翼の帰る処 3 ―歌われぬ約束― (下) (幻狼ファンタジアノベルス)
- 幻冬舎コミックス (2011年8月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344820760
感想・レビュー・書評
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主人公ヤエトは、北方ルス公ライモンドと会談することでいったん危機を脱する。しかし、北嶺国は北方と同盟を結ばざるを得なくなる。強大な力を持つがゆえに幽閉されていたラ=ヴルスの幼女ルシルと会い、友となって、来る破滅の日にともに戦うことを約する。一方、皇女は、皇帝の勘気を買った第4皇子を庇うという危ういことになっていた。そのために、ヤエトはルーギンとともに皇帝に会うが、魔物たちを捉えている蓋が開きそうになっていることを告げても、あまり信じていそうもない。
この蓋が開きそうだということが、これからの物語の展開のキーポイントなのだろう。ラ=ヴルスや風に捕まえられていた南方の男アトラスなどがこれから大いにかかわってくるのだろう。やはりファンタジーの世界なのだ。まだまだその全容が分からないというか、世界観の理解は難しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ヤエト・・・隠居をそろそろ諦めた、の、巻(笑)
そして、ヤエト、とうとう鳥バカを自認する、の巻。 -
このシリーズの1巻を読んだところで「翼の帰る処」というタイトルがいいなあと思ったのですが、別の意味で、この3巻を読み終わって、まさしく「翼の帰る処」である、と実感した次第。
しかし懸案は相変わらず、いや増え続け、いくつものXデーは刻一刻と近づいているようにも思え…。ハラハラドキドキというよりも、あの人の健康と展開にやきもきしています。
そして毎回両翼が欠けることなく、ちゃんと帰ってきますように、と願わずにはいられません…皇女のために。 -
物語りはますます大きく広がりを見せています。続きが楽しみですが、また待たされることになるんだろうなー。しかたないからおとなしく待ちます。待ってます〜!
今回の結論としては隠居の道は険しいね、と。それにしてもヤエトってば女難? -
歴史ものだ
『風の王国』と同じく「歴史もの」ではあるにせよ「歴史小説」なのか
立場が政治権力者だから「歴史」なのであって
そういう「職場」でのお仕事ものなのではなかろうか
という点
利害の絡む人間関係を描いていて
登場人物たちが物理的にではなく政治的あるいは軍事的すなわち社会的に力があるので
歴史もののようではある(戦争部分を主と描くなら戦記ものである)が
社会的に力がない場合としていることは変わらないのでは
例えば学校における友達関係立ち居地問題とかみたいな
しかし逆に言えば「利害の絡む人間関係」を描いていない「小説(=物語)」で
ないものでないのであり
その中で社会権力者を描いたものが歴史に残ったか動かしたかに関係なく
歴史ものというべきだろう
もちろん史実かどうかはフィクションとノンフィクション(ファンタジーと現実)の違いと同じく
区別する意味はない
もうひとつタグ付けするか迷うのは「少女」
作品主人公は30代男性だが
読者視点はその後方上空にあって作者の見せ方は「女子向けライトノベル」のものに近い
しかしイラストを除けばライトノベル的なものはファンタジー的なものと同じく
歴史ものであることに対して比較ごく少
であれば皇女や皇妹視点で主人公の挙動を楽しむこの見せ方をどう表すべきか
少女小説少女向け小説女子向け小説について経験量不足で判断つきかねるので保留する
いずれにせよ「女子向けライトノベルファンタジー風味な歴史もの」として
けちのつけようない優れた作品
が今のところ感想 -
幼女!幼女!幼女可愛いよ幼女。スーリヤも敵意可愛いよ。
北方の主・ア=ヴルスになつかれるの巻。
そして散々視てきてはいた謎の人物・アストラさんがまさかの登場。 -
今更ながらに、この本のタイトルの意味が自分の中でしっくりきた。
ヤエトは皇女の翼であり、色々なことがあっても最後に翼であるヤエトが還る処は皇女の居る場所。
どこかへヤエトが出かけるたびに、皇女が「無事に帰ってこい」と言うのが腑に落ちたというか。言葉に出すことは念じることであり、それが力になるから。
魔法とは言葉であり、名前であることというのが主題のひとつのお話だったから、題名について今更納得したのかも知れない。
世界の罅についても少しずつ謎が明らかになってきた。
ルシルやアストラの存在も気になり、今後の展開が待ち遠しい。 -
この本って必死な女の子が多いな。