アスペルガー症候群 (幻冬舎新書 お 6-2)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344981423

作品紹介・あらすじ

こだわりが強く、対人関係が不器用なアスペルガー症候群。他人の気持ちや常識を理解しにくいため、突然失礼なことを言って、相手を面食らわせることも多い。子どもだけでなく、働き盛りの大人にも見られるが、自覚がないまま、生きづらさを抱えているケースがほとんど。日本でも激増し、深刻な問題となっているが、シリコンバレーでは一割の人が該当するとも。家庭や学校、職場で、どう接したらいいのか?改善し、特性を活かすには?すべてを網羅した一冊。

感想・レビュー・書評

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  • もともとアスペルガーっぽいねとは言われていたけれど、先日、妻の働く保育園での自閉症の子の花椅子を聞き、あまりに自分の小さい頃と同じで驚き、この本を手に取りました。
    生きづらさは常に感じているので、薄々わかってはいましたが、かなり自分に当てはまるところが多い。特に人間関係の部分や、同じことをずっとやってられるところは全くそのもの。
    人には、「この前言ってたことと違いますよ」とか、「ルール決めたのはそっちなのになぜ守らないんですか」とかすぐ言ってしまうのだけど、すぐ偉そうだとかうるさいとか言われてしまう。純粋に疑問に感じたから聞いているだけなのに、どっちがおかしいんでしょう?いつもミッシェルの「世界の終わり」の冒頭が頭をよぎる。
    奥さんにもこの本の話をしたら、「私がすごく我慢してるのわかるでしょ」と、こっちが何も感じず迷惑をかけているだけのように返されたので、現在絶賛凹み中です。

  • 印象に残った言葉
    ・親がその子のために与えることのできる最上の贈り物は、安心感と自己肯定感である。

    第6章と7章が特に参考になりました。

    また、私はプライベートでは、きまぐれで、よく予定変更をするタイプなので、それはアスペルガー傾向の人には強いストレスを与えることがわかり、気をつけようと思いました。

  •  タイトル通りの病気? 障害について書いてある本です。
     何だか、眉唾のような本もこういう本の中にはたくさんあると思っていたんですが、この作者さんについては、それなりに信用できる人だと、何かの時に教えてもらったので、物は試しで買ってみました。

     というよりも、普段、新書なんてジャンルの本を読むことがあまりないので、この本がどの辺りの位置に当たるのかがイマイチよくわからない。
     私の勝手な先入観では、それぞれの分野の専門家が、自分の専門のことについて自分の信条のままに書く本だって買ってながら考えているんですが、何か間違っているかしら?
     なので、新書については自分の信条について、作者さんがなるべくそれが信じられることだ、とわかりやすく説明する話だと思ってるので、その「信条」の部分に合わなかったら、ものすごく反発を覚えざるをえない本、という認識をしています。
     専門書よりももう少し主観的な事実が詰められている本。

     と自分に言い聞かせながら読んだ本でした。
     で、読んで見た感想なのですが、私が仕事で関わることがある彼らのことについて、とても丁寧に書かれていました。
     この本の内容は、この病気が何の病気なのか知りたい。どうやってこういう人たちに関わっていったら言い聞かせのかを考える上ではとてもよい本だとは思います。
    「自分はそうだ」「そうかもしれない」と考えている人たちにとっては、こういうことをすればいいのかという、ひとつのヒントになると思います。
     ただ、「じゃぁ、どうしたらいいんだ」という人にはあまり向かない話だと思いました。
     確かにそれならどうしたらいいと言うことも、多少は書いているのですが、実際にそれを生活の場で実践するためにはどうしたらいいのかというところが、少し弱いような気がします。
     なので、どういう目的でこの本を買うかというところが問題になってくるのかなぁと思います。
     こういう病気がどういう病気なのか知りたい、ということであれば割と基本的なことについて教えてくれるのでとても役に立つと思います。自分がそうではないかと考え、読み始めるのにもいいと思います。
     ただ、もう自分がそうなんだと考えていてもっと何をどうしたらいいだろうと思っている人間には、物足りないと思います。
     まぁ、そもそもがそう言う対象者向けではなく書かれている本だと思うので、そういう本が読みたい人は他の本を読んでみてください。
     つまり、この病気について知ろうと思った人が、最初に読むのはいいと思いますが、詳しいことを知りたいと考えたら他の本を読んだ方がいいかなと思います。
     まぁ、あくまでも専門書ではなく新書なのでその辺のことをお忘れなく。
     それさえ忘れなければ、書いている内容としては私の知っていること も大体合っていたと思いますし、読んでいて損はないかなぁと思います。
     本当に、入り口のためのおはなしかなと思います。

