新聞消滅大国アメリカ (幻冬舎新書)

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著者 : 鈴木伸元
  • 幻冬舎 (2010年5月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344981690

新聞消滅大国アメリカ (幻冬舎新書)の感想・レビュー・書評

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  • 大分という町はすさまじい町です。物価が安いのです。ドリンク、ライス、そして、肉料理でワンコイン以下です。うどん、とりごはん、おでんもワンコイン以下です。長崎という町でもそんなことを感じました。しかし、このすさまじさは衝撃です。どうしてなのでしょう。不思議です。正直、失望です。悪い本ではありません。しかし、失望なのです。この本を購入した人は、ここで書かれたことは知っているでしょう。新聞は非常に厳しい。広告はネットに流れている。ニュースはネットです。その通りでしょう。ただし、この本を購入した人は既知でしょう。サプライズがないのです。テレビ番組の取材ノートを新書にしただけなのです。それだけです。

  • 「新聞の時代よさようなら。腐敗の時代よこんにちは」

    仕事柄なんとなく新聞に価値はないと思っていたがこの本には新聞がなくなった街が辿る不幸な世の中が事例を元に書かれている。
    自分が興味ある情報だけを必要なだけ簡単に入手できる今の世の中って本当にいい社会なんでしょうか。ネット社会に最近疑問を持っていた中出会えた良書

  • 【内容】
    アメリカを代表する名門紙NYタイムズが2009年末までの3年間で社員の3分の1近い1400人を削減した。西海外の有力紙サンフランシスコ・クロニクルは1200人いた社員の半数近くを解雇。実際09年だけで全米の日刊50紙が消滅するなど、この動きは加速する一方だ。新聞がなくなると街は、国家は、世界は、どうなるのか?新聞が消えた街でネットから得られる地元情報はごくわずか。政治は腐敗し、コミュニティは崩壊に向かう。他人事ではない、日本人必読の書。

    ---------------------------

    非常に濃密な一冊。
    アメリカ新聞業界の散々たる現況を、これでもかという程に見せ付ける内容であった。
    ジャーナリストという職業が「花形」であった時代は終わり、もはや生き残るために人員削減・規模縮小・配達取りやめ、など手段を選ばずもがく姿が描かれている。
    また同時に、自らの置かれる立場を非常に冷静に客観視しながらも、やはり「新聞」というメディアに愛情と尊敬の念を持つ記者たちの「誇り」も伝わってくる非常に心を揺さぶられる本だった。

    アメリカで起こった現象は日本で3年送れてやってくる、などと言われるが、アメリカの新聞収益構造と日本の構造は違うとはいえ、遅かれ早かれこのような状況はやってくるだろう。
    (10年内に全国紙ひとつはなくなるかもしれない)

    印刷し、配達し、それを読む、というビジネスモデルは確かにあまりにコストがかかりすぎる。

    だが、「権力を監視する」というジャーナリズムの本質と必要性もまた、この本を読み進めていくうちに非常に感じるものだ。

    若年層の新聞離れは叫ばれて久しいが、やはりネットでニュースを見るということと、新聞を読む、ということでは知識の入り方が違う。
    よく叫ばれる「新聞の一覧性」と「ネットの深化性」の違いである。
    興味のある分野のニュースしかクリックできないインターネットのニュースしか見ないというのは非常に偏った知識や常識を作り上げる危険性をはらんでいる。

    また、この新聞ジャーナリズムの必要性を客観的に分析した論文が本文で引用されるのだが、それはまた興味深い。

    様々な矛盾した問題を孕みながら、今抱える問題と今後の新聞業界を考える上で非常に勉強になった本である。

    本書の参考文献にも入っていたが、以下のコラムを合わせて読むと非常に理解が深まる。
    http://journal.mycom.co.jp/column/media/index.html

  • 考察内容が、ちょっと物足りない。しかし、アメリカの5年後が日本の姿と言われるが、はたしてどうだろうか?

  • 日本の新聞ならまだやれそうなことがありそうな気がしました。

  • NYタイムズ、サンフランシスコクロニクルの状況から始まって、最後は日本の新聞社の先行きについて述べられている。新聞の動向を知る上でいい本。

  • NYタイムズの経営悪化を中心に、米国における新聞ビジネスの破綻を分析する。ビジネスモデルの違いはあれど、日本の報道機関にも当てはまる事実が多いんじゃないかなーなんて思った。情報へのニーズが減る事はないが、そのニーズの内容が変化する。広告収入の現象が原因なのか、包括的で重厚な情報へのニーズ低下なのか。

  •  ここ数年でスマートフォンを持つ人も多くなり、私を含め、電車の中でニュースを読むようになった人も多くなったのではないかと思う。その中には「新聞は特定の記事欄しか目を通さないし、一ヶ月もすればかさばって邪魔になるだけだ」という考えで購読を止めてしまった方がいても不思議ではないのではと思っている。
     では、果たして新聞は不要になってしまったのだろうか。もし新聞が無くなるとどういう事態が起きてしまうのか。その事を本書から学ぼうと思い、手に取った。

