ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344983366

感想・レビュー・書評

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  • 社会学的なアプローチ?な感じがする。
    フィールドワークに出て、マイルドヤンキーという族種の人たちがいる。
    その人たちは、こんな人々。と語っている。

    あくまでフィールドワークが中心であり、そこからの打ち手が描かれているが今ひとつピンとこない。
    もっと数字を出してくれないと、この本を読んだからといって、すぐにこのターゲット層にアプローチできるとは思えない。ターゲット像も母数もわからないので、想定売上が立てられない。
    あくまで、こういう民族がいるぞ!という発見に対する示唆があったのかも。周りを見れば、まあいるよね。とも思うが出版年から年月が経ったからかな。

  • 現在のヤンキーは昔と比べ、ファッションも精神もマイルドな「マイルドヤンキー」というものに変わってきているらしい。彼らは地元愛に溢れ、限られた仲間と限られた場所での生活を望む。一旗揚げようという上昇志向も希薄で、悪く言えば、昔に比べ、保守的でゆるい感じ。
    まあそれが決して悪いってことではないけど、ヤンキーも色々と変化を遂げているらしいと。
    著者はそんなマイルドヤンキー層に着目。その動向を調査し、彼らに合ういくつかの消費アイデアを出している。地元愛や仲間意識をキーワードにすれば、別にヤンキー層に限定する必要はないとは思うけど。
    この本を読んで感じたのは、ヤンキーというよりも、若者全体で意識や精神、ファッションも変化してきているという至極当然な時代の変遷を感じた。
    こういう本が出ると「気合が足りない」とか、過去の自分の悪さを武勇伝なり正当化なりして語り出すオッサンが必ず現れるのも面白い。

  • 昔ながらのいかついヤンキーの減少・消滅。そして、新たに登場しているのが「マイルド・ヤンキー」という言われる若者層。その地元志向と仲間優先志向、堅実志向は、従来までのヤンキーの消費動向とは趣味の趣向も変わってきているという。その背景には、幼少期が「失われた10年」、親子関係の変化、離婚家庭の増加等々の影響もあるだに・・・。

  • ヤンキーを通して、社会の変化を理解できた。
    ヤンキー像が具体的で分かりやすかった。
    ヤンキーのITスキルについては、意外だった。

  • いまのヤンキーは第三世代らしい。

    第一世代は金八先生の加藤優に代表されるような大人に歯向かい、権威をぶっ壊そうとした暴力系。見た目はビーバップハイスクールに出てきた短ラン、ボンスリ、リーゼント。いかにも不良ですというオーラを出している。盗んだバイクで走り出す世代。喧嘩っぱやいのが特徴。


    第二世代は池袋ウエストゲートパークに出てきたようなヒップホップ系の見た目のヤンキー。喧嘩もするが、第一世代ほど周囲を威圧するでもない。しかし縄張り意識というか、仲間意識は強く、仲間がやられたら、総出で仕返しするような世代。第一世代のような一匹狼はあまりいない。


    では、本題。第三世代は見た目はEXILE系(悪羅悪羅系)と、オールファストファッション(ダラダラ系)に二分化。喧嘩はしない。法を犯すようなこともほぼしない。暴走行為もしない(じゃあ、ヤンキーじゃないじゃん、とも思うが) 名付けてマイルドヤンキー。


     特徴としては喫煙飲酒率がけっこう高い。地元から出たがらない。車は大勢の仲間で一緒に乗れるワゴン。セダンなんて選択肢にない。仲間と集まって何をするかと言えば、飲んで騒ぐ。それをSNSにアップする。弾丸ツアーと称してワゴン車に乗り込み夜中に遠出して、例えば日の出を見たら、即地元に戻る。そういう”思い出作り”を頻繁におこなうらしい。 
     遊びはパチンコ・パチスロ。スマホは一応持ってるがLINEなどの仲間内での連絡手段として使うだけなので、IT機器には疎い。老人並み。ネット検索をして、お得な情報を自分で探そうとしない。
     
     働くなら地元がいい。結婚相手も地元がいい。なぜなら気の許せる仲間が地元にはいるから。地方都市の同窓意識みたいのが、都心に近い場所でも見られるようになったようだ。しかし地方都市の人は都会に出て、一旗揚げて、故郷に錦を飾りたいといった願望を少なからず持っていて、帰るべき故郷としての地元なのだが、都心にいるマイルドヤンキーの地元感は居心地のいい場所にずっといたいという地元なのだ。似て非なるもの。
     