  • 評者があることをきっかけに臨床心理士の方のカウンセリングを受けた際、「あなたと話しているとアスペルガー症候群に似た感じがする」のようなニュアンスの事を言われて紹介されたのが本書である。
    私事で恐縮であるが、評者は幼いころから浮いた存在でいることが多く、小説のような物語や心情を推し量ることが非常に苦手である。幼稚園の時に"サンタクロースはいない" と分かったほどである。また流行はどうでもよく、いわゆるお笑いに対して何が面白いのか分からず、何か言うと"お前が言う言葉は周りがどう思うか?"などと怒られたこともしばしばである。
    その一方、どこの学校でも居るが、小学校の時に歴史に興味を持ち、経済や金融、国際社会に対しては非常な興味を持って接しており、周りから"自分たちの常識と評者の常識が違う" という印象があり、上司は周りから排除されるのを憂えたこともある。

    本書はアスペルガー症候群にはどのような傾向があるかや特徴、周りからどう接するのか? などが書かれており、評者も本書を読んでいるとなるほど当てはまることが多々ある。
    ただし、本書を読んで当てはまる部分を見つけただけで"自分はアスペルガー症候群だ" と思いこんではいけないし、本書にも記されている通り、まだまだ解明されていないことが多いのも事実であ。今後の解明が待たれる。

    日本の社会はまだまだ村社会であり、自分たちと違う人に対しては奇異な目で見たり関わらないようにしがちである。また生き方に多様性を言うようになっても一方で"KY"に代表されるように、押し込めようとする。かといって評者も含めた素人が判断できるものではないし、言葉を知っていても、身近な人がアスペルガー症候群のように一般の人と違う人がいればなかなか接し方が分からないものであろう。
    本書を通して100%理解できなくとも人との接し方について振り返ってみる必要があるかもしれない。
    ただ、自閉症との違いが分かりにくく、内容の羅列が多いので読みにくいのが残念であった。

  • アスペルガー症候群とは知的障害、発達の遅れを伴わないASDのこと
    (ASDは「自閉症」「高機能自閉症」「アスペルガー症候群」の総称)

    アスペルガー症候群の傾向を持った人でも、診断基準をきちんと満たすのは一般人口の0.5%程度
    それよりもはるかに多いのが、診断基準の一部を満たす特定不能の広汎性発達障害である

    どちらの場合にせよ、大人になるにつれ診断名が変わるか、なくなる場合さえあるらしい

    ASDは自閉症スペクトラム障害とも言われるように、軽度/重度といった線引がなく、スペクトラムの中には「健常」も含まれる
    つまり、自閉症スペクトラム障害にみられるような特徴は、実は程度の差こそあれすべての人が持っているのだ

    それを元に考えれば、誰にとっても、この障害の特性を知ることでその人らしい人生を歩むためのヒントがもらえるのではないかと思う

    ✏人とモノの違いは、顔をもつか、もたないかだとも言い換えられる

    ✏現代にアスペルガー的な人が増えているとすると、それは、アスペルガー的な遺伝子をもった人が子孫を残しやすくなっているということである。

    ✏唯一の欠点といえば、それは遺伝的な問題だろうか。似た者夫婦仮説について述べたが、遺伝学的には、自分と傾向が似すぎている人と結ばれることは、遺伝的な偏りを強め、とても優れた組み合わせになることもあれば、負の側面を強める場合もある

  • アスペルガー症候群について知りたくて読書。

    カウンセラーやセルフケアの勉強をし始めてから特に耳にするようになったアスペルガー症候群。いったいどのような症状で、回りにいる人たちはどう対応すればいいのかを理解したい。

    ビル・ゲイツなど現在の著名人、歴史的な有名人も含めた事例を多く紹介している。日本人が少ないとレビューで書いている人もいるが、現役で活躍する日本人は誤解を与える恐れがあるので紹介しづらいのではないかと思った。

