偽善エコロジ-: 「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書 た 5-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 276
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344980808

作品紹介・あらすじ

いわゆる「地球に優しい生活」は、じつは消費者にとって無駄でしかない。「レジ袋をやめエコバッグにすると、かえって石油の消費が増える」「冷房を28℃に設定しても温暖化は止められない」「多額の税金と手間をかけて分別したゴミ、そのほとんどが焼却される」「リサイクル料を業者に払った廃家電は、違法に中古で流れている」…かようにエコ生活は、環境を悪化させ、企業を太らせ、国や自治体の利権の温床となっている。「何が本当のエコか」がわかる環境問題の新しい教科書。

感想・レビュー・書評

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  • とにかく目が鱗の一言。
    ずっと気になっていた本。
    買い物袋、リサイクル等、エコだーーーっと、大義名分を振りかざして消費者を騙している国、自治体、業者の実態が描かれている。
    普段ニュースで取り上げられている話題や、国が提示している情報について、注意して観る必要があると感じた。
    著者がホンマでっかTVに出ている人だとは、読んでる途中で知った。「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」も読んでみようと思う。

  • 2008年の古い本なので今とは状況は違うだろうけど、リサイクルについてはおそらくそんなに変わってないだろう。良いと言われている行動をちゃんとデータを元に批判している。
    全体的に、公開されてないデータを独自にまとめられてて勉強になる。そして、なにが正しいのか分からなくなった。これからどうやって生きていけばいいんだろう。この著者の最新の本が読んでみたい。

    ところどころ、文章が繋がってないところや関係ない話が入るのが気になる。
    最期のまとめがあまり上手くなく、それだけじゃ環境も温暖化もよくならないと思った。

  • 2014.5.26.Mon
    環境学者による、環境ビジネスの実態を暴いた作品。環境ビジネスは国民の感情を煽ることが多く、本当はほとんどの環境リサイクルが悪用されているか意味がないということを知るための良い作品となっている。
    環境運動を考える際に重要なことの一つとして、一面だけでなく全体を考える必要があるということである。そうすれば、この施策はなぜ行われているのか、この施策で利益を得る対象者は誰なのかということに気づけるようになる。
    次に、リサイクルをするというモノ中心の考え方ではなく、そもそもゴミを出さないという心中心の考え方に立ち戻るべきであるという意見に賛同できた。日本人が古くから持ち合わせていた、素材を余すところなく作る製造業精神をどんな場面でも持ち合わせていきたいし、この精神が結局、心の豊かさに直結するのだと思う。

  • ちゃんとしたデータ(数字)を持って説明されているので納得でした。印象的だったものを少し。

    ペットボトルのリサイクル⇨よくない
    理由: リサイクルしたペットボトルがどのくらい使われているのかというはっきりとしたデータは無いが大体100本中5本程度使われているそう。大体日本国民はペットボトルを回収するのに1キロあたり405円を税金で払ってるが、それを50円程度で中国に売っている。すると自治体は”儲かった”と考えているようだ。

    レジ袋⇨石油の不必要な成分の有効活用

    割り箸⇨間伐材を使えば資源の有効活用

    一人が1日に使用する水の量は1965年から50年で約2倍の340リットルくらいになった。うちトイレ25%、お風呂25%、炊事20%、洗濯15%である。トイレは水洗トイレの普及、お風呂はシャンプー併用の普及、炊事は油物の増加による洗い物に必要な水の増加が原因。おそらく一番合理的なやり方は、トイレやお風呂に使う水は飲めるほどに綺麗にする必要はなく、飲み水だけ綺麗にする手間をかければよい。そこで飲料水(ペットボトルの水)を買うのはアリ。ただペットボトルの水を運ぶために必要なガソリンの量を計算するのを忘れないように。



  • 駄作

  • 以前から腑に落ちなかった、エコ運動の疑問に対する、科学的な根拠に基づいた論説に頷くばかりだ。多少の説明不足を割引いても十分納得できた。誰が儲けているのか。政治がどちらを向いて動いているのか。世に明らかにしてもらいたいものだ。物中心の考え方を改めなくては。

  • 改めて、メディアの情報操作はひどい。
    いや、改めて受身情報処理者が多すぎると思う。
    もっと、新しいことを学び、思考し己で選択をしていくこと。
    未来を楽しくいきるためには欠かせない。

    とはいえ、大衆心理を捉え権益キープしている連中のほうが賢いな。

  • 昨今の日本にはびこっている偽装問題。事は食肉や生産地に留まらない。紙や中古家電などリサイクルしていると言いながらほとんどしていなかったり、世の中は環境に関してウソが多すぎる。

    一つひとつ取り上げればきりがないが、例えば古紙のリサイクルだ。国民はリサイクルされるものと思って一生懸命回収しているのに、実はほとんどされていなかった。

    もう一つ挙げるなら割り箸だ。割り箸を使わずにマイ箸を持ち歩こうという運動はずいぶん早くからみられた。しかしこれも著者が言うように、間伐材などで作られていたため、この運動が起こったことにより国内で生産ができなくなり、結果中国などの森林資源を脅かすこととなった。かつて同僚に「マイ箸運動」を一人で頑張っている者がいたが、いくら説明してもかたくなに受け入れてもらえなかった。

     以前アルミ缶のプルタブを熱心に収集している後輩がいた。たくさん集めると車いすと交換してくれる団体があるそうだが、アルミ缶はプルタブだけてなく缶全体がアルミだから、缶ごと集めたほうが格段に効率が良いのは明らかだ。そういう説明のサイトも紹介してみたが、彼は全く聞く耳を持たなかった。その後も彼はプルタブのみを集め続けていた。彼はこのような誤った情報の被害者の一人なのかもしれないが、こんなのは国民みんなで気が付いてもらいたいものである。

  • 環境問題に興味を持ち、いろんな取り組みを実践してたのですが、様々な疑問が喚起されました。ちょっとショックだったけど、読んで良かったです。

  • 「日本人はなぜ環境問題にだまされるのか」という本も依然読んだが、まぁそれをヴァージョンアップしたもの。

    結局のところ何を信じていいかわからない。

    誠実に生きればいいんだけど、日本の上のアホ連中がこのこと知ってるとは限らないし、庶民が何言っても動かない。
    利益追求は人間の本質でもあるし、会社も社員に生活させるための手段を考えたらやむを得ない。

    結論・わ~社会なんて滅びちゃえばいいのに~(笑)

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著者プロフィール

1943年東京都生まれ。工学博士。専攻は資源材料工学。
東京大学教養学部基礎科学科卒業後、旭化成工業に入社。
同社ウラン濃縮研究所所長、芝浦工業大学教授、名古屋大学大学院教授を経て、2007年より中部大学教授。
テレビ番組「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ)、「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日)などに出演。
著書『ナポレオンと東條英機』(KKベストセラーズ)、『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』3部作(洋泉社)他ベストセラー多数。

「2017年 『武田邦彦の科学的人生論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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