日本の10大新宗教 (幻冬舎新書)

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著者 : 島田裕巳
  • 幻冬舎 (2007年11月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344980600

日本の10大新宗教 (幻冬舎新書)の感想・レビュー・書評

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  • 70点。10の新興宗教(本書では新宗教と呼ぶ)を選び、それら団体の来歴や教義、組織形態を客観的に概説した一冊。深く知る必要はないと思うけど、これくらいは知っててもいいんじゃないかなぐらいの感じ。
    「吹奏楽の甲子園」と言われる普門館って立正佼成会の施設だったんだと初めて知った。ブラバンの憧れは言葉通り「聖地」だ。

    社会が変われば不満の中身も変わるし、どういった人々が不満をもつかも変わる。宗教がそれら人々の受け皿になるんだとすれば、今後も新たなる新宗教が生まれるだろうし、それは時代を映す鏡にもなるのかもしれない。

  • 新宗教とて突然湧いて出てくる訳ではなく必ず伝統宗教の流れを汲んでいる事、元となった伝統宗教の違いによってそれぞれの新宗教の性格も異なってくる事など、さすがに宗教学者の書いた本だなと思わせてくれる。
    しかしこんなに客観的に各新宗教の歴史や教義を分析できる島田氏は、かつてあのオウム真理教の危険性に気づかず擁護していた。つくづく宗教って怖いなあと思ってしまう。

  • 新宗教(新興宗教)についてわかったようなわからないような。

    わかったこと
    ・従来の宗教との類似性、違い
    ・各新宗教の教義(系列)の違いと関係
    ・新宗教の発展理由
    わからない
    ・新宗教の目指すもの(創価学会は何となくわかった)
    ・宗教を起こす、教祖となる理由

  • 天理教,大本,生長の家,天照皇大神宮教,立正佼成会,創価学会,世界救世教,PL教団,真如苑,GLAという,10の新宗教について,その成り立ちや仏教等との関連,他宗教との違いなどを解り易く説明している。
    新宗教は,社会問題となる時にしか我々の前に出て来る機会はあまりなく,病気の治療法,予言などがきっかけになっている事が多い。このため,破壊的なカルトとして私も捉えてしまいがちだが,そんなことはない新宗教の方が多い。ただ,新宗教も信者を集めねばならず,そのためにはアクティブな活動を展開をする必要があり,注目の的になってしまうのだろう。
    そもそも新宗教といっても,立正佼成会や創価学会,PL教団,世界救世教のような日蓮・観音信仰,天理教や大本のような神道系のものなど,必ずと言っていいほど,神道か仏教の影響を受けていて,多くはそのどちらの影響も受けいている。具体的には,天理教や大本,金光教は,名称は異なるものの,国常立命というオーソドックスな神を根源的な神として信仰している。これは,ユダヤ,キリスト,イスラム教が同一の神を信仰の対象としているのと基本的には同じ事である。
    よく考えれば,キリスト教ですらも,当時としては異端であり,新宗教だったのは周知の事実である。
    新宗教に信者が集まったのは,高度経済成長の時代で,地方から都市に移って来た新しい都市住民たちだった。彼らは未組織の労働者として不安定な立場にあり,都市に新たな人間関係のネットワークを築くうえで新宗教の信者になることは大いに役立った。また,面白いのは,高度経済成長時代に巨大教団に発展したのは,いずれも日蓮系・法華系教団であり,現世利益を説いている教団だったということだ。明日も知れぬ生活に対して,現世利益を説く教団は彼らの目から見ればまぶしかったのだろう。
    このように,新宗教が興るのは,社会が危機に陥っていたり,不安定化している時期で,社会問題を批判したり,このままの状態が続けば決定的な危機が訪れることを強調する事によって発展して行く。(どこかの政党に似ているが)。
    ただ,その時でも,地球がいついつ破滅するといった世紀末説を唱えるようなところは,地球が破滅することなく世紀末を過ぎた場合,信者を失ってしまうことに注意しなければならない。予言が外れた時は,信者が去っていくのは当然である。
    今後,宗教として伸びて行くためには,江原啓之のように,霊界からのメッセージをメディアなどを通じ,柔らかく伝えるようなことをやっていかなければならないのかもしれない。GLAなどは,女性教祖がアイドル路線をはしったりしたこともある。これまでのように閉ざされた宗教ではなく,明るく,開かれた現代風の宗教を目指すべきなのだろう。
    宗教とは,よく生きるための生き方の示唆である。そういう意味では,最近流行りのような,60歳からのライフセミナーとか,いきいきなんとかセミナーとかも,結局は宗教のようなものである。
    日本人は,占いや言霊を信じ・楽しむ人種であり,宗教を受入れやすい性格を持っている。著者は,日本人が無宗教と言われることについて,『日本の場合,既成宗教が仏教と神道という2つの宗教が組み合わさった特殊な形態をとっているため,自分たちを神道の信者とも,仏教の信者とも決めることも出来ない。そこから特定の宗教に属していないという意識が生み出される。』と言っている。それに加え,私が思うに,生活の中に宗教がちりばめられ,毎日触れているからこそ,あらためて宗教を実感しにくく,自分は無宗教だと思ってしまうのではないだろうか。それは全く違っていて,日本人はめちゃめちゃ信仰心の厚い,仏教・神道の両宗教の信仰人種なのではないだろうかと思ってみたりする。



