銀の雫の降る都 (リンクスロマンス)

  • 幻冬舎コミックス
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344827851

感想・レビュー・書評

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  • ここ最近いまいち続きだったので、漸く!!といった感じです。
    ファンタジーでないと許されないオチなんですが、これがもう
    たまらなくいい。

    そしてファンタジーなのに、一貫して流れる作品の温度感の低さ。
    淡々としていて山場ですらどこか俯瞰的。
    でもそれは悪い意味ではなく、その静謐ともいえる雰囲気が、
    この世界観にはもうぴったりなんですよ。
    退廃的な空気感と反するような活気ある街、描写。
    そして不治の病に冒された受が、攻の気持ちを受け入れるまでの
    過程が、なんとも緩やかで穏やかで、おいおいBLでこれって……
    と思わずツッコミ入れたくなるほどに悶々とする。

    そして献身的な攻がまた……せつない。
    ラスト直前、ようやく攻を受け入れた後からラスト、最期を迎える
    までの日々は、こみ上げてくるものを抑えられません。




    一番良かったのは、BLの攻にありがちな『必ず守ります』系では
    なく『ご遺体は晒させない、取り返します』なんて言いきっちゃえる
    所だったり、受が攻に送られた指輪を自分のものだから、他に
    好きな人が出来たとしても自分が持ってていいかと問うと
    『あなた以外に愛する人はいない!』なんて激昂せずに『あなたの
    ものです』なんて淡々と答えちゃったりするところ。
    あまつさえ、死の床で泣き叫んだりするでもなく、それどころか受の
    願いだからと、死に顔さえ見なかったとかもうね……。



    なんだこの格好よすぎる新手の攻属性は!!!



    もんどり打ちますので、ぜひどうぞ。
    あ、ハッピーエンドですからご心配なく(笑)
    挿絵も神がかってます。挿絵の為に物語できてんじゃないかって
    勢いのシンクロ率。

  • こんなに素敵なお話だとは思わなかったです!
    未来風の世界観の中目元に入れ墨の施された子供ユーリスを側に置いた執政官のカレル。
    約10年の間のお話だけれど、落ち着いた雰囲気で、景色が想像できてとても素敵なお話でした。
    カレルが少しずつユーリスに心を許すことになった出来事からドキドキが止まりませんでした。
    最後は涙しました。

  • 余韻を残す美しい物語でした。
    過激な性描写は無いけれど、無くて正解だと思います。
    よいラストだと思いますが、50年後くらいには今度はカレル様がユーリスを送ることになるのだと思うと、それはそれでまた切なかったり。

  • 静寂な雰囲気の中で熱く秘めたユーリスの思いが、世捨て人の様なカレルに届く迄はジレジレしたけれど、ホッとする暇も無く....避けられない運命は辛いものだけどユーリスにとってカレルの残した思いは、確かに繋がっているはずだから、このラストで本当に良かったと思う。しいてはこの後の甘い部分が欲しかった。葛西さんのイラストが素敵です。

  • 気付いたら涙してしまうような、静謐で美しい話でした。
    挿絵も世界観に素晴らしくマッチしています。

  • ジャンルはファンタジーで、H度はかなり低め

    これは切ない物語です
    うっかり泣いちゃいましたよ、ホントに…

  • マージナル、メイヤードww
    もーさま崇拝者として、すごく納得できる萌えが存在していました。
    もちろん、模倣したわけではなく、やっぱりかわいセンセだな~と思わせる独特の雰囲気があるファンタジーに仕上がっています。

    ロマンティックファンタジーもさすがの描写力で読ませてくれる作家さん。
    つかの間現実を忘れて、うっとりしてしまいました。
    あやふやな世界観ではなく、はっきりくっきり頭に思い浮かべることができそうです。なので、BLでSFというわかりにくい設定もすんなり受け入れて読み進むことができるのがポイント。
    糖分は控えめ。甘ったるくありません。硬質な文章でエイドレア辺境地がまるで心象風景であるかのように、寂寞感すら漂っています。
    それなのに、たまらなく胸キュンにさせられるんですよね。

    胸キュンの原因は、カレルにあるような。
    クールビューティーの見た目からは想像できない実年齢は百歳近く!身体が弱くはかなげなくせに、辺境で気丈に執政官として淡々と日々任務をつつがなくこなしているその姿には、そこはかとなく淋しさが感じられるのです。
    そんな彼が気まぐれで拾った剣闘士の少年がユーリス。市場で買い取った時には13歳の少年だったのが、成長してたくましく立派に育っていく過程も丁寧に描かれていて、カレスと共に見守ってしまった…というかんじです。
    ユーリスが青年になって、気がついたらカレスを守れるような強い男へとなっていたところがツボでした。
    葛西リカコセンセのイラストが、また秀逸です。文章とイラストが非常にバランスよかった。ユーリスがカッコいい…妄想どおりで萌えました。
    一途な大型わんこの騎士なんですよね。

    初めて惜しみなく与えられた愛情に、乾いた心を潤すことができたカレス。
    胸にじわっときました。切なくて美しいストーリー。

  • やられた(≧∇≦)
    ツボど真ん中でした。完敗です

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