自分に適した仕事がないと思ったら読む本: 落ちこぼれの就職・転職術 (幻冬舎新書 ふ 1-1)

著者 :
  • 幻冬舎
3.24
  • (11)
  • (26)
  • (50)
  • (11)
  • (6)
本棚登録 : 310
感想 : 45
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344980716

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 大学を卒業して数年、仕事に対しての「幻想」がようやく薄らいできた。
    この本はそんな状況にいる自分の考え方に自信を持たせてくれた。

    タイトルの「落ちこぼれ」というのが卑屈に見えるかもしれないが、書かれている内容は現実的で至極まっとう。説教くさくもないし、新卒のころに読んでもよかったかもしれない。☆5つなのは個人的なタイミングが合ったから。


    レビューというより、ほとんど印象に残った点を引用するだけになってしまうが、記しておく。

    まず、現代社会において就職というのがどういう意味合いを持つかについて説明している。このあたりは色々な本で言われていることなので省略。

    p31「だいたい職業を自分で選ばなければならなくなったのは、ごく最近のことです」
    p32「いわば『手本のない時代』に突入しているのですから、『がんばればなんとかなる』というのは過去の残骸です」

    ではどうすればいいのか。

    p37「仕事のイロハもわからないうちから、無性に『やる気』があるのは頼もしいものの、空元気に終わる可能性だってあります。下手に意気ごんだぶん、失敗したときのショックは大きいでしょう。(中略)大切なのは『やる気に執着することではなく、とりあえず行動することです』」

    と、「やる気なんかなくてもいい」とバッサリ。適職信仰についても「時間のむだ」と切り捨てている。個性教育に関しても
    「教育というのは、善かれ悪しかれひとつの方向に生徒を導くべきで、一本の線をひくから子どもの個性が見えてくるのだと思います。」と、至極まっとうな意見が述べられている。

    下手にやりたいことがなかったために順調に仕事をこなしていった教え子の話はうなづける。私は「やりたいこと」を目指して仕事をしてはギャップに苦しみ、会社を辞めていってしまったので。一番長く続いた会社も「やりたいこと」がなかったためだ。

    でもじゃあ働く目的ってなによ、という話になると
    「最終的に仕事が目的になればいいが、まずは仕事を手段としてとらえる」となる。
    「こんな人と知り合いたい」「こんな部屋に住んでこんな服を着たい」などでいいらしい。

    難しく考えすぎていたなぁ…。

    では手段としての職業をどう選ぶか。

    これは学びたいことを学ぶために企業を活用する、くらいでいいようだ。どんな職業であれ、目的ではなく手段なので、考え方が楽になる。
    実際に仕事をすると仕事のプロセスではなく、最短距離が求められることも忘れてはいけない。現実は厳しい。

    第二章の「だめな企業ほど求人する」はほんとに目から鱗。具体的な会社の選び方なので、このあたりが気になる人は手にとって読んでほしい。

    とりあえず、本当に人が欲しいところは求人広告を大々的に出さないし、衰退する専門職に手を出さないことも納得。自分を雇うメリットもしっかりアピールする。

    三章は職場に入ったときのことだが、職場は演ずる場所、という割り切りが必要。そして、あまりにも理不尽な場合、怒るときは怒って、然る後謝るということも経験上納得できた。

    最後に、p129「あのときやればよかった、の『あのとき』は今なのだ」(これは作者もどこからか引用してきたようだが)という言葉に「やる気」がふるい起された。

    就職本としてだけでなく、仕事に疲れたら読み返したい。

  • 著者は高校卒業後、営業委、飲食等、専門学校講師等、20種以上の職業を経て作家デビュー。作家業のかたわら専門学校講師として、学生の進路指導にも携わっている。

    著書に「夏の改札口」「すじぼり」等多数。

    本書は、一般向けの就職マニュアルではなく、はじめから意欲がなくて、就職しなかった。意欲はあったが、就職できなかった。就職はしたもののの、うまくいかず退職した。つまり就職に「落ちこぼれ」た人や、そういう子どもをもつ両親に向けられた本。

    本書の構成は以下の4章から成る。
    ①やる気がでなくてあたりまえ
    ②だめな企業ほど求人する
    ③苦手な奴こそ財産である
    ④職場では、これだけ守れ

    就職に関して落ちこぼれという表現があるものの、それは自分が原因であるものもあれば他人や環境が原因であるもの。その複合的なもの等一言でくくることは難しい。

    しかし、事実としてその状態にあるのは自分の行動・考え方がひとつの要因となっていることも確かである。

    色々な呪縛から抜け出すのはつらい。
    色々その人なりに考え行動を起こしてもなかなか難しい。そんな時にこそ威力を発揮するのが他人の意見であり、本である。

    正解はない。しかし、正解を見つけようとあがくことは誰にでもできる。やらないで後悔するよりはやって後悔したほうがましと言い古されてきた言葉であるもののその通りである。

  • 『ふだんはぼんやりしていても、仕事となると変身するのはヒーローのお約束ではありませんか。』そうだーその通りだー!俺は間違えていた…orz ■〈親が金持ちでも高学歴でもない〉〈新卒だが就職先が見つからない〉〈書類・面接で落ちる〉〈仕事が長続きしない〉〈再就職できない〉〈即戦力って意味不明〉〈自信がない〉〈働く意味が分からない〉etc... そういう《成功から落ちこぼれた》状態からスタートする就職術。 ■新卒時、いや高校、中学の時に読みたかった。自分が働く事へ何を求めているのか見直す事になりました。

  • 図書館で2時間程度の流し読み。
    転職に臨む心構えとして気負わず気楽にやっていくことが大事らしい。
    職場での基本的な立ち振るまいを大事にすること。退職に対する敷居の低さを大切にすること。
    何事も気楽にやっていこうと思えた。

  • 客観とは

  • 必要な時が来た時にまた読みたくなる本だと思う

  • ■抜書
    ◯優秀な企業ほど、従順なだけの社員は求めていない。
    ◯面接は慣れがすべて。数をこなせば、かなりの確率で通るようになってくる。
    ◯なんでも自分のせいだと思うと気が楽になる。なんでも自分のせいなのだから、問題を解決するのも自分しかいない。そう考えれば、もたもたせずに行動できる。

  • 自己啓発

  • 面白くなさすぎる。こんなときはこんなふうに考えたら良い。
    こういうふうに考えよう。っていうのが作者の都合の良い考え方過ぎて共感できないし、
    これで世間に通じるとも思えない。なろう小説っぽい。

  • 仕事場は舞台であり、会社ごっこ。苦手な奴に接近しろ。著者が今まで経験してきた事を基にかかれている。
    いかに相手の懐に入って仕事をしていくか。職場をどのように利用して成長していくか。丁度転職活動中なので違った視点で少し救われた気がした。

全45件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

福澤 徹三(ふくざわ・てつぞう):1962年、 福岡県生まれ。ホラー、怪談実話、クライムノベル、警察小説など幅広いジャンルの作品を手がける。2008年、『すじぼり』で第10回大藪春彦賞受賞。著書に『黒い百物語』『忌談』『怖の日常』『怪談熱』『S霊園』『廃屋の幽霊』『しにんあそび』『灰色の犬』『群青の魚』『羊の国の「イリヤ」』『そのひと皿にめぐりあうとき』ほか多数。『東京難民』は映画化、『白日の鴉』はテレビドラマ化、『Iターン』『俠(★正字)飯』はテレビドラマ化・コミック化された。

「2023年 『怪を訊く日々 怪談随筆集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

福澤徹三の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ロバート キヨサ...
J・モーティマー...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×