ステノグラフィカ (幻冬舎ルチル文庫)

著者 :
  • 幻冬舎コミックス
4.04
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本棚登録 : 417
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344825710

作品紹介・あらすじ

国会で働く碧は、その「声」に耳をそばだててしまう。滑舌よく明瞭な声の主は新聞社政治部記者の西口。食堂の定位置-碧の隣のテーブルで忙しなく騒がしく食事して去る彼は、日々をひっそり重ねる碧とはまるで正反対だった。しかしある出来事を境に、西口は碧を何彼と構うようになる。彼の素顔に触れるにつれ、次第に惹かれていく碧だが…。

感想・レビュー・書評

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  • 新聞社シリーズ再読

    健気な碧が愛しいです(〃ω〃)

  • とても好き。あまりない職業で、話も感情の流れも自然だった。その上でキュンとする部分あり。文章力もあり、綺麗で安心。

  • ちょっと設定に背伸びを感じたかな~、と思った。
    一穂さん、ここんところ、キャラクターの設定に幅を持たせるためか、色んな職業のひとが出てくるな~と思っている。そして、それを書くためにすごく取材とかもされてるんだな~とは思うのですが。

    そんなにキャラ設定、凝り過ぎなくても、同じような話が書けちゃうんじゃないかな、というのが正直なところ。ここ数作で感じてしまう。
    それだったら、もっともっと、ごく普通でいい。
    ……と、国会の速記に知り合いを持つ身としては思ってしまった。
    まあ、目立たない、目立ってはいけない、みたいなのはおもしろいとは思いますけどね。そういうキャラの話なわけですし。だけど、なんか…違うんだよな。
    もっと、はじめから一穂さんに近い設定の話の方が、確実におもしろいのでそう思いました。

    でも、最後までちゃんと読ませる。それは一穂先生の力だと思います。なんだかんだいっても、ちゃんと好きです。
    でも、もっとねちっこいのが読みたいですよ~、先生!ちょっとここんところ爽やかすぎますw

  • 国会速記者の碧(へき)の仕事は、耳をそばだて議員の発言を一字一句逃さずに書き留めること。自分の気配を消し、耳と目と手と頭だけを働かせる。
    そんな碧が書き留めたいと思う声の持ち主がいる。
    明光新聞社政治部記者の西口だ。
    美声ではないけど、滑舌がよく、センテンスの区切りが明瞭。がさつな印象だが、不思議と下品ではない。後輩にも慕われ、よく下世話な話に興じている。最初に気になったのは声だけだけれど、次第にその人となりに興味を持つようになる。
    ちょっとしたきっかけで言葉を交わすようになったふたり。
    碧と同様に、西口の方でも
    物静かで地味だけど、楚々とした碧に好奇心を抱いていた。
    そのまっとう過ぎるほどまっとうで、何事もスルーしない性格。聞き上手で、情が深く、知らぬ間にスルッと入ってしまうような懐の深さ。
    いつしか惹かれあうようになる。
    このふたり、静と動というか、われ鍋にとじ蓋というか、お互いにないものを補えるようないい関係だと思う。18才もの年齢差を全然感じさせない。碧が老成してて…ww
    西口は、碧が最初に思っていたよりも、ずっとナイーブでプライドが高くて、でも少し臆病で、ズルくて、大人って面倒くさいなって思う。
    プライドとか矜持とかしがらみとか未練とか。色々あるんだなって。
    大人だから、愛とか恋とかばっかり言ってられない。
    でも、大人だって、やっぱり恋をするんだ。ただネズミ花火みたいにクルクル跳ね回れないだけで。
    キラキラした高校生カップルみたいな、目がつぶれそうな眩しさはないけど、静かに胸をキュッと捕まれるような、そんな恋もいいかも。
    一穂さん作品の中でも、これが大好きとは言わないけど、『Off you go』の空気を踏襲するような大人の難しさみたいのは悪くなかった。
    でも、萌えとかトキメキとかキュンはなかった気もする。
    ところどころ、小技はきかせていたのだと思うけど、攻も受も個人的にいまいちストライクゾーンじゃないので、心に響かなかったのかな。

  • 人生の節目ごとに読み返す作品になりそうです。

  • 少しずつ気持ちに気づいていき、初めから好きだったと思う。この話の流れがとても好きです。
    2人とも仕事を大事にしている所も、いいな。
    相変わらずの佐伯の鋭さと意地悪さも健在で、、、
    いずれ、佐伯と静、西口と碧のお互いの関係が知れて4人で飲んだりするのかなと、思ってみたり。

  • 【よかった!】
    男性記者×速記者というカテゴリーも、年齢差もキャラクター性もいつも手にするものとは違って困惑しながらの読み始めでしたが稀有に終わりました。子どもっぽい年上×しっかり者の年下。『イケメン、キラキラ、恋愛、行為に申し訳ない程度の仕事シーン』ではなく、ちゃんと仕事をしてその延長に恋愛がある。フィクションであるものの現実味があったところがとてもよかったです。

  • 2021/01/14-01/16
    2023/10/27-10/31

  • ★3.5。国会で働く二人。新聞政治部記者×速記者。BLよりも仕事に懸ける人々の交錯や人生観など、よく調べて書き上げてあるなぁと今回もそちらのほうが感想一番。受けが地味なわりにはズバッとはっきり言うタイプ(短気?)なのに、既婚者という誤解はそのままにしておくのか…?受けがちょい苦手なんで、お仕事小説としては良かった。

  • 主人公のふたりはもちろんのこと、
    その他の登場人物も含め
    心情がとても細かく描かれていて、面白かったです。
    なんだかとってもしっくりくる、
    いい影響を与え合っていくふたりだと思います。
    何度も読み返しそうな予感。

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著者プロフィール

2007年作家デビュー。以後主にBL作品を執筆。「イエスかノーか半分か」シリーズは20年にアニメ映画化もされている。21年、一般文芸初の単行本『スモールワールズ』が直木賞候補、山田風太郎賞候補に。同書収録の短編「ピクニック」は日本推理作家協会賞短編部門候補になる。著書に『パラソルでパラシュート』『砂嵐に星屑』『光のとこにいてね』など。

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