カミングホーム (幻冬舎ルチル文庫 さ 3-3)

著者 : 榊花月

• 幻冬舎コミックス (2007年5月1日発売)

感想・レビュー・書評

[ginpeさんの感想 · 2012年6月4日]

両親不在の５人兄弟の３番目。高校３年の晶紀は家事と弟の世話に追われる毎日。
ある日兄が連れてきた会社の同僚・波柴。
最初は軽薄なお調子者と思って馴染めなかった晶紀だが、何度か会い、進路や家庭の悩みを相談していくうちにだんだんと波柴に魅かれ始める。

うんうん、家族モノの定番って感じの話ですね！
個性的な兄弟。二人っきりになれないシチュエーション。
軽そうに見えて頼りになる彼。
うんうん、よくあるる！って感じの話ではある。
末っ子もしくは長男ではなく中間子ってとこがちょっと珍しい・・・のかな？３人兄弟ならあるかな？

[彩波（いろは）さんの感想 · 2011年10月16日]

　男ばかりの兄弟五人で暮らす夏目家の三男・夏目晶紀は高校三年生。
　家事を一手に引き受ける晶紀は、社会人の一実、大学生の嗣人、中学生の真生、小学生の楓の世話で大忙し。朝から、弟たちのお弁当作りに追われ、家族全員の朝食の準備をする。放課後も、スーパーで買い物をして帰り、夕食を作る。
　そんなある日、一実が同僚の波柴一郎とともに帰宅する。
　親しげに話しかけてくる波柴を、最初は胡散臭いと思っていた晶紀だが、波柴の優しさに、やがて惹かれ始めていく。
　そして、波柴によって段々と晶紀の気持ちに変化が訪れる。
　今までは「自分には何のとりえもないから」と思い、引き受けていた家事だったが、その気持ちの中に「頼りにされたい」という気持ちが潜んでいたことに気づき、当たり前のように家族に家事をやることを頼りにされていることに苛立ったり。
　おまけに、よりによって晶紀は高校三年生。
　日々の生活に追われているうちに、自分の将来を考えることを忘れていたことに周りの変化に気がつかされる。おまけにそれを長兄に咎められて……。

　この手の葛藤の話は前に、別の本で読んだことがあります。
　そっちの作者様もとっても文体の系統が似てるので、一瞬、混同しそうになりますが、ちょっと、ほっこりあったかい物語。
　一度、誰かがその任を担ってしまうと、それが当たり前に過ぎてしまう。そんな日常の典型的パターンなお話。
　引き受けた方は別に、それをやることが嫌ではないのだけれど、時折、それが自分のキャパを越えてしまうことがあって、その苛立ちを爆発させてしまうものなんだと思います。それを考えたら、晶紀は本当によく耐えてると思う。
　私だったら本当はもうちょっと早くにキレてる気がする。
　けど、本当は誰でもみんなが平等にやるように、最初に分担しておくのがかしこかったと思います。

　まぁ、そうやって全てを背負うことである意味逃げてた晶紀が自分と向き合い始めて、それを大人な波柴が上手に支えてあげる話……でした。
　こういう晶紀には、大人な波柴がお似合いだと思います。

[boyslovebookさんの感想 · 2010年6月6日]

タイトル：カミングホーム
著者名：榊花月
イラスト：山本小鉄子

■Story■
男ばかりの兄弟五人で暮らす夏目家の三男・夏目晶紀は高校三年生。
家事を一手に引き受ける晶紀は、社会人の一実、大学生の嗣人、
中学生の真生、小学生の楓の世話で忙しい。
そんなある日、一実が同僚の波柴一郎とともに帰宅する。
親しげに話しかけてくる波柴を、最初は胡散臭いと思っていた晶紀だが、
波柴のやさしさに、やがて惹かれていき…！？

■感想■
兄弟達の面倒をみる高校生って…健気だ。
みんな押し付けているのではなく、尊重しているようだが。
途中、癇癪をおこしてしまう晶紀に対して
大人な対応で晶紀を宥める波柴にクラリッとした。
アットホームな雰囲気に飢えている方にはオススメ。

[tumusaさんの感想 · 2009年9月12日]

★3.25
読了日：？　出版日：05/2007

著者プロフィール

3月17日生まれ。千葉県在住。
1995年白泉社より『抱きしめたい』で単行本デビュー。
近著に『気に食わない友人』（徳間書店）『片思いドロップワート』（幻冬舎コミックス）などがある。

「2013年 『有閑御曹司と恋の事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」