  • 内容が内容だけに、冒頭の断りに30頁近く割いている。

    新興宗教というと、ネガティヴなイメージが付くため、本書では新宗教と記されている。

    さて、新宗教と見聞きするとオウム真理教が思い浮かぶ。宗教やカルトの範疇を超え、テロである。その他、ライフスペースなんてのもありました。シャクティパッドという、頭をパチパチ叩いて、数百万の祈祷料だかお布施だか名目は知らんがお支払。
    法の華なんてのもありました。教祖の「最高ですかー!」に帰依する門徒の「最高でーす!」のコールアンドレスポンス。
    パナウェーブ研究所なるものもありましたね。白装束の彼ら。一時、メディアを騒がせました。白いワゴンで跋扈し、全身白づくめで、毒電波がどうたらこうたら。

    長い歴史の中で見れば、キリスト教もユダヤ教時代から見れば新宗教、仏教だって、元はインドのバラモン教である。
    昨今、世界でウェイウェイしてるイスラムもキリスト教、仏教の後発だ。

    宗教。信仰は自由だと思う。心のよすがに、何を拝もうと、いくら金銭を払おうと、どんな格好をしようと。各々の自由だと思う。
    自分の信仰に原理主義者であっても構わんと思う。
    が、しかし。そこに排他主義や排斥思想が入ってくると、ややこしい。
    自分の信じる信仰を皆に共有したい気持ちも分かる。が、しかしだ。貴方が信じるように、その誰かも何かを信じているやもしれん。
    布教ってのが、実に厄介だな。

    その点、八百万の神的な観念は争いを生みづらいようにも思う。それこそ、便所にも神様がいるってやつね。

    宗教上の理由から、医療を拒む方々もいるらしい。自ら判断が出来ない幼子が事故に遭い、救急搬送され、運ばれた先の医師たちは人命優先で医療を施す。すると、後日その両親が病院側へ訴訟を起こすこともあるそうだ。

    今日も日が昇り、一所懸命働いて、美味い酒を飲む。そんな日々にありがてー、と思う俺は、イエス生誕の日にはなんとなく、イルミネーションが綺麗だなと思い、年始には神社に詣でて、親戚の葬式は仏式で、何でもありのマルチなよくある日本人です。

    人様に無理強いはしてはいけません。

  • gentleオーナーから借りた一冊

  • ■よく分からないという不気味さ
    新興宗教(学術的には新宗教というそうだ)という言葉の響きは、負のイメージが強い。
    活動自体には反社会的なイデオロギーが含まれていない教団が多いとはいえ、やはりポストオウム的なるものの出現には怯えざるを得ない。
    新宗教=カルト、といった図式は安易ではあるが、「(あちらとこちらの差として)納得すること」を求める国民性からしたら仕方のない部分もある。
    また、各々の活動内容が掴めないことが不安をあおり、否定的な意見へとつながる。
    著者の立場は極めてニュートラルなものであり、それぞれの教団への評価や批判は努めて排されている。
    それぞれの組織の概要を知ることにより、自分がそれをどう捉えるかの判断材料になる。
    要点も分かり易くまとめられており、新宗教を紹介する案内書とも言える。

    ■スピリチュアルと宗教のあいだ
    新宗教と聞いて真っ先に思い浮かぶ創価学会。
    政冶的にも表舞台に立っており、その存在感は極めて大きい。
    そんな創価学会の他にも本書では「天理教、大本、生長の家、天照皇大神宮教(璽宇)、立正佼成会(霊友会)、世界救世教(神慈秀明会、真光系教団)、PL教団、真如苑、GLA」がピックアップされている。
    スピリチュアルブームや前世信仰の後押しもあり、活動の実態はそこまで特異なものとは言えないものもいくつかある。
    現代という時代に適合するために宗教も形を変えていくものであり、そうして形を変えられる柔軟性こそ新宗教の特徴なのだと感じる。

    私個人的には新宗教には人工的な、造られた匂いを嗅ぎとってしまう。
    それぞれの教団の意義を完全に白黒ハッキリさせることは難しく、もはやその必要性もないのかもしれない。
    霧散するような今を生きる身として、宗教という存在を改めて認識させられた。

