ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344983366

作品紹介・あらすじ

「若者がモノを買わない」時代、唯一旺盛な消費欲を示しているのがヤンキー層だ。だが、ヤンキーとはいっても鉄パイプ片手に暴れ回る不良文化は今は昔、現在の主流はファッションも精神もマイルドな新ヤンキーである。本書では密着取材とヒアリング調査により、「悪羅悪羅系残存ヤンキー」「ダラダラ系地元族」に分化した現代のマイルドヤンキー像を徹底解明。「給料が上がっても絶対地元を離れたくない」「家を建ててはじめて一人前」「スポーツカーより仲間と乗れるミニバンが最高」など、今後の経済を担う層の消費動向がわかる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 広告代理店勤務の著者が流行語を狙ったとしか思えないような内容の薄っぺらさに驚く。
    世代論を語るのなら、対象世代以外との比較があってしかるべきだし、対象世代を論じるには調査母数が少なすぎるという中途半端なトンデモ本です。
    細かく分析しながら、結局何も生み出さない本、とは言いすぎでしょうか?

  • あれ?この表紙岩波新書?と一瞬思ってしまうが、幻冬社新書である。

    昔、不良と言えば私の中では、横浜銀蝿と風雲たけし城に出てくる的場浩司率いる「バックれんなよ」のイメージだったのだが、おばさんになり勤めはじめた中学の俗に言うワルな子たちはエグザイルみたいでなんかホストみたい?かつてのあの不良たちは?この30年ほどに何が?と、経済の部分はさて置きその変遷がとても気になっていたのだが、本書を読んで大人の世情や経済的要因が、多感な時期の子どもに与える影響も垣間見えた。

    子どもの頃、深夜、ヴーンヴーンという騒音が遠くから聞こえて目が覚めることがしばしばあり、あれは近くの産業道路を爆走する暴走族の爆音だったのだ、と随分後になって気がついたのだが、今はその暴走族もほぼ姿を消した。
    本書の中の対談で、筆者の友人の元暴走族のK君が「変な言い方だけど、暴走族がいると悪いことが減るんだよ。暴走族が一軍だとすると、二軍、三軍の不良は、一軍が怖いからそこまで悪いことができなかった。今は一軍の暴走族がいないから、二軍、三軍が遠慮なく悪いことをしちゃってる。」と言っているのが印象に残った。

    筆者がちょっと上から目線で書いている気がして、そこが引っかかる。2019.1.20

  •  原田曜平著『ヤンキー経済――消費の主役・新保守層の正体』(幻冬舎新書)『さとり世代――盗んだバイクで走り出さない若者たち』(角川oneテーマ21新書)を読了。仕事の資料として読んだもの。

     博報堂の「若者研究所」でリーダーを務め、最近はテレビの「ZIP!」のコメンテイターとしても知られる著者が、日頃の研究をふまえて「いまどきの若者」の素顔を紹介する2冊。

     前者はいわゆる「マイルドヤンキー」(著者はこの概念の提唱者)の世界に踏み込んだもので、後者は大学生たちへの取材から「さとり世代」の実像を解き明かしたもの。
     マイルドヤンキー層がおおむね中卒・高卒で、後者に登場するのは上位ランクの大学生たちであるから、2冊を併読することで「いまどきの若者」の全体像が見えてくる。

     2冊が扱う若者たちはおよそ「階層」が異なるわけだが、読後の印象は不思議なほど似通っている。それは、「いまどきの若者って、ずいぶんこぢんまりと落ちついちゃってるんだなあ」という印象だ。

     マイルドヤンキーたちは、昔のヤンキーたちのように「BIG」になることを目指さず、生まれ育った地元の世界でこぢんまりと生活している。
     「さとり世代」の大学生たちも、分不相応な野心など抱かず、バブル世代のような見栄消費もしない。
     いわゆる草食系男子だけが「草食化」しているのではない。ヤンキーも、若い女の子たちも「草食化」傾向にあるのだ。

     実際のマイルドヤンキーたち、さとり世代の大学生たちの発言のいくつかに、目からウロコの落ちる思いを味わった。たとえば――。

    《メリット、デメリットで考えると、恋愛のメリットがよくわからない。

     盗んだバイクで走り出したい欲望っていうのが、何を求めての欲望なのか、さとり世代にはよくわからないです。

     今は海外も日本も、生活様式って大して変わらない。景色しか変わらないんだったら別に(海外に)行かなくてもいいかなって思っちゃうんですけど。(『さとり世代』より)》

    《「日の出(町)の若者にとって、イオンは夢の国。イオンに行けば、何でもできるんです」

     「給料が5万円上がれば、生活満足度が100点になる」(『ヤンキー経済』より)》

     ううむ……。

     私は、若いころの自分が「草食系男子のハシリ」だったと思っている。自動車にもブランドものにもまったく興味がなかったし、自分が若者だったバブル時代にはバブル的消費に熱狂する同世代が理解できなかった。
     だから、草食系男子たちにはわりとシンパシーを覚えるのだが、そんな私でさえ、いまどきの若者の“こぢんまり感”には驚かされた。