     第一章はニューヨーク・タイムズ(以下NYTとする)の現状についてである。
     かつて、この新聞を読んでいる事が一種のステータスであり、地方で修行を積んだ記者にとっても、最終的に目指した憧れの勤務地がこの会社であった。それが今では富豪からの援助が無ければ存続が危ぶまれる程に株価・財政が厳しい状況に陥っているのだという。
     何度となくリストラや不要な部門を売却している事を、当然ながら社員も危機感を覚えており、「新聞業界がどのように変わっていくのか全く予想がつかない」と漏らす。
     「印刷(クリック)に値するニュースは全て掲載する」という理念を掲げてHPの記事を充実させる試みは、当初こそ上手くいっていたものの、2009年のニールセン・オンラインによる5大ニュースサイトの利用順位では最下位、かつインターネットの広告費は新聞のそれの1/10であるため増収は望めないという厳しい状況に立たされている。
     「それがどうかしたのか」と思う方もいるだろうが、新聞の力が減退するということは、「権力の監視役」が世から消える事を意味している。
     かつて「ペンタゴンペーパーズ」「ウォーターゲート事件」という大きな不祥事を暴いたのは新聞社であり、監視役が居なくなる事で「常に見られている」と権力者にプレッシャーを与える事が出来なくなってしまう。

     二章はカリフォルニア州の大手新聞社(つまり地方紙)、サンフランシスコ・クロニクルの凋落についてである。
     三階建てのビルの内、実際に使っているのは三階のみ。その三階も机や椅子が無い部屋だらけという、新聞社とは思えないほど荒れている。というのも、インターネットの台頭で広告費が得られず、2008年の時点で50億円の赤字を計上してしまい、リストラが継続的に行われているためである。リストラが進むことで質の良い記事が無くなり購読者が離れる。そして資金難にあえぎ再びリストラが進むという悪循環の中にいるという。
     状況を変えようと、紙面サイズの縮小(それに伴い印刷工程も完全外部委託化)や、禁じ手とされている新聞代の値上げにも踏み切っている。が、それは長年の顧客を手放すことをも引き起こしており、2009年の4月からの半年で発行部数を26%減らしてしまった。
     さらに困ったことはネット上にニュースサイトを設けても、「一日あたりの滞在時間が約17秒」、「気になる記事だけを読むだけで、編集者の価値基準・構成には関心がない」、「若者の多くはニュースに全く関心が無い」という研究結果が明らかになったことである。
     昨今の経済危機も絡んでいるとは言え、関係者は「新聞業界の未来は暗い」と頭を悩ませている。

     二章以降の章の内容は、他書で読んだものと似通っていたので省く。あえて気にになった箇所を書くとすれば、5章の、「情報の新たな発信者がNPOになりつつあるが、その資金を提供している人物が誰なのか、そのことによって記事の内容が偏向していないか見極める必要がある」という下りや、地元の新聞が無くなったことで政治への関心が減り、前職の市長/議員が再当選していき、腐敗が起きかねる流れになってしまうという所だろうか。

    自分用キーワード
    カルロス・スリム・ヘル(NYTに出資) Boston Grobe(新聞) ピュリッツァー賞 イエロー・ジャーナリズム アドルフ・オークス ペンタゴンペーパーズ ウォーターゲート事件 レンゾ・ピアノ Politico トランスコンチネンタル社 クラシファイド広告(3行広告) クレイグズ・リスト SFゲート(サンフランシスコ・ゲート:サンフランシスコ・クロニクルが設立した無料ニュースサイト) Propublica Center for public integlity Newser フィスカル・タイム(NPO:資金の提供元が問題となった) 

  • NHKの記者がアメリカの新聞事情や新聞社の新たな取り組み、ネット報道の状況等について取材したもの。日本に関する記述は謙抑的で、これはこれで良い。日本との収益構造、カバーする範囲の違い等はあるが、日本の将来についての示唆にも富んでいる。

  • アメリカにおける新聞業界の危機的状況をリポート。あのNYタイムズさえもリストラが止まらないという。終章には日本の現状も紹介されている。アメリカと日本では大きく背景、土壌が異なるとはいうものの、広告料収入は間違いなく激減している。新聞の衰退はインターネットの発達による必然の流れとはいえ日本の新聞も安閑とはしていられない。新聞がなくなれば政府が腐敗し言論の多様性が損なわれるとの議論もある。はたして本当だろうか。新聞が生き残れるかどうかは、新聞が本当に我々にとって必要不可欠なものかどうかなのではないのか。新聞試練の時代の到来である。

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新聞消滅大国アメリカ (幻冬舎新書)の作品紹介

アメリカを代表する名門紙NYタイムズが2009年末までの3年間で社員の3分の1近い1400人を削減した。西海外の有力紙サンフランシスコ・クロニクルは1200人いた社員の半数近くを解雇。実際09年だけで全米の日刊50紙が消滅するなど、この動きは加速する一方だ。新聞がなくなると街は、国家は、世界は、どうなるのか?新聞が消えた街でネットから得られる地元情報はごくわずか。政治は腐敗し、コミュニティは崩壊に向かう。他人事ではない、日本人必読の書。

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