加害者家族 (幻冬舎新書 す 4-2)

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  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344981942

感想・レビュー・書評

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  • 2016.02.29

    以前、私は交通事故を起こしてしまったことがあり、幸い相手に怪我はなかったものの、もしその時、相手を死なせてしまっていたとしたら、今頃自分の家族を加害者家族にしてしまっていたんだな…と考えると改めてとても恐ろしくなってしまいました。
    お母さん、お父さん、あの時は心配かけて本当にごめんなさい。

    加害者もその家族も人間であり、守られる人権はもちろんあるけれど、諸悪の根源はそもそも加害者で、被害者はある日いきなり平穏な日々が崩壊してしまうわけで、加害者とその家族を憎むしかなす術がないのはあたりまえで…
    とぐるぐる考えてしまい、答えは見つかりません。

    とにかく、家族や大切な人をある日突然亡くす悲しい思いをする人が1人でも増えないよう、せめて自分は加害者(家族)にならないよう、交通事故にだけは気をつけよう!と心から思いました。

  • 年末に読んだ本でしたが、かなり衝撃を受けた一冊でした。

    加害者の家族という本来であれば全く同情されない、全く配慮されない

    人権も全く尊重されない、そんな感情が今はネットへもつながって

    すごい状況に追い込まれていくということが分かりました。




    これを読んだら絶対自分の身内を加害者家族にしてはいけないと

    本気で思えます。

    自分にその気はなくても交通事故だったり痴漢の冤罪だったり

    そういう状況に陥ってしまう扉が日常にいくつもあります。

    用心して生きないといけない、読後には本当に息苦しさが残りました。

  • 個人的には…加害者の親には罪があるけれど、加害者の子供、配偶者に罪はない…と思う。加害者が若年又は新たな家庭を築いていないなら尚更親の罪は逃れられないかと。加害者家族が社会を生きていく辛さ、家族に重大事件の加害者がいるという重みは東野圭吾の『手紙』に勝るものなし。

  • 長崎の弁護士の父親が自殺した事件があまりにも衝撃で、この本を読んだ。日本にも、欧米のような加害者家族を支える組織やプログラムができてほしい。そして、それを当たり前の事として受け入れる社会になってほしい。

  • NHKクローズアップ現代で放送されたものを書籍化したもの。著者の鈴木伸元さんは、Nスぺやクローズアップ現代でディレクターを務めていて、『沸騰都市』や『新聞消滅大国アメリカ』などの書籍化に関わっている。

    TVの取材という制約があるのか、加害者家族の描写は、最初に描かれた殺人事件の事例と宮崎勤の事件以外はやや浅いという感がある。宮崎勤の場合は、偶然事件前から面識があったということで直接単独インタビューを実父に対して行っている。宮崎勤の連続幼女殺人事件、和歌山毒物カレー事件、オウム事件、神戸連続児童殺傷事件(酒鬼薔薇少年)など有名な事件では加害者家族へのマスコミ取材含めた影響が甚大であることは想像できるが、そういった事件以外でもコミュニティ内にはもはやいることができなくなり、経済的にも困窮することがわかる。

    アメリカと日本の違いはやはり気にかかるところである。また、ネットによるさらなる加害者家族への影響についても現代的課題として扱われるべきだろう。自分の家族が、という想像力は必要なのかもしれない。

  • 「幸せ」「不幸」の両方を共に分かち合う「愛」の絆が家族・「幸せ」を分かち合えばその「幸せ」を壊す「不幸」な行為は起こせないのでは・・ということは・・・「幸せ」な「家庭」「家族」の存在の意味がそこにあるのでは・・・・「育て方」をしたかではなく・・・・・分かち合う「愛」があった「家族」「家庭」だったのかだ!

  • 事件が起きた時に、誰かを非難せずにいられない感情は理解できる。しかし、加害者家族や加害者関係者を、死に至るほどに追いつめる日本の風潮(韓国も)に疑問を感じる。その疑問を追及した本。

  • 今こういう本が出てきたのも時代なのだなぁと思います。
    一頃前では「加害者側」に触れるなどということは、タブー感が強すぎて無理だったろうと思います。
    著者も書かれていますが、これを書くのは勇気が必要だったでしょうね。でもまだ完全に覚悟を決めたというところまでいってなさそうな姿勢も垣間見える文章です。

    多くの普通の人たちが正義を大上段に振りかざして簡単に人を批判したりさらし者にしたりできる世の中になりました。日本人は特に何においても「家族性」ということを重要視する民族だと感じます。

    どんなに自分自身が真っ当に懸命に生きていても、家族に犯罪者が出たら自分の人生は全否定されます。
    これを読むことで少しでも犯罪が抑止できたら…と思うけれど、重犯罪を犯してしまう人はこういう本読まないのかもしれない…。

    被害者・加害者そしてその両方の家族への支えということを考えると、日本はまだまだこの本に書かれている諸国には遠いと感じます。
    誰もが興味を持つテーマではないですが、知っておいてもいいことの一つではあるように思います。

  • 加害者の周りの被害者

  • 我が国と他国の差の部分を読んで
    なんて恥ずかしい、と思いました。
    なんの差?と気になりましたらご一読(笑)
    そういう行為や考えがあり得るなんて事すら考えた事もなかった自分も残酷な人間のひとりであると思い知らされました。本当に恥ずかしいことです。
    国の質、というのはおそろしいものだと思います。
    過激な行動に出ずとも結局多くの国民がそれを容認、同調、黙認する気質だから自然とそういう人間が育っていくのでしょうが…。
    本当に曇りのない目で見て優しく出来たら、と思える人はどれくらいいるのでしょう。
    そういう人間には育ちませんでしたがこの本を読むことで「知った」ので気遣える人間として成長出来ればと思います。

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著者プロフィール

1996年東京大学教養学部卒業。同年NHK入局。報道局、スペシャル番組センターなどを経て、現在報道局報道番組センター社会番組部チーフ・プロデューサー。「NHKスペシャル」「クローズアップ現代」などを担当。ギャラクシー賞奨励賞を2度受賞。著書に『新聞消滅大国アメリカ』『加害者家族』『性犯罪者の頭の中』(いずれも幻冬舎新書)がある。

「2015年 『反骨の知将 帝国陸軍少将・小沼治夫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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