  • 筆者は東大の特任研究員で、代表的な新宗教に関してその発生から成長の経緯がよく分かった。個別の宗派への肩入れも感じられない。新宗教はとても身近にあり、時代の移り変わりを反映して姿を変え、分裂もしてゆく。献金の額の多さは信仰の証とされるので、教団は財を蓄え強大な建造物を創る。また、新宗教が勢力を拡大するのは社会が混乱しているときや過渡期にあるときで、貧困・不満からの脱却に応える教団が伸びる。新宗教は社会の表れであり、人間の性が生み出すものだと感じた。

  • 【目次】
    目次 [003-010]

    はじめに 011
    話題になった新宗教
    常識と対立する新宗教
    活かされる創価学会のノウ八ウ
    公明党の政権参加とその余波
    宗教政党への批判
    新宗教と新興宗教
    新宗教としての出発
    無宗教という自覚の上に
    その古さと新しさ
    分派と対立
    本書の内容と目的

    1 天理教 029
    宗教都市・天理
    巨大な礼拝場
    新宗教はいつ生まれたか
    天理教の誕生
    既成宗教の影響
    天理教迫害の原因
    奇っ怪な老婆と愚民
    教祖の死の意味づけ
    搾取の宗教として
    戦後における布教の失敗

    2 大本 050
    『邪宗門』の作り上げた大本イメージ
    とんでもない小説
    王仁三郎という怪人
    王仁三郎の吸引力
    金神の信仰から
    大本の発展と最初の弾圧
    アジアへ
    第二次大本事件とその後

    3 生長の家 068
    激減した信者数
    大本へ
    大本からの脱退
    生長の家の誕生
    現世利益実現の宗教へ
    かつてない誇大広告
    天皇への帰一
    時代の変化と運動の衰退

    4 天照皇大神宮教と璽宇 086
    踊る宗教出現
    「どうだ、岸」
    天皇に代わる現人神
    知識人にも人気の生き神さま
    双葉山の大立ち回り
    腰巻きにまで菊の紋章
    大本の流れ
    八ワイでも歌説法

    5 立正佼成会と霊友会 103
    ピンク色の大聖堂
    日蓮系、法華系新宗教の台頭
    庶民の信仰から
    立正佼成会への信仰の系譜
    霊友会とその分派
    新たな都市民のための先祖供養
    法座
    読売菩薩
    インナートリップの霊友会

    6 創価学会 121
    折伏による拡大
    同じ日蓮系だけれど
    牧口の関心
    排他性の社会的背景
    戸田というカリスマ
    政界へ進出した理由
    提造された戸田の遺訓
    勝ち負けという原理
    信仰の継承
    神格化とポスト池田

    7 世界救世教、神慈秀明会と真光系教団 144
    天国の美術館
    分派と分裂のくり返し
    お光さま
    世界救世教の誕生
    神慈秀明会の歴史と活動
    元軍人の開祖
    若者が関心をもった新宗教

    8 PL教団 159
    甲子園と新宗教
    名門PL学園
    日本一の花火
    徳光教という母体
    ひとのみち事件
    PL教団としての再生
    社会との調和

    9 真如苑 172
    何かと話題の教団
    新宗教のNo.3
    まるで病院のよう
    日常的な宗教
    修験としての出発
    子どもの死を乗り越えて
    真言宗からの独立
    仏師への道
    世直しなき新宗教

    10 GLA(ジー・エル・エー総合本部) 190
    現在進行形への関心
    ファンの多い教祖
    経営者としての側面
    GLAを生んだ宗教的な環境
    霊と奇跡
    GLAの発足
    「ビバ・ミカエル」
    脱新宗教

    おわりに 203
    言及できなかった新宗教
    新宗教の系統
    創価学会の特殊性
    新宗教とカルト問題
    新宗教の成熟
    オウム事件以降
    新宗教のこれから

    主な参考文献 [214-215]

  • みんな!どの宗教に入ってんの!?

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日本の10大新宗教 (幻冬舎新書)の作品紹介

多くの日本人は新宗教をずっと脅威と好奇の眼差しで見てきた。しかし、そもそも新宗教とはいかなる存在なのか。「宗教」の概念が初めてできた明治以後それがいつどう成立したか案外、知られていない。超巨大組織・創価学会に次ぐ教団はどこか、新宗教は高校野球をどう利用してきたか、などの疑問に答えつつ、代表的教団の教祖誕生から死と組織分裂、社会問題化した事件と弾圧までの物語をひもときながら、日本人の精神と宗教観を浮かび上がらせた画期的な書。

日本の10大新宗教 (幻冬舎新書)のKindle版

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