眠る兎 (幻冬舎ルチル文庫 こ 1-2)

著者 :
  • 幻冬舎コミックス
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344816367

感想・レビュー・書評

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  • 木原音瀬さんデビュー作とのこと。
    昭和くらいまでは、存在していたと思うのですが、雑誌の後ろの方に文通希望者の掲載ページがありました。住所と名前まで確か掲載されていた記憶があります。今、考えると恐ろしい。
    そんな雑誌の投稿欄をきっかけに会うことになった二人。偶然にも同じ高校の教師と生徒。
    年上の先生が我慢強くて優しくて、なんとなく離れて辛くなっていきます。
    「冬日」というその後を書いた短編は、教師の若い日の恋心に決着をつけることができる書き下ろし。
    1995年くらいの作品で、20年くらい書き続けている木原さん。上手くなったなあと思うと同時に、嫌な奴の嫌レベルも上がっている。
    これで、図書館にある木原さん読了。

    • ひまわりめろんさん
      Σ(゚Д゚)
      難読名字か!
      Σ(゚Д゚)
      難読名字か!
      2023/10/15
    • おびのりさん
      文通してたから、許す。
      文通してたから、許す。
      2023/10/15
    • ひまわりめろんさん
      ありがとう、名前忘れたけどアメリカの人
      あなたのおかげで許されました
      ありがとう、名前忘れたけどアメリカの人
      あなたのおかげで許されました
      2023/10/15
  • はじめ立場的に優位に立っていた攻めが途中大ピンチに見舞われ、修復は不可能なのではと思わせるほどのハラハラする一騒動のあと、収まるべきところにちゃんと収まる。受けも攻めも性格的にちょっと欠点というか、どうしようもないところがあるところもリアルで「こんな人っていそう」「こんなことしたらダメだろうよ」とかつい感情移入したくなるほど描写が巧みだった。木原さんが描く登場人物たちは心情がリアルで嘘くささがないからすっと引き込まれてしまう。二話目の後日談は、もやもやした中に確かな未来が見える。三話目はあっと驚く展開。

  • はじめてこの作者様の作品を読みましたが最高でした。
    後日談は友人の話でしたがこちらもめちゃくちゃ良いです。

  • 冴えない教師に少しずつ嵌っていく主人公…歳の差、しかも年下攻め!萌えました!
    スピンオフを最後に読んだら読後感モヤッとしてしまい星三つになっちゃいましたが、本編は主人公の初々しい恋心に堪らない気分になりました。

  • 高校生×教師。年下の男が、付き合ううちに成長していって、包容力を兼ね備えたイイ男になって受を溺愛するという夢のようなお話。でもそこに行きつくまでに、騙されて可哀想なはずの受の臆病でずるいところを、わりとシビアな目線で語っている作者の容赦のなさも垣間見え、所々にほんのり苦みを感じさせている。
    親友のその後はともかく、二人の甘々で幸せなラスト。ハッピーエンド主義者にはここまでの木原さんで十分。

  • 木原音瀬さんの雑誌デビュー作だそうです。
    木原さんは重いって聞いてたけど、これは読みやすく甘かったです。
    95年発表ということで、さすがに時代背景は昔のものでしたが、面白かったです。
    ノンケだったはずの高校生がゲイをからかうつもりで付き合いが始まり、そのうちに好きになってしまう・・・というBL定番ともいえるお話ですが、その心理描写が細やかでリアルでした。
    特に恋情よりも、欲情していく部分が、「本当にこう思っちゃうのかもな・・・」というリアル感があってドキドキしました。
    後半の8年後の話も甘くて好きでした。
    主人公の親友もホモになっちゃう話は、面白かったけどちょっと残念でした。彼にはノンケでいて欲しかったな。

  • おもしろかったです。
    萌えるかというとそうではないけど、引き込まれ感アリアリです♪
    雑誌デビュー作なのかぁ。
    やっぱ木原さんはすごいな。。。

  • 高校生の里見浩一は、冗談で出した手紙をきっかけに
    地味なゲイの高校教師・高橋とつきあうことに。

    里見も基本的にいいヤツだし、高橋の卑屈度も低めで
    好感もって読める感じ。

    高橋の初恋の人と再会する後日談「冬日」に加えて
    里見の友人、柿本と後輩の志田との話も
    書き下ろしで入っていて、ふたりのその後も
    楽しめて、1冊で充実感たっぷり。

    イラスト:車折まゆ
    『眠る兎』小説b-Boy95年12月号
    『冬日』BBN「眠る兎」(2002/9)
    『春の嵐』書き下ろし

  • 冗談で出した手紙に返事が来て、興味本位で相手を見たいと思った里見浩一。何と相手は自分の通う高校の国語教員で
    お互い身分を偽って、嘘をつき続けて
    でも、何度も会う内に好きになって

