- Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344981706
作品紹介・あらすじ
不世出の女形、六代目歌右衛門が劇界に君臨する一九七〇年代、類稀な美を煌めかせ、五代目玉三郎は現れた。三島由紀夫らに見出された彼は、目映い美貌とその才能で、大衆から熱狂的な支持を得る。一方。女帝・歌右衛門をなお「至高」と讃える劇評家たちは、玉三郎を酷評し、女帝も彼を拒絶し続けた。かつて伝統と秩序の中で疎んじられた玉三郎は、いま立女形として劇界の頂点にいる。これは未曾有の奇跡なのだ。彼はいかにして歌舞伎座のトップに上りつめたか-。葛藤と相克の四十年。
感想・レビュー・書評
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いまいち玉三郎の「奇跡」感が理解できなかった。とにかく美しくて妖しくて人気があったから、役者の家の出ではないのにトップの女形になれた、ということでしょう?
と、こう思ってしまうのは、一昔前(だけか?)の歌舞伎界がいかに旧態依然としていたかをわかっていないからかなあ。家柄の重大さを。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
玉三郎と同時代に生まれた幸福。
一人でも劇場全体を支配できるほどのオーラ。
この二つの点については、全く同感です。
劇場に行っていないと、そこまでわからない場合もあるので、ぜひ足を運んでみて下さい。
しかし、本人にはまったく取材しないで書かれた本。
それで、このタイトルっていいの?
若い頃に美しさに注目されてブームが起きて、出ずっぱりになりながら、劇評では冷遇され、本当に大きな役はなかなか来ない。
そういう時期もあったんですね。
劇評やインタビューなどを詳細に調べて、取りあげ、その年の傾向や、ブランクの理由などを追求してあります。
何年何月にどの舞台に出た、というのは資料として間違っていないんだろうけど…
舞台の数が既に多すぎるので、一つ一つについて突っ込んでいるほどではない。
ファンとしては知っている話が多いです。
洋物に出た時期や順番、一度で終わった物とそうでない物…
ああ、そうだったかなあ…と懐かしく思い出します。
他の俳優のことを、比較して悪く書く必要は、別にないんだけど。
他の俳優をどんなに褒めても、揺るぎないから。
舞台はコラボだから。
名優とのコンビで馥郁と醸し出されるものも、若手との共演で若々しいまっすぐな演技を玉様がカバーしてたりするのもそれぞれに楽しいですよ。
女形同士はあまり共演する機会もないけど。
歌右衛門のことはあまり知らなかったから、政治力があったという点についての具体的な説明は興味深かった。
年月が過ぎ去り、敵役?としての大物ぶりがまた。
女形の存在感が増したという点で功労者なのかも。 -
歌舞伎のことはほぼわからない
むろん 役者さんのことも わからない
それでも
とても興味深く読ませてもらった
閉じられた「世界」の中だからこそ
その立場の人がこういう動きをして
その立場の人がそういう考えになり
その立場だからこそそうなってしまう
人と人の関係のありようは
他の「世界」でもあるよなぁ
と 読ませてもらいました
そうそう
この本を読むきっかけは
ある人から「シネマ歌舞伎」に誘われたこと
外題は「日本橋」です
それなりの予習はできたような気がします -
玉三郎は生き残ったが、同様の境遇で消えていった役者たちはどれだけいたのだろう。
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最初に読んで何やねん?もう一度読んで何やねん?でもおもろいわ。三度目以降、はまります(笑)。歌右衛門とのン10年にわたる確執も、その差異も、若き日の勘弥との葛藤も、輝かしい孝玉時代も、すべて楽しく面白い。ゴシップ上等、ファンのツボをわかってるなあ。
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別にこの本はすごくない。
すごいのは、玉三郎さん。 -
再読です。以前、小倉で購入した記憶がある。多分、玄人は、この本嫌いだと思います。あなたが、僕のような素人ならば、面白いと思います。玄人には、絶対にお勧めできません。
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玉三郎の記録としてはいいかな
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公演記録を羅列しているだけで、あまり面白くない。前作、前々作に比べて質が落ちている。