カラヤンとフルトヴェングラー (幻冬舎新書)

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著者 : 中川右介
  • 幻冬舎 (2007年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344980211

カラヤンとフルトヴェングラー (幻冬舎新書)の感想・レビュー・書評

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  • カラヤンは超有名なので誰でも知ってますよね。
    フルトヴェングラーはベルリン・フィルハーモニック管弦楽団をカラヤンに引き継いだ
    史上最大の指揮者ともいわれています。

    ナチス政権時代にはすでにして大指揮者であったフルトヴェングラー。
    ヒトラーが大のワーグナー・ベートヴェン好きであったためナチ政権の宣伝に利用されかけるのをすんでのところでかわす毎日。
    一方、その大指揮者に憧れるカラヤンが如何にしてフルヴェンを嫉妬に狂わすほど成長していったか読み応えがあります。

    第三の男として、天才チェリビダッケが登場します。
    若くして才能を認められて世に出、戦後BPOの指揮を任されます。
    しかしオーケストラの全人事権を求め、老齢の演奏者を一掃としようとしたしたため反感を買い、最後の最後でカラヤンに指揮者を取られます。
    個人的にはこのチェリビダッケの政治や権力には無頓着で「純粋な芸術」の音楽を求めている姿が一番共感できます。人付き合いが下手で、求める音を出せない奏者はコテンパンにこき下ろす。スティーブ=ジョブズに似た天才性です。

    いずれにせよ、この本で戦中からカラヤン帝国草創期までのことがよくできました。

  •  本書に描かれた20世紀を代表する大指揮者フルトヴェングラー、チェリビダッケ、カラヤンが繰り広げる三つ巴の戦いは、「仁義なき戦い ── ベルリン・フィル編」とでも名づけたくなるほどの生々しさと妄執に満ちている。
     ヘーゲルはかつて「悪をも為しえる人間にしてはじめて善をも為すことができる」と述べたが、この3人が見せてくれたようなとてつもない妄執や疑心暗鬼があってはじめて、音楽にデモーニッシュな凄味がうまれてくるのかもしれない。

  • 初めてクラシックの本読んだ。

  • 世界最高のオーケストラとして名高いベルリン・フィルに、そしてヨーロッパ音楽界に君臨した二人の指揮者、フルトヴェングラーとカラヤン。彼らの紡ぎ出す美しい音楽とは対照的な、どろどろとした人間模様、時代に翻弄される音楽の現実が、生々しく語られます。

    ナチスが政権に就いた1933年以降、ドイツの音楽家たちは決断を迫られました。ある者は亡命を選び、ある者はドイツに残り、残った人々にはナチスとの距離をどう取るかという問題が残りました。既にベルリンフィルの主席指揮者であり、ドイツを代表する音楽家でもあったフルトヴェングラーは、ユダヤ人を保護し、新しい音楽を支持することでナチスと対立しつつも、ドイツ音楽の広告塔として利用されていきました。一方、若く野心に満ちたカラヤンも、自らの出世を求める途上で、またフルトヴェングラーの対抗馬として利用されることで、政治に巻き込まれていきます。そしてこのことが、22才も年下のカラヤンに対する、フルトヴェングラーの激しい嫉妬に繋がりました。

    そして、敗戦を迎えるドイツ。非ナチ化が済むまで演奏のできない彼らの代わりに、敗戦直後のベルリンフィルの苦境を救ったのは、チェリビダッケというルーマニア出身の青年でした。しかし厳格すぎる彼の態度はやがて、オーケストラとの間に摩擦を増していき、初めは蜜月関係だったフルトヴェングラーとの間にも、微妙な不協和音が響き始めます。一方、なかなか思うような活動ができないカラヤンも、一歩づつ地歩を固めながら躍進の機会を窺っていました。

    1954年、フルトヴェングラーは世を去ります。その後、なぜチェリビダッケでなくカラヤンが、ベルリンフィルを手に入れたのか。さまざまな駆け引きと思惑が錯綜する当時の状況を解きほぐしていくあたりが、この本のクライマックスです。

    音楽の評価は主観的で、時に感情的になりがちですが、この本では彼らの奏でた音楽には踏み込まず、その人間ドラマの部分にのみ光を当てます。筆致はあくまでも冷静で、資料にあたった「事実」の部分と、彼らがどう考えたかなどについての推測による部分を明確に分けた記述です。

  • 面白いですね。
    ナチス関係の本にも興味があって、でも、読むといつも具合が悪くなるジンクスがあるので困るんですが、今回は大丈夫です。これから後半、チェリビダッケがもっと出てくるのかな?

  • 毎年年末になると第九のCDを聴く。指揮はカラヤン、オーケストラはベルリンフィル。古本屋で目にとまったカラヤンとフルトヴェングラー。この二人、激しく対立していたという。相手を蹴落として名声と権力を一人じめしようと互いに一歩も引かない。強烈な自負心と野望を持つ音楽界の巨人同士の闘いを読み終えてもう一度第九を聴いた。勝者が誇らしげにタクトを振る歓喜の歌に思えた。

  • チェリビダッケがベルリンフィルに残らなかった訳を知りました。
    はずかしながら、チェリビダッケという名前を初めて読みました。
    もっとはずかしながら、フルトヴェングラー も意識したのは初めてです。

    ベルリンフィルのまわり、カラヤンのまわりの事柄を知ることができました。

  • [ 内容 ]
    クラシック界最高の名声と金そして権力が集中するベルリン・フィル首席指揮者の座。
    ナチス時代、その三代目に君臨する巨匠フルトヴェングラー。
    彼は誠実な音楽の僕でありさえすればよかった、比類なき才能と野心をもった青年カラヤンが現れるまでは―。
    嫉妬の炎を執拗に燃やし詐略をめぐらす巨匠、巧みに抗うカラヤン、そこに巨匠を慕う無名の田舎音楽家チェリビダッケが加わり、争いはさらに複雑になる。
    クラシック黄金時代の美と欲望のドラマ。

    [ 目次 ]
    第1章 巨匠と失業者―一九三四~三八年
    第2章 代理戦争―一九三八年
    第3章 陰謀家たち―一九三九~四二年
    第4章 黄昏―一九四二~四五年
    第5章 第三の男―一九四六~四七年
    第6章 駆け引き―一九四八~五〇年
    第7章 逆襲―一九五〇~五一年
    第8章 王の死とその後継者―一九五二~五五年

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  •  何気に手にした本である。内容はフルトヴェングラーからカラヤンへと、ベルリンフィルの指揮者交代に関わる裏話的なお話。興味がある人には興味が尽きないのだろう。

  • 映画「帝国オーケストラ」鑑賞後に購入。

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カラヤンとフルトヴェングラー (幻冬舎新書)の作品紹介

クラシック界最高の名声と金そして権力が集中するベルリン・フィル首席指揮者の座。ナチス時代、その三代目に君臨する巨匠フルトヴェングラー。彼は誠実な音楽の僕でありさえすればよかった、比類なき才能と野心をもった青年カラヤンが現れるまでは-。嫉妬の炎を執拗に燃やし詐略をめぐらす巨匠、巧みに抗うカラヤン、そこに巨匠を慕う無名の田舎音楽家チェリビダッケが加わり、争いはさらに複雑になる。クラシック黄金時代の美と欲望のドラマ。

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