  • 「これからの消費を支える大切なお客さま」的な言い方をしている割にマイルドヤンキーに対するリスペクトが微塵もない。
    人の意思や行動をヌーの大群のそれと同様に捉え、その向かう先を予測するマーケティングという分野が、少し怖い。
    調査結果が身近なマイルドヤンキーの考え方を見事に言い当てているその鋭さも、また怖い。

  • 40歳近いおっさんが、「最近の若いもんは…」と言ってるだけの本です。
    マーケティングがどうとか、消費がどうとか言ってるわりに、マイルドヤンキーとやらが人口の何割で、市場規模がどれぐらいと推定されるのかさえ書かれていません。
    自分とは異なる価値観を持つ若者をバカにしてるだけの著者が、リーダーを務める若者研って、どんなサークルなんだろうか?

  • 色々と話題ですが。
    「自社商品を若者たちにヒットさせるヒントを掴んで頂ければ幸いです」(P.32)という一文が端的に表しているように、社会学でもなんでもなくてマーケティング本。

    "若年層にモノが売れなくて困りますよねぇ。ホントいまの若い子って僕らの頃とは違って理解に苦しみますよ。モノが売れないのも我々(売る側、広告代理店)が悪いんじゃないんですよ。"と仰りたいらしい。

    マイルドヤンキーと定義した層を徹底して馬鹿にしているのが覗えるで、マーケティング本としても如何なものかと思う。

    こういうのは博報堂内部で完結させとくべきなのでは? 駄文。社名を出して上梓することを許可しや上司と担当編集者の見識を疑う。

  • 時代が懸念していたのとは逆の保守的な層があるというような話なのだけれど。時代の衣を着てはいるが突飛な話に思えなかった。割とオーソドックスな日本人論に見える。見立てや括りとしては面白い幸福度が高いであろう点も見逃せない。あとはそれでいいのか? というような疑問を適切に持てるかどうかだと思う。幸福を感じつつ、それを脅かす資本家サイドの横暴にどう抵抗し、良識ある生活を意識できるかただ、トレンドがそれを証明しているように見えるがそれ故に、風船のような軽さを感じるのが微妙な所。博報堂の人らしいマーケティング分析はこんな風に分析しているのかという感じだった。こういう世帯、世代が増えるのかわからないけれどいい面悪い面という意味ではわかりやすかった。

  • マイルドヤンキー。って言葉の意味は教えてもらってから読んだから、すごく面白かったw

    ショッピングモールは夢の国。
    EXILEが絶対的な人気。か〜笑

    選択肢が多い事が苦痛とか…面倒くさい…とか
    地元の友達の評価が絶対‼︎ッて言葉が沢山出てきて印象的でした。

    私も自分の世界が狭い方だけど…ここまで地方のマイルドヤンキーの世界観が狭いとは…ビックリ‼︎‼︎

    地元で同級生と結婚して、子供を自分の通ってた学校に行かせ…同級生の友達の子供と仲良くさせたい……って……その環境で育った子供は今度何ヤンキーに成長するのかしらΣ( ꒪□꒪)笑

  • 前評判では、著者はそういう世界とこれまで隔絶されていたが故に今になってマイルド・ヤンキーを発見したと思っているようだが、そういう層は昔から居たのだ、というような反論も目にしていたのだが、いや、その反論って、この本は読んでないで書いたんじゃないか?という微妙なズレを感じますね。
    ヤンキー3.0としてのマイルド・ヤンキーという世代論もあるし、「電車に乗れない」などの(本当かどうか鵜呑みにはできないけれど)特徴とか、結構、新しい知見を書いていると思うわけで。
    でも、読み終わって、本屋さんがつけてくれたカバーをとり、そこで見つけた著者近影が一番のオチというすごい本。原田さんコワいっすよ。

  • 読み物としては面白かったが、これでもってこれからの消費行動を語るのは乱暴すぎる。「調査にあがってこない層=潜在的な消費層」は正しいが、「この層がこれからの消費のマスボリューム」は勇み足。本著の調査とは別の調査をしないとそれが検証できないことぐらいわかるよね?

    一昔前、渋谷のごく一部の女子高生を見て当時の若者像の捏造していたのと同じことが今でも平然と、というかドヤ顔で語られているのを見ると辟易する。
    木を見て森を語るこの感じ、これぞ博報堂!

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著者プロフィール

マーケティングアナリスト

「2022年 『Z世代に学ぶ超バズテク図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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