- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344834279
作品紹介・あらすじ
とある山奥に『津和の里』という人知れず神々が暮らす場所があった。人間のてのひらほどの背丈をした見習い中の神・葛は、ある日里で行き倒れた人間の男を見つける。葛の献身的な介抱で快復したその男は、画家の神森新市で、人の世を厭い放浪していて里に迷い込んだという。外界を知らない無垢な葛は、初めて出会った人間・新市に興味津々。人間界や新市自身についての話、そして新市の手で描かれる数々の絵に心躍らせていた。一緒に暮らすうち、次第に新市に心惹かれていく葛。だがそんな中、新市は葛の育ての親である千世という神によって、人間界に帰らされることに。別れた後も新市を忘れられない葛は、懸命の努力とわずかな神通力で体を大きくし、人間界へ降り立つが…!?
感想・レビュー・書評
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手のひらサイズの神様、葛がとにかくかわいいです。
「小さな作務衣を着て、髪に手拭いを巻き、墨を抱え硯の上でゴシゴシこすり、墨がぴちゃんと頬に跳ね返る」...シーンを想像するとかわいくてたまりません。
電子版はイラストがなく残念でした。
新市が人間の世界へ会いに来た葛を想って泣くシーンは、あまりにいじらしくて一緒に泣けました。
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今時珍しいエロなしです。でも、葛には性欲的なことは似合わないのでエロなし良いと思います。
結局、人間は欲深い。新市でさえ独占欲で葛を自分の物にしようとして失う。
それにしてもみんな優しい神様すぎる。新市にはもっと天罰下したっていいのに、迎え入れるなんてやっぱり神様なんだなあ。懐が深い。 -
タイトル通り、小さな神様が里に迷いこんできた人間に恋をするお話。前半に里で小さな神様の葛と人間の新市とが心を近づけていく描写が脇の人たちも含めてじっくり書かれていたおかげで、葛のいじらしさにじわじわとやられてしまいました。とにかく葛が可愛くて!そのせいかどうか、BLである意味はあまり気にならなかったです。葛が女の子でも成立した話だと思うけど、まあ可愛いから男の子でもいいか…と読者自らが進んで誘導してしまう愛らしさでしたね。葛、おそるべし。
後半、この手の話にありがちな日本昔話的な展開になってしまったのは残念でしたが、葛の頑張りに相応しいハッピーエンドなので良しや。肌色シーンはなく生々しい恋情も皆無でしたが、とにかく可愛くて癒されたお話でした。 -
★3.8
葛が元通り元気になったから良かったものの、新市が葛にしたことはやっぱり許せない!記憶がなくてわからなかったとか関係なくて、ただの自己満足で余計なことをして葛を危機に晒し泣かせて悲しませた罪は重い。だから現世に戻ってきた時の新市は嫌い!葛の一途な健気さといじらしさがたまらなかった;;めちゃくちゃいい子!小さい葛も大きい葛もすっごく可愛かった。葛のことを大事に想ってる千世や櫨禅、都杷、万智とかみんなもすごくいい!イラスト見たかった〜。カワイチハルさんのイラストめっちゃ可愛くて世界観ピッタリだった。続編あればいいな。 -
最後の方少々駆け足でございましたね。前半のほのぼのが好きです。