    本気のラブストーリー

    2人の始まりから、それからの2人へと
    読み終わっても2人は続いていくのだと
    読んでいて終始気持ちの良いストーリーでした。

  • 「美しいこと」を読んでから、いつか他の木原さんの作品を読んでみようと思っていたのですが、ある本屋で大量に発見。まとめ買いをしたうちの一冊を今日読んでみました。
    巻末をみるとかなり初期の作品らしいのですが、ほかのBL作家さんによく見られるような、初期故の文章の不安定さが無く、すんなり物語に入っていけました。(文章が稚拙だといちいちひっかかって、物語に入り込めない。または時間がかかってしまう)

    1冊にまとまっているものの、どうも章立てにしてはすんなりいかないなと思ったら、各々別に書かれたものらしいですね。それなら納得です。
    話自体はよくある設定、ひねりもないので、短時間で読んでしまえて、あまり印象にも残らない感じ。
    妄想させてくれる小ネタも散らばっているので、BL読みたい、、、で読むには丁度いいかも。

    他にも数冊買ったので、順番に読んで行こうと思いますが、ほとんど新書判なので、このBooklogには感想を載せないかもしれません。

  • 全然痛くないし甘いし面白かったです。構えてたのに!
    最近の木原さんのキャラって大体皆性格が悪くてすごい嫌なキャラで、なのに流されるとかいう次元でなく何時の間にか好きって事になってて、へ?え?いつの間に?何で?て思う事ばかりなのですが、そんな事はなかった。昔のだからか。多分デビュー作らしいので、最初はいい意味で普通に普通だったんだなぁと思いました(笑)逆に驚いてしまった。奇を衒わずとも書けるのかって。出だしはあーやっぱり攻の性格悪いのー?と思ったのですが、子供としては普通にある程度の身勝手さで、最初だけだったから全然平気でした。好きになってく過程、相手の反応だとか仕草だとかもちゃんと書かれてたし。普通に王道だった。
    続編がすごく良かったです。あまー!甘いのは良い。8年も経ってるのには驚きましたが、それだけ続いて、今後も死ぬまで一緒なんだなぁと思える話でとても良かったです。途中ほろりと。攻がすっごく良い男に育ってた!優柔不断な高校生だったのが、大きな、包容力のある男に育ってて素敵でした。萌えた。
    で。書き下ろし。うん。木原さんだった。近年の。柿本もこっちにくるんだろうなーと思ってたら続編では出てこなかったから安心してたら、書き下ろしで引きずりこまれてました。ゲイには絶対になりそうにないキャラだったのに、総ホモ化するんだろうなぁと思ってしまうBL界。そこも残念だったけど、そうでなく。ものすごく真っ当な意見の持ち主で、本篇で常識的に正論で主人公を叱ってたのに、何でこんな性格悪い無神経キャラになってるの…ていう。相手の気持ちを考えろって、当たり前の事をちゃんと解ってる人間だったのに、完全に別人でした。これって完全に今の木原さんが書いたせいだよなぁと(笑)なんかほんと、最近の木原さんってやっぱり性格悪いキャラしか書けないんだろうなぁと改めて思った話でした。文章も話も、すーごい癖ついたよなぁと一緒に読むとまざまざ。つって、最近っても2009年なんですが!3年も積んでた事に驚きだよ!

  • 生徒×先生
    良くも悪くも普通かな。読み飛ばしてしまった。

  • 木原さんは年下の未来ある若者を相手にする冴えない大人、と言う図式を何作は書かれてるが、その大人の方の「いやらしさ」と言うか「うじうじした」感じ、煮え切らなさ、下手に出ているように見えて上目遣いで自己主張する感じのある種の気持ち悪さが凄く出ていた(笑)

  • 面白いけれど設定はありがち

  •  里見浩一は、友人が持ってきたゲイ向けの雑誌を、他の友人と共にふざけて眺めていた。
     そのうちに誰かが文通コーナーに書いてある相手に「手紙を出そう」と言いだし、相手が好みそうな内容をみんなで並べ立てる。
     その手紙を「里見の名前で出していいか?」と聞かれ、「いいよ」と答えてしまう。

     数日後、里見の下に届いたのは、「一度会いたい」と書いた手紙の返事であった。

    「人の真剣な気持ちを笑うような真似をするな」と友人に言われたものの、里見の想いを寄せる相手が「見に行きたい」と言い出したことから、里見は断りきれずついつい「いいよ」と言ってしまう。

