真音 3 (リンクスロマンス)

著者 :
  • 幻冬舎コミックス
4.25
  • (17)
  • (12)
  • (6)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 99
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344819184

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • あーもう、あーもう、あーもう好きです。好き。
    もうBLじゃなくて人間ドラマだった。いやまぁガッツリヤッてるのでBLではあるんだけども。

    ヤクザ×出所したばかりの青年
    1巻はどうなるかあまりわからず、二段組ですしとっかかりとしてはハードル高いですが、ヤクザに何故か気に入られた出所したばかりの無口で真面目な青年の話って感じでした。
    2巻になると進藤、富樫、槙原、さめの4人の過去とかが少しずつ出てきて、人間ドラマ的になってきます。
    そしていよいよ最終3巻。
    コトが起こって、今まで向き合えずにいた本音や真実とそれぞれが向き合わないといけなくなります。
    進藤は自分の過去と富樫と。富樫はこれからどうするのか。
    ハイライトはやっぱり、進藤が富樫に迫るところただと思います。
    "俺のものになればなんでも望みを叶えてやる"そう言っていた富樫に進藤は望むものなんてなかった。でもここにきて進藤は究極のものを望む。
    それは富樫の人生や槙原の人生を左右する場面だったし、これまでの話はここに向かっていたように思います。
    東京駅で富樫と槙原が2人でいるシーンにはグッとくるものがありました。
    また、不安に駆られた進藤が思わず富樫に"なぜ兄を殺したのか?"という問いを向けるシーンも切なくなりました。あそこで寂しいと感じる進藤は心ごと富樫に持っていかれてしまってたんだなぁと納得するものがあった。
    そして。前巻で富樫に言われた罪と向き合うことに進藤もようやく進み始めます。
    その過程で知る自分と富樫の共通点。結局富樫の罪の真相は明らかにはされませんが、感じるものがありました。
    そして、全てが終わりやっと自分の時間を持てた進藤がしたこと。それが自ら富樫に"会いたい"と連絡をするって言うのももう!富樫さんおめでとう!!

    こうして読んできて、とりあえずは丸く治ったけれどもこの人たちにはまだまだこれから平穏とは遠い現実が待ち受けているんだろうなぁと思う反面、相変わらずにちょっと面倒くさく思いながらも進藤は富樫といるし、槙原も富樫に振り回されるんだろうなと思えました。

    最後の最後になぜか染谷の憧れの人のお話が掲載されるという不思議展開ですが、これもまたホンワカして良かったです。
    本当にヤクザモノなの?ってくらいホンワカ。
    "組長、進藤さん一筋ですからっ!"
    "……それも…困るような…"
    ここに来ても進藤もクール!
    進藤がいると知り慌てて帰って来る富樫も可愛いですしね!
    お話的には重い部分も多いはずなのに、ちょこちょこ笑える要素があったりして、和みました。

    長いお話なので、富樫が青木の葬式出すとことか、進藤がさめに染谷の過去を聞いちゃったりとか、槙原が拳銃持ってるのに灰皿持ち歩いてるのとか、それぞれの性格とか思いが伝わる要素がちゃんと織り込まれてるのも堪りません…

    そんなこんなですごいハマった!
    正直、このお人好したちホントにヤクザ?ってとこもたびたびありますが、もうとりあえず富樫さんは一回り下の感情的に不器用な進藤が可愛くて仕方ないんだな!って思うし、富樫よりよっぽど大人だなって思う進藤でさえ、富樫にいて欲しいとか寂しいとかってこともあって切なさを感じるし、そもそも進藤でさえ逃げ出したかった過去の進藤が置かれていた環境を思うとグッときます。

    捨てられない本になりそうです。

  • 谷崎さんの作品で、一番好きな作品!!
    やくざものですが設定も無理がなく、わりと普通の人しか出てきません。
    1.2巻で焦らした分、この巻でやっと受の甘さが出ます。
    むりやり抱くたびに受に溺れていく攻(やくざ)が、一般人で少年院あがりの受を振り回す(でもほんとは振り回されてる)話ですが、この受がまた谷崎さんの作品ではめずらしくふつうの青年。美貌も才能もありません。でもなにかが足りない・・・。
    その足りない何かに気づいた時・・・、話は急展開をむかえます。
    基本的に受視点で、行動範囲もせまいので、読みやすく、1ページに上下2段の新書形態は読み応えたっぷりで本好きにはたまらない充足感を与えます。大満足!
    出会えてよかった作品です。

    「真音」シリーズ全3巻

  • 人と向き合うことの怖さ、もどかしさ、大切さ・・・真の音は耳に心に届いただろうか?

  • 無事に終わって良かったー!青木のことがあってから、富樫さんや槙原さんがどうなってしまうのか、ハラハラしっぱないしで;;このことがきっかけで富樫組を立ち上げたり、進藤との関係もより深まったりで。漸く富樫さんの過去がわかったり、進藤も過去と向き合う決心をし、さめさんも介抱に向かい、みんなが良い方向へいったのが本当何より良かったです。後半の、富樫さんと進藤のやり取りがとっても微笑ましくてにやけましたw進藤はほんと人らしくなったな〜と感慨深いです(笑)槙原さんに嫉妬するそんな富樫さんも好きです(笑)

  • 主人公は勿論進藤なんだけれども、メインの三人(進藤・富樫・槙原)皆の心情描写が三巻に至ってはくっきりと読み取れるようになってきて、その差異が面白く感じた。BLもので、主人公(受)と相手役の攻めがクローズアップされるのは当然として、それ以外のキャラとキャラの関係性が掘り下げられるのをあまり読んでこなかったせいかな。富樫と槙原の繋がりの深さ、お互いがお互いがなければやっていけなかった、そういう主従の関係描写がとても好みだった。進藤の啖呵を受けての富樫の決着は、いい展開だなあ。やにさがってる富樫はかわいいと思う。こういう攻め、好きだ。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

1月9日生まれ子供の頃からずっと犬のいる生活を送っています。今は黒柴とキジトラ猫と共に暮らしています。

「2023年 『老舗酒蔵のまかないさん 三 門出の春酒と桜舞い散るお花見弁当』 で使われていた紹介文から引用しています。」

谷崎泉の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×