    分かったことは、
    (詳細に読み取ることはできなかったが)男性の方が多いこと。
    障害の程度は家庭教育など思春期の接し方が大きく影響を与えること。
    先進国と途上国では先進国の方が多いこと。
    発症事例は年々増加傾向にあること。
    注意欠落・多動性障害(ADHD)と類似、または連動すること。

    無知から偏見と差別が生まれそうな感じもするので、正しく理解することが何よりも重要かと。

    アスペルガー症候群の事例を見ると、自分にも十分に当てはまる要素があることが分かる。同時に得意な才能、技能もないので、厳密には該当しないと知る。もし私がアスペルガー症候群なら今頃は…なはずだし。

    マイルール好き、妙なこだわりを持つ、一人での行動を好む、依存傾向が強い、集団競技が苦手、字が汚い、語学のセンスがないなど誰しも該当する要素は持ち合わせているようだ。その意味では私はアスペルガー症候群に近いとも思える。

    エジソンやアインシュタイン、ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズなどのように才能を開花させて成功する人たちは一部で、多くが空気が読めないKYな人と扱われている人なのではないかと思う。

    アスペルガー症候群はIQは正常であり、前頭葉に何らかの障害があると推測されているそうだ。

    本書でも触れられているが、発達障害であるパーソナリティ障害に近い部分を多く感じる。その辺も含めて今後、学びたいと思う。

    私にとって重要な情報は、アスペルガー症候群やパーソナリティ障害を持つ人と接する周りの人たちの対処方法やメンタルヘルスマネジメント。人は往々にして目に見えない障害には優しくできないので難しい点だ。

    読書時間:約1時間20分

  • アスペを簡単に理解したいなら読むべき一冊。ちょっと褒め過ぎの嫌いがありますけどね。

  • 軽症アスペルガーの大人に関する情報という点ではどの本も似たり寄ったりだが、事例が載っているので、参考になる部分は多かった。読みやすいのも良い。

  • アスペルガー症候群と一言で言っても、症状は様々であり、程度の差も大きく、また環境的影響もやはり大きいようである。
    実体験としてアスペルガー症候群と思われる方とも仲良くしていましたが、他の人から拒絶されているなと感じる場面は何度も目にしました。
    その知人は問題行動と捉えられるような行動をすることも多々あり、その行動自体は問題だと私も思いましたが、必ずしも悪気があってしている訳ではないですし、何を言っても変わらないという訳でもないので、こういった本を読んで一人でも理解がある人が増えればなと思いました。
    アスペルガー症候群っぽいから、なるべく関わらないでおこうではなくて、アスペルガー症候群のこういった傾向が見られるから、こういった接し方をすればいいんじゃないかというところまで考えられる人が増えれば、より多くの人が生きやすくなるのではないかと思います。
    また、アスペルガー症候群の子供と接する際に気をつけることも書かれていましたが、これは症状の有無に関係なく大事なことだと思ったので、子育てに悩む方や多くの子供と接する機会がある方にも是非読んでいただきたいなと思いました。

  • アスペルガーについての概要がわかるが、アスペルガー症候群の人とそうでない人のどちらが正常なのか、わからなくなってきた。もしも世の中がアスペルガーの割合が増えてきたら、そっちのほうが普通になるだろう。
    また、科学者、哲学者、政治家、芸術家、経営者など多くの偉人がその兆候がみられたというのは、逆に考えるとアスペルガーであるほうが偉くなれるということ?

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著者プロフィール

岡田尊司(おかだ・たかし)
1960年香川県生まれ。精神科医、作家。東京大学文学部哲学科中退。京都大学医学部卒業。同大学院医学研究科修了。医学博士。京都医療少年院勤務などを経て、2013年より岡田クリニック(大阪府枚方市)院長。日本心理教育センター顧問。パーソナリティ障害、発達障害、愛着障害を専門とし、治療とケアの最前線で現代人の心の問題に向き合う。著書『悲しみの子どもたち』(集英社新書)、『愛着障害』『愛着障害の克服』(いずれも光文社新書)、『愛着アプローチ』(角川選書)、『母という病』(ポプラ新書)、『母親を失うということ』(光文社)など多数。

「2022年 『病める母親とその子どもたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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