     待ち合わせ場所に指定された喫茶店で、指定された席にいたのは、ホストのような見た目をした派手な男で、しばらくすると席を立っていってしまう。
     それでほっとしたのだが、店を出て行く寸前、実は里見に返事を送ってきた男が店を出て行った男とは違う男であることに気がつく。その男は、里見の通う高校の教師・高橋だった。
     一度はその店を後にしたものの、その高橋が、まだ待っているような気がして、里見は電車に乗って帰る前に再度店に戻ると、やはり高橋はいた。
    「自分はゲイではないから、付き合うつもりはない」
     そう告げようと思ったのだけれど、高橋の怯えるようなすがるような顔を見ると、ついつい言いそびれてしまう。
     それどころか、帰り際に相手の連絡先を受け取ってしまい、途方に暮れてしまう。
     その後、直接言うよりはいいだろうと思い、「付き合えない」という言葉を告げるために何度か電話をかけるけれど、そのたびに話が弾み、言い出せないままに終わってしまう。
     そのままずるずると週に一度、会って話す関係が続き――

     という話でした。
     まさにミイラ取りがミイラになってしまったお話。
     最初はそんなつもりのなかった里見が、高橋と逢瀬を繰り返しているうちに、次第に彼に惹かれていって、片時も離れられなくなって、最後には養子縁組までしてしまう。
     なんか、若さって怖いって思うけど、そこまでいったらもう若さじゃないですよね。

     優柔不断だった始まりがいつしか本当になってしまったお話でした。
     ちょっとしっとり落ち着いた話なので、そういう話がお好きな方にはオススメします。

  • この作家さんのなかで好きな本

  • 2012/07/24
    【やや好き】高校生:里見×教師:高橋。 出会い系雑誌に冗談で送った手紙へ返事が来たことで知り合った二人が、嘘だらけで正体を隠しながら体先行で恋愛する話。 臆病でズルい面倒くさい受だなぁ…と思わないでもないが、その小動物っぽさがいったんツボに入ってしまえば可愛いのかもしれないな…多分。 描き下ろしは、里見の親友:柿本が後輩にやられちゃってる話。 それは恋愛なのかな?と疑問に思うんだけど一生懸命に迫る後輩をもっとヒドい目に遭わせてやればいいなーと何故か嗜虐的な気持ちになった。 いや、柿本も大概な性格だとは思うのだけど、受けてる時点でどこか許せちゃうというか…。

  • あとがきに「デビュー作」と書かれていました~。
    優柔不断な里見が高橋と出会って変わっていく様子がリアルでした。
    軽率で我が儘な女の子だと感じた遠藤さんも最後には男前なところを見せてくれましたね。
    里見の親友の柿本、「冬日」に出てくる高橋の初恋の人、一ノ瀬、それぞれがしっかり里見と高橋に絡んでいて良かったと思います。そして、8年経った里見は、すごくいい男になっていてびっくり。高橋との出会いが里見を成長させたんだなと思います。
    そして「春の嵐」あらら・・・柿本どうなっちゃうのかな?ちょっと意外な展開でした。

  • 不器用で卑屈で人間の負の部分を全面に押し出した受が登場。
    嘘で塗り固められた恋の始まり…好きになる程に嘘が苦しくなり、
    5歳年下の攻に年齢差で不安を感じてた所に、じつは5歳じゃなくて
    10歳も年下でした。しかもアンタが勤めてる高校の生徒でした。
    という、体裁を気にしすぎる真面目な受にはもう衝撃の事実。
    はじめは面白半分だった攻も、あまりにも純粋で真面目な受に
    ほだされ、ノンケだったのに惚れていく様が、本当に自然に書かれてます。
    気がつけば、心ごと持っていかれる恋になってます。

    最大の萌え台詞は
    良識的で体裁を気にして、大人な自分を理性的に捉えようとする受が、
    攻を前に完全にそういった壁を崩して、

    『あんな子供に、君を渡したくない』

    萌えすぎて死ぬかと思った!!

  • 木原先生の話の中では読みやすいほうだと、レビューを見て気づきました。たしかに^^
    小学校のころ眠る兎を(別の文庫で)読んで腐った道に踏み外したので、最初に読んだのがこれでよかったなあと思います。リベットあたりだったらトラウマになってたかも…(笑)

