むしろ暴落しそうな金融商品を買え! (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344982925

感想・レビュー・書評

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  • 以下、気になったところをピックアップ。
    ・みんなが分散投資するようになったために、ほとんどの金融商品が連動するようになってしまった。分散投資として効果があるのは株式+国債のみ。
    ・大暴落はショック後に間を置いてから起きる。暴落直前にボラティリティが大きくなるからそれを見て損切りすれば暴落を逃れられるかも知れない。
    ・金融機関はもうけを出すために、短い期間でボラティリティを計算する傾向がある。そのため長期的に見ると非合理な行動を取り、それが大暴落に繋がる。

    流動性リスクに対して厳しい内容だけど、普通は生活防衛資金は残して投資するよね。なんで全財産ぶっこむ前提なのか。
    数年おきに大暴落が起きるから長期投資は意味ないという論調だけど、インデックス投資で20年以上寝かしておくのもダメなのかな。前提条件がはっきり書かれていないので、どう解釈していいのか分からない。
    対話形式での説明が出てくるのだけど、大学教授が高級クラブで若いホステスに解説するという舞台設定なのがキモい。

  • あまり人に紹介したくないくらいの良書。
    将来資産運用を考えている人達は読んだほうがいいと思う。
    こんなおいしい情報本にしていいのかなと感じたけど、この本の内容はほんの一部で著者はもっと多種な投資手法を知っている気がする。

  • 挑発的なタイトル。
    個人投資家は、暴落によるダメージを徹底的に避け、バブルのチャンスに乗って儲けるしか、資産を増やす芽はない、というのだ。
    逆に、金融知識に自信のない個人投資家は、ネットバンクの預金と、変動型10年満期の個人向け国債がよい、ということだった。
    個人の投資家ができるリスク管理は、流動性リスクだけ。
    それゆえの、上記二つの選択だと。

    金融の世界の常識も変わる。
    長期にわたっての分散投資がよい、という常識さえ、もはや通用しなくなっているという。
    本書は5年前の本だが、今はどうだろう。

    実際、私も日本株、日本債券、先進国株、先進国債券と四つのインデックス投信に分散して積み立てをしてきたが、ほぼ同じような値動きをするので、やめてしまった。
    その理由が、本書で分かった。
    どの金融商品の運用者も、ポートフォリオ理論でリスク分散をするからだそうだ。

    長期投資が危ないのは、大暴落が数年に一度程度起こり、世界経済も右肩上がりに成長するとは限らないから。
    長期投資をするということは、暴落に何度も会う可能性を高めていくことであり、損をする確率も高まる。
    私は結構、この話に納得、だ。
    「あなたが働かないのにおカネが働いてくれることはない」は名言だと思う。

    金融庁は積み立てNISAを始めようとしているが、実際、どうなんだろう。
    長期分散投資は今後も金融機関の鉄板のセールストークであり続けるのだろう。
    金融庁は日本の投信が顧客の利益を優先していないと指導に入っているらしいけれど、案外金融機関の利害に沿った制度になってたりして。

    さてさて、最後に残る心配は、暴落から逃げることが自分でできるかということ。
    ボラティリティを自分で計算することは難しい。
    日経平均ボラティリティ指数のチェックから始めようか。

  • 結局、変動国債を買え、ということ。理論的にはわからないことはないが、何かつまらなかった。

  • 読んだら「あ。そう言うこと」と納得できるタイトルでした。

    投資の話ですが、これは日常生活にも置き換えられるのではないでしょうか?

    「楽して大もうけ」なんて話は、あるわけ無いですが、「ローリスク、ローリターン」ならまだまだあります。しかし、それでも「手間をかけて無いが故に、大きく損する」可能性もあるのが今の時代なんですね。

    何も準備してなければ、イザというときに「大きなモノ」を失う。

    まるで、突如襲ってきた「地震」のように。

    備えていれば、一目散に逃げたのに・・・。

    コツコツ貯めたものが、一瞬で無くなる。

    コツコツ貯める方法を探すのも大事ですが、一瞬で大きく失わないようにもする。

    そんな「リスク管理」をしっかりしましょうと言うことですね。

  • 暴落から逃げ遅れないようリスク管理に徹することや、流動性リスクに注意することが個人の資産運用では大切。最新データで、長期分散投資の有効性がなくなってきたこと、特に日本人にとっては長期の外貨投資は大損の危険性が高いことなど、金融リスクについて分かり易く解説する。これからは、日経平均ボラティリティーや為替のボラティリティーにも注意を払っていきたい。

