- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344983687
作品紹介・あらすじ
日本から飛行機で約6時間半、オーストラリアの少し北に位置するパプアニューギニアでは、現代人が想像もできない世界が繰り広げられている。たとえば黒魔術。2013年には20歳の若い母親が裸にされて火をつけられる「魔女焼き殺し事件」がニュースとなったが、復讐や呪いなどの呪術がいまだに存在している。一方で、お金として貝殻が使われていたり、親族の頭蓋骨に化粧を施して一緒に暮らしたり、祖先がカマキリだと信じている村もあるなど、思わず笑ってしまう文化も息づいている。日本人の常識が根底から覆されながらも、人間として大切なことに気づかせてくれる一冊。
感想・レビュー・書評
-
昔ダイビングに行った時の印象が強烈だったので、もっと知りたいと思って随分前に入手していた本。
が、しかし観光旅行雑誌の抜粋かとも思える薄っぺらで断片的な記事。異文化を理解しようとする姿勢も掘り下げもなく自分の文化的尺度のみでもって評価するチャラい内容。太平洋戦争時の飢餓状態に落ちいった日本兵が人肉を食べたことについては「もしセピックの首刈り戦士と食神の話をする機会があったなら、文化としてそれを受け入れている人々の価値観に、少しは彼らの罪の意識も薄らいだのではないかと私は想像した。」とのこと。バカか。今まで読んだなかで最低の紀行文だ。自分の見る目の無さに茫然とする。読みたい本はいっぱいあるのに、人生であと何冊読めるか見えてきてしまったこのタイミング。本はもうちょっとちゃんと選ぼう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/691770 -
読了。前半の、パプアニューギニア文化に触れている部分が面白かった。
トーライ族の社会では今も貝のお金(ナッサ貝という小さな貝。束ねてある。)が使われているという話が興味深かった。日常の買い物で使うわけではないものの、公立学校の授業料等はこれで支払えるし、銀行もあるという。冠婚葬祭はむしろ現金(通貨単位:キナ)は失礼だという。
結婚式のご祝儀はなんやかんや振り込みにはならないものね、分かるよ…と思いながら読んでいた。
尚、この貝はそこらへんで拾える類のものではないらしい。それでこそ貨幣。
通貨単位:キナは「貝」という意味らしいが、漢字でもお金関係は貝へんがついているし、人類ですねという気持ちになった。 -
これから開発で賑わいそうな国だけど、素朴な国民性が残ってるうちに行ってみたいなあ
-
内陸部は二十世紀になるまで、文明との接触がなく、石器時代の文化を保っていたのだとか。コミュニケーション手段が、叫ぶから携帯電話へって、一体どれだけのステップを飛ばしたのだろうか。それゆえに、貧富の差も拡大、文明化の恩恵を受けている者とそうではない者の差も激しく、社会的な不満が、悪いことが起これば黒魔術のせい、という考え方も根深く、立場の弱い女性に向けられることもある、たとえば「魔女焼き殺し事件」など。よそ者への排斥感も根強いが、一度身内と認識されれば底意なく親切にしてくれる、と。さまざまな独特の文化が保たれ、興味がつきない。黄色い顔の上にのった巨大なカツラ、ウィッグマン、など。「トクサベ」という関係ない周囲の人に伝言をたのむ習慣。米を食べるのがかっこいいという新しいライフスタイル。資源国家として未知数の可能性を秘めており、経済発展の余地も大きいと。