- Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344839281
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
いつも尊大な態度で周りの人に接している音喜多の必死さが楽しい。音喜多の露骨なアプローチに気が付いていても、どこまで実感できているのか分からない久嶋も。推理力は人並外れていても、それ以外はかなりポンコツな久嶋。自分自身は困っていなさそうだけど、音喜多をはじめとした周りの人の心配は尽きなさそう。2人の関係が今後どうなっていくのか、気になる。
-
例によって例のごとく、笠井あゆみ先生のイラストが印象的で購入。
いろんなBL小説があって、いろんなイラストレーターさんがいらっしゃいますが、笠井先生が素晴らしいのは、イラストが美しいだけではなくて、小説の内容を表紙にまとめあげる技術がピカイチなところもあるんじゃないかと思います。
今回も、二人の立ち位置、表情なんかはもちろんのこと、ケーキやケーキの箱、オフィスの椅子や周りの本棚にも小説のエッセンスが詰め込まれていて、感動しました。
谷崎先生の小説はこれが初めてだったのですが、またしても、BLの世界とは広くて深いな…と唸ってしまいました。
男性同士の恋愛があって、そういうシーンもあるので、これはれっきとしたBLなのでしょうが、中身は変わったバディもので事件もので、もし主役の二人が恋愛関係になければ、探偵ものとして読んだかもしれません。
受けの久嶋が、20代後半で博士号を3つ持った天才で、FBIのアドバイザーとしても仕事をしていた過去を持つ、社会心理学者、と盛りに盛られた設定ですが、たしかに変わり者でした。そのせいで、せっかくの色気あるシーンで、彼はほとんど話さないので、彼は本当に気持ち良いのかな?と首を傾げてしまうことも。
書き下ろしでプロローグとエピローグに挟まれた3話が収録されているのですが、これは続編があると思った方が良いのでしょうか?久嶋の謎はまったくといっていいほど解かれず、彼らの関係性も進んだのかどうなのかわからず…。
ただ、大きい割に甘えん坊な音喜多は可愛かったので、続編が出たら買うかもな…と思いました。