいサンドイッチ』など著書多数。

「2023年 『神さまのいうとおり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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