- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344822849
作品紹介・あらすじ
まだ客のいないバーで葛西草がダーツの矢を放ったとき、なじみの金子が見かけぬ顔を連れて現れた。行く宛がないというその男-同じ中学校出身らしい湯浅麦を、草はいつもの調子であっさり受け入れ、奇妙に心地いい同居生活を送ることに。やがて、来る者拒まずのようでいて誰からも距離を置く草が、ただひとり執着する対象に気づいた麦は…。
感想・レビュー・書評
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なんだか不器用な人たちが集まった話。楽な生き方は他にもありそうなのに。と言いたくなるほど。それでも、草と麦が段々近づいていくところや、なんだかんだ文句を言いながらも2人のことを心配している金子を見るのは楽しかった。心から大切に思える相手がいるのは、辛いこともあるかもしれないけれど、幸せだと思うから。
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ルチルの一穂作品は一般文芸っぽいな、というのが読んでの印象。
長屋をリノベーションしたバーに流れ着いた何やら訳ありっぽい元同級生との二人暮らしから始まる物語。
物事に執着せず低体温で似た者同士(麦と草で名前も似ている)と、ご近所さんの金子くんカップルとのゆるゆる日常はドラマを見ているように穏やか。心の結びつきがゆっくりふんわり描かれて行く様が丁寧でおだやか。
小道具使いと感情を拾い上げて行く様が一穂作品らしい。
畳み掛けるようにキャラクターのうちに秘めた想いがぱたぱたと紡がれて行くところも。
いい話を読んだな、感。
金子くんカップルがとても良い雰囲気。彼らがいてくれてよかったねえ。 -
一穂さんのわりと初期の作品。『どしゃぶり』で知った自分としては新鮮な気持ちで読むことができました。攻と受の口調が似ているため会話シーンでどちらがどっちなのかわかりにくいところはありましたが、設定の妙、キャラクター同士のやりとりなど、今の一穂さんに共通しているものを内包しつつ静かに恋愛が進んでいくお話です。
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メイン2人のキャラクターと名前が似ているので時々「どっちだっけ?」ってなった。名字呼びは良い。
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低体温なふたり。視点がコロコロ変わるからか?みなさん書かれてるようにどちらのセリフか分からなくなって読み返しながら読了。難しかったけど、相変わらず言葉選びが素敵。BLで屈葬って・・・(;ω;) あとホオズキとガリガリくん。
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あらすじ読んでもピンと来なかったんですけど、読み始めたらどっぷり浸かった。
なんだろうこの味わい深い感じ(笑)やぁ、好きですわ、一穂さん。 -
似たような名前…似たようなダメさ、そして切り替わる二人の視点で語られるストーリー…ちょっと苦戦。
起伏のあるストーリーではないけれど、ゆる~くゆる~く続いていく二人の生活を覗かせてもらったって感じかなw