     まあ、人の生活スタイルに口を挟めるような立場にはないが、なんだその夢のない生活は、と思ってしまう。上昇志向というものが欠如している。巣立ちたくない子供たちに見える。
     昔のヤンキーだったら、もう卒業だ、自分が変わらなければって意識を変えるときが訪れただろが、このマイルドヤンキー世代は自己肯定感が甚だしい気がするので、たぶんそういう時期はこない。


     著者はこのマイルドヤンキーが現代のお金を使わない若者世代の中では、お金をよく使ってくれる優良消費者だという。おそらくそうだと思う。お酒は飲むし、タバコ吸うし、郊外の大型ショッピングセンターを夢の国のようだと形容し、家族や仲間と頻繁に訪れては、そこでお金を落としてくれる。いい消費者だ。


     確かに企業から見れば良いターゲットだけど、本人たちはカモと思われていることに気づいてないんだろうな。


     どう見ても、この生活スタイルって貧困予備軍にしか見えないんだけど。

  • タイトルはアレだけど、地元とその仲間の繋がりを大事にする“マイルドヤンキー” のインサイト。面白く納得感あった。 …沖縄の出張タイミングに読んだからとか、そんなのカンケーねー! はずだ。

  • うちの妹たちはマイルドヤンキーで、
    地元で稼いで地元で使って、
    それで幸せだから幸せ。
    私がいた時だけはネットショッピングしてたが
    異常にITを恐れている…

  • マイルド化。

  • 2016年6月20日読了。80〜90年代のヤンキー、00年代のチーマーが長引く不景気・ネットの発達などを受けて進化したヤンキー3.0、「マイルドヤンキー」の行動様式と、潜在的な消費力を抱える彼らに訴えかける商品とは何か?を示唆する本。5km四方の地元で小中からの同級生と永遠につるんで生きることを望むマイルドヤンキーたちの姿には団塊ジュニア世代としては唖然とした思いもあるが、「地方には友達もいるし何でも買えるのに、なぜ東京や海外に行く必要があるのか?」と正面から問われると確かに答えに詰まる気もする。ITリテラシーも低く「めんどくさい」ことをやろうとしないマイルドヤンキーには「メルカリ」などのアプリはまさにうってつけだし、企業側も彼らにサービスを売るための戦略を既に実践しているのだろう。現代社会にうまく適応した姿がマイルドヤンキーになるのか、では自分たちの子どもの世代はどうなるのか…?

  • 少子高齢化の影響で若者の数が少なくなっている上、その若者世代を中心に消費が伸び悩んでいる現代社会。しかしながら企業はモノやサービスが売れてくれないと困るので、色んな方法でモノを売ろうとするわけで、その手助けをするのがいわゆる広告代理店とかである。

    この本の筆者は博報堂という日本を代表する広告代理店勤務のマーケティングプランナーなんとかの人である。消費を拡大するためにトレンドだの流行だのを追っかけたり作り出したりする人である。

    この人が目を付けたのが、マイルドヤンキーと位置付けされる若者たち。姿かたちはヤンキー文化を継承しつつ、もっと平和でギラギラとしてなくて地元と地元仲間を愛しているようなそういう連中である。そういう連中は、若者の中でも金を使いそうだから、どういう風に財布の紐を緩めてやろうか…そういうことを考えている本である。

    アルファード乗ってるヤツとか、イオンのフードコートで走り回っている子供と同じ服着て「静かにしー言うてるやろ」とアイス舐めながら注意してるオカン一家とか、コンビニの前で半ケツ見せながら紙パックのいちごミルク呑んでる死んだ目した毛髪の茶っぽい集団とか…、そういう連中の財布をどないかしてムシったろ、って目の付けどころはオモロいと思うが。

    なんか、下衆いなぁとも思う。ニーズを開拓する、売れる商品をリサーチする…確かに、そういうことなんだろうけど、ほっとてくれや、ほっとってやれやって気持にもなる。

    砂場で無心に山作って遊んでたら、大人が入ってきて「こういう風に作りなさい」「○○ちゃんより大きいの作って」「はい、スコップも使ってね」ってやられると白けてしまう、あの感じ。

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著者プロフィール

マーケティングアナリスト

「2022年 『Z世代に学ぶ超バズテク図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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