  • 巷には将来性のある株や金融商品をどのようにして見つけるかを解説してある本が溢れていますが、タイトルだけ見ると、それとは逆のメッセージを発しているので本屋で目に留まりました。

    私が理解したのは、一度買った金融商品を放置するのではなく、定期的にチェックし、暴落しそうな兆候があれば機動的に必要なアクションをとる姿勢(=本格的な暴落の前に損切りができる、p175)が、今後の資産運用には大事ということです。

    社会人になって失敗を繰り返しながら今に至っている私ですが、残念ながら、この本で述べられているように、これまでの常識が少なくともバブル崩壊後には通用していないという指摘は正しいと思いました。

    特に、長期分散投資の有効性が失われた背景は、めったに起きないはずの大暴落が短い間隔で起きるようになったから、その原因として各種債務の残高が大きく膨らんだ(p31)は、肝に銘じておくポイントでした。

    以下は気になったポイントです。

    ・長期投資は儲からない、と覚悟してくれたならば、本書の目的の3分の1は果たせたといえる(p14)

    ・債券は国債を選ぶべき、株式+債券という分散投資が有効であり、他の分散投資はダメになってきた(p15)

    ・大幅下落の危険性が強そうな銘柄ほど急上昇する、アップルが良い例(p24)

    ・住宅ローンを組んで家を買う人は、地価に連動した資産運用をしていると言える(p29)

    ・満期前の売却や解約にコストがかかるものは、流動性は低いという問題があり、個人の投資には適さない(p36)

    ・投資対象は、1)流動性が良いか、2)価格変動が観察しやすいか、の条件を満たす金融資産を対象にすべき(p37)

    ・リスクがある時の複利効果は、一部の投資家の一人勝ちを生む(p65)

    ・暴落から逃げることがリスク管理では肝心で、その意味ではドルコスト平均法はダメ(p92)

    ・日本人にとって、金投資は、じつは金投資に米ドル投資を加えた分散投資になる。国際的な金価格は米ドル建てで決まり、それに対米ドル円相場を掛けたものが、円建て金価格になる(p94)

    ・顧客に長期・分散投資をすすめる理由は、1)他人のおカネの運用でのリスク抑制はまじめにやる気にならない、2)手数料を多く稼ぎたい、である(p98)

    ・リスクを負ってでも、日本国債を大量保有した方が平均的には儲かると見込んでいるから、国債を売らずにむしろ買い増ししている(p105)

    ・幹事証券会社が個人向け社債には手を出さないようにする、個人投資家に損失を押し付けられるので(p141)

    ・実質実効円相場で見た場合、円高だったのは、1993-95年にかけてのみ、この時期に外貨投資をしたひとだけが、長期投資でも低いリスクで儲けるチャンスを得た(p150)

    ・変動相場制移行後の対米ドル円相場は、強い円高トレンドをもってきたことを認識すべき(p168)

    ・1998年のロシア通貨危機(8.17)と、2008年に起きたリーマンショック(9.15)により、米ドルや豪ドルが暴落している。しかし暴落は10月に起きている、ショックの後ですぐに投資をやめていれば大暴落から逃げることができた(p177)

    ・資産運用に必要な資質は、1)投資相手に惚れ込まずに、いつでもすぐに切り捨てられるクールさ、2)危なそうな資産にも躊躇せずに投資できる勇気、3)毎日のように情報をチェックするための継続力(p198)

    2012年12月24日作成

  • 久しぶりによかったと感じた。

    内容は理解しやすく、一気に読んでしまった。
    大学時代、N証券の講義を受けたことがあるが、本書の内容が正しければ、すべての内容が嘘だったといえる。
    それゆえ、批判も受けるだろう。

    暴落しそうな金融商品とは?の具体的な説明がないので、マイナス1。
    入門レベルでしょう。

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著者プロフィール

エコノミスト

「2016年 『学校では教えてくれない経済学の授業』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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