    木原先生の作品がはじめての方にもお勧めできる話です〜

  • これがデビュー作品とは…初期から二人の葛藤期間が長い話を書けていて凄いなあと純粋に思いました。でもタイトルはどういう意味なんだろう。なぜ眠る兎。

  • 木原作品にしては、痛くなくて読後感もよかった。

    この方の作品を読むといつも思うのですが、ほんとに生々しい恋愛模様の描き方が群を抜いて際立っています。小綺麗なロマンスじゃないのが他のBLと違っていて、妙にリアルでクセになります…
    相手の本音を見極める力に長けている里見は、高橋とベストcp。高校生だけあって、ちょっと子供っぽいけど、包容力もあるし、高橋の本心を引き出した忍耐力もあるし、愛を育てる能力が抜群。
    「冬日」の里見、よかったです。作者さんはあとがきでどこを一番書きたかったか忘れたとおっしゃってますが、あれもこれも印象的でしたよ。前向きに人生を考えている里見のために過去をきちんと自分の中で整理して、一緒に生きようと決意する高橋もいいなあと思いました。イチャコラ加減が甘くて、辛い場面も一気に吹っ飛ぶ感じ。それに、チクチクするけどあまり痛くない話でした。

    「春の嵐」は里見たちを他人事のように見ていた、まさかの柿本。志田に同属嫌悪とばっさりやられて面白かった。二人の仲の良さをフンって横目で見て否定的なのに、志田からのリアルなアプローチには無自覚のまま流されているのが最高。柿本、アリですね。

  • 臆病だけど執着心の強い先生に萌えた

  • メイン組の方でジンワリきて、サブ組でニヤニヤ衝撃www 二度美味しいww 読みやすかった♪後書きも楽しくて衝撃ww いつもとは違う意味の衝撃w

    長く付き合ってきた関係を感じさせる信頼とか甘さがあって、「傷ついても…」セリフのシーンは大好き♪♪♪信じてる、真剣に大切に思ってるのが伝わってきて禿げる〜。後書き読んでビックリしたけどww 長く続けられるということは、どういうことなのか…てことがベースにあった感じしたけどな…w  展開激しくないから気合いなくても読めたww

    最後に志田柿本組w 柿本可笑しいwww これもっと続きが欲しい〜!悶える終わり方って訳じゃないけど、珍しいキャラで読みたくてたまらん。もっと書きたかったとかじゃないの?ってぐらいノリを感じるw里見組の話の時から、引っかかって気になってた柿本w 妥協のない性格でもってゲイに納得出来ず悶々とした挙句に見つけてしまった地雷を自ら踏みに行くようなキャラでwww

    どっちも末長くシアワセになってくれ〜♪いや、柿本は志田と長く続いて何故思いながらシアワセになるがいいwww

  • 書き下ろしに完敗。 柿本君お幸せにね!

  • 内容はものすごく胸が痛くなるシーンもあったけど、基本的に仲良しなカップルだったし、木原さんにしては超ハッピーエンドなので安心。
    個人的には、番外編の春の嵐の続きを2冊くらいでやってほしい!!!
    なかなか普通のBLではありえないような展開が続くので (痛い木原さん作品の香りがすごくします…)、このあと柿本はどうなってしまうんだろうと凄く気になっています…………出てないかしらスピンオフ…………

  • ビーボーイノベルズ「眠る兎」文庫化 
    イラストレーター変更 
    書き下ろしあり

    ・初出 
    眠る兎……小説b-Boy'95年12月号 
    冬日……BBN「眠る兎」(2002年9月) 
    春の嵐……書き下ろし 
    ※「眠る兎」「冬日」は単行本収録にあたり加筆修正しました。

  • 木原さん2冊目。親友の柿本の話がすきだった。

  • 軽薄な人間のいやな面を、
    読者に眉をひそめさせるほどにBLで書くって
    やっぱりなかなかできないことだし読めないものだなあと思います。
    だんだんと愛情が生まれゆく過程が、
    読んでいて引き込まれました。

    養子縁組かあ…
    もっと波乱万丈なのかと思っていましたが、
    案外攻がゾッコンになってしまったんですね。

  • 攻め視点で始まるお話って得意ではなく、しかもなんて最低なやつだろうと思っていた攻めが、段々と変化していく過程や年上の男の人との恋愛模様に引き込まれました。養子縁組をして家族になるという辺り、うるっときましたね;;書き下ろしの柿本視点の、あんな曖昧なままでいいんだ(苦笑)挿絵は苦手でした;;

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著者プロフィール

高知県生まれ。1995年「眠る兎」でデビュー。不器用でもどかしい恋愛感情を生々しくかつ鮮やかに描き、ボーイズラブ小説界で不動の人気を持つ。『箱の中』と続編『檻の外』は刊行時、「ダ・ヴィンチ」誌上にてボーイズラブ界の芥川賞作品と評され、話題となった。ほかの著書に『秘密』『さようなら、と君は手を振った』『月に笑う』『ラブセメタリー』『罪の名前』など多数。

「2022年 『コゴロシムラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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