1981年のスワンソング (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (451ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344426726

感想・レビュー・書評

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  • タイトルからどの曲を最後の一曲に選ぶのか、と興味津々で読み進め...、なるほど...。当時、父親の影響でThe Beach Boysを聴きまくっていた私には、彼らの影響を受けた方々が出てくるのがツボでした。何かに熱中する人には魅かれちゃいますよね...。
    ただ、これ、各所からクレーム入らなかったのだろうか。

  • 2014年から1981年にタイムスリップした男が、81年には発表されていない名曲たちを新曲として発表していく…。
    昔、タイムスリップした日本人のバンドが、当時未発表だったビートルズの曲をリリースするという漫画があったが、基本ラインは同じ。多少の罪悪感はありつつも、新曲としてリリースし、昔の人たちに熱狂的に受け入れられていく。1981年の世界でリリースされる名曲がどんな売れ方をするのかがとにかく楽しい。選曲に関しては異論もあるだろうが、そんなに違和感はない。ドリカムが入っていないのが不思議だなと思う程度。
    1981年当時のことを少しでも知っていて音楽に多少なりとも興味を持っている人は楽しめる小説。当時のことを知らない世代でも、物語の展開が上手なので安心して楽しめるはず。

  • 面白かったです。
    私自身、高校時代に戻ったような気持ちになりました

  • 1981年にタイムスリップした青年が、"未来の曲"で大ヒット連発!歴史を変えてしまう葛藤と、その時代に生きる人々との交流と自身の決心を爽やかなタッチで描く、掟破りの痛快エンタメ小説。
    流行歌は時代が生み出すが、名曲はいつの時代も色褪せない。曲のイントロも新鮮だし、最も大きな要素は歌詞にあると思う。人間の本質、永遠に変わらない心の部分に突き刺さるようなメッセージがその歌にはあるのでないだろうか。

  • 主人公 松尾俊介(まつおしゅんすけ)29歳、独身、彼女いない歴2年、飲み会の翌日のコンビニ帰りに突然2014年から1981年にタイムスリップしてしまいます。

    タイムスリップ物に有りがちな帰るまでの苦悩などは殆ど描かれず1981年の東京での意外と楽しげな様子が描かれていてクスっと笑える個所も多々あります。

    サザンの桑田さん、松田聖子さん、マッチやキムタク、秋元康さんなどの著名な有名人の名前が登場したりヒット曲や有名番組等も多数出て来るエンタメ小説です。

  • 2014年に生きる青年が1981年にタイムスリップする話。今の歌を過去で歌うと過大に評価されて売れまくる話。あらすじを見て面白そうで買いましたが、読書初心者には、展開が遅く、読んでいて飽きやすく、なかなか進まなかったです。あらすじで期待しすぎてしまったかな。

  • イャ〜〜面白かった。
    久しぶりの五十嵐さんだったが、大満足。
    名作映画をモチーフにしているのは、五十嵐さんらしいところだが、今作も「バックトゥザフューチャー」へのリスペクトが垣間見えマス。著者自ら“あとがき”で述べていますが、ツッコミどころ満載で、読みながら「チャゲアスは?」とか「尾崎豊は?」とか「オフコースは?」とか「プリプリは?」とかぼやきます。そもそもサザン出すなら長渕剛も出せ、と。(ごめんなさい)
    そのくらい物語に入り込んでしまったです。高校~大学とバンドを組んでいたので感情移入しまくりだったし、その思い出から感傷に浸りもしましたが、そういった要素を除外しても、面白かった。キャラもたっていたし、終盤の展開は予想外でした。
    オチに一滴の不納得感があり☆4。も、
    オスすすめ。



  • 未来にタイムスリップした俊介が、その未来で生きていくために、過去の世界で発表された楽曲を提供する。
    それらはもちろん過去にヒットした作品ばかりなので、未来でもヒットする。
    こう考えると、過去より未来にタイムスリップする方がいいのかな??(笑)

    2020.06.25

  • 昨年観た映画「イエスタディ」に似た雰囲気の作品でした。
    こちらはタイムスリップものなので、現代のネット社会の便利だけれど何となく気持ち悪い状態に対する問題提起が入っているのですが、そこはあくまでもオマケのような扱いでした。
    自分としては音楽より現代の感覚で80年代を見た描写の方が興味深かった。確かに過度に情報に支配されている現代より、少し不便な時代の方がもっと考えたり工夫したり面白かったように思う。

  • 下北沢の町で、突然2014年から1981年に
    タイムスリップした話。
    タイムスリップものは、大好きで五十嵐貴久さんが
    描くタイムスリップは、どんな世界だろうと
    読み始めたら、止まらない止まらない。
    たった30年で、こんなに世界観が違うのかと思うほどに
    変化しすぎていた日本を改めて実感。
    それが、『音楽』を通してみると、名曲というものは
    どの時代でも人の心に突き刺さるのだと
    これまた実感。

    それにしても、過去にタイムスリップして、
    未来に名曲として語りつがれる音楽を
    自分が作詞作曲したとことにして、
    世の中に出してしまって、それがやはり大ヒットしてしまうという、ハラハラドキドキな展開は、
    なんだか、たまらなくワクワクした。

    そして、こ、こ、こ、これは!?もしや!?
    と、ちょっと触れただけで、この人あの人だよね?!
    って分かっちゃう有名人が数名出てくるのだけど、
    それがまた、とっても楽しくて面白くて。

    主人公が名曲の中でも、この時代に通用する曲を
    厳選しているところは著者の五十嵐貴久さんが
    苦労して選んだ楽曲なのは、とてもとても
    伝わってきた。


    だけど、これ。
    実際、未来に出るはずだった歌が
    そのミュージシャンが発表する前に発表したとなると、
    そのミュージシャンは、その曲を聴いたときに
    どんな風に思うんだろう?とか、
    これは、パクリの罪にはならないわけだよな。とか
    真剣に考えこんだりしてしまって。
    完全にこの世界に入り込んでしまいました。

    ホントに面白かった!!

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著者プロフィール

1961年東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業。『リカ』で第2回ホラーサスペンス大賞を受賞し、翌02年デビュー。以来、警察小説・青春小説・サスペンス・時代小説等、ジャンルにとらわれずに活躍中。

「2023年 『交渉人・遠野麻衣子 爆弾魔』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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