人間の煩悩 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344984288

感想・レビュー・書評

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  • 佐藤愛子さんって強くてチャーミングな方だな。笑顔の写真も心から楽しそうに笑っていて連られて笑顔になってしまう。配偶者の借金を背負ったりと苦労もされたうえで人間味も増してきたのかもしれない。第1章の「人間とは」で著名人のことがいろいろ書かれているのが興味深かった。

  • 図書館で借りて読んだ。
    著者の過去の作品から、抜粋した話。
    いろんな考え方に触れることが大切なんだろう。
    共感できる部分と、そうでない部分があるが、そんなもんだろう。

  • 愛子さんの著書に外れはない!次回も期待!!

  • 93歳の佐藤愛子氏が今まで書いてきたエッセイ等を抜粋してまとめたもの。特に年をとってからの文章が多く掲載されており、老人の視点に驚かされることがあった。ユーモアたっぷりの面白い内容であった。ぬるま湯に漬かったような、厳しさのない時代に憂慮していることが、一番言いたいことのようだった。
    「私は時々、講演に出かけるが、最近、かつては経験しなかったことを経験するようになった。そのかつてなかった経験というのは、一時間半の講演をした後、一杯のお茶も飲ませてもらえぬままに帰されることである。こういう口にするのも情けない話が、今は世間に渦巻いている」p48
    「最初に気取っていいところばかり見せておくと、あとあとボロを出すまいとして緊張し続けなければならない」p50
    「通信機能の進歩の波はあっという間に大津波のように我ら年寄りに押し寄せ、(ファックスに電話し続けた)話などもう笑い話にもなりはしない。竜宮城でいい思いをしたわけでもないのに、いつか浦島太郎になっている我ら」p165
    「どうもまだ死にそうにない。それならそれで仕方ない。カラ元気を出して生き続けるしかないと心に決めた」p176
    「十分生きてきたのだ。死んでもいいと思っている者を無理やり検査漬けにして生かそうとするのは僭越じゃないか、と私は言いたい」p181
    「若い頃、「あのうるさい親爺さんも年をとって丸くなりましたねぇ」などという言葉を耳にしたが、「丸くなる」ということは人間が出来て角が取れたのではなく、単にエネルギーが枯渇してきただけのことであったと、今にしてわかる。なにも感心するほどのことではなかったのだ」p186

  • 佐藤愛子節満タン。彼女の人生は「損をするまい」として生きたいだ。さらにこうも書いてある。「損得で生きる人生は不幸」。ああああ!僕は何て不幸な人生を送ってきたことか!こんな項目もある「愛される老人になんかなりたくない」
    彼女はこう言い放つ「私はそんなことを考えてまで愛されよとは思いませんよ!私は孤独に徹します。わかる奴はわかる。わからぬ奴はわからなくていい!私はそう思っています」
    僕もキップいい言葉を言ってみたい。

  • これまでの出版からの抜粋。

  • 佐藤愛子の過去の小説やエッセイなどのフレーズを臭出したもの。

    佐藤愛子の素顔やパーソナリティを知ることができて、ファンには楽しめるかと。

  • 理路整然と感じた無さことを率直に述べられる。煩悩をおかしく痛快にちょっと考え深く表現されている。

  • 【最終レビュー】

    予約著書。約、半年弱待ち・図書館貸出。

    今、旬の女性作家を挙げるとしたら

    一番に、佐藤愛子さんとキッパリ言い切れるぐらい…

    ◇昨年・11月既読:九十歳。何がめでたい

    *既読レビュー

    http://booklog.jp/users/sapphire913/archives/1/4093965374

    ◇二冊目・既読レビュー

    昨年11月・既読:ああ面白かったと言って死にたい―佐藤愛子の箴言集

    http://booklog.jp/users/sapphire913/archives/1/4759312668

    これらの既読著書の土台があったからこそ

    今作、こうして短期間で既読できたのかもしれません。

    《愛子さん流:『喜怒哀楽を一つ二つ、培った人生』並びに、あらゆる時事に精通している『見識の広さ』》

    グサリ、時には、客観的に、時には、エネルギッシュさ全開の叱咤激励が存分に込められた

    『究極に溢れたメッセージの数々』

    自分の中で、何度も何度も繰り返し、ただただ頷くだけでした。

    まさしく

    『賛同の嵐が吹き荒れている』かのように…そんな想いでただ、読み進めていました。

    普段、心底で淡いながら感じつつも抱えてこんでいた『率直な想い』

    《十二分に代弁して頂いた》

    至ってそれだけなんです。

    既読した金美齢さんと同様

    《肝が据わり、芯の強い女性でありながらも、懐深さが備わった『心構え』》

    普段からしっかりと植え付けている。

    だからこその

    [表紙裏での万弁の笑顔]といった感じと

    同時に『清々しさ』さえも覚えるぐらいに

    怒り、心強く、優しく問いかける

    《愛子さんワールド・フルに全開!》

    とことん伝わってきました。

    ラスト、ネタバレに触れない程度に

    インパクトの高かったキーを幾つか挙げながら、レビューを終えます。

    *平等はない!

    *傲慢に対する怒り爆発!

    *優しさ=4つの○○力で『培っていくもの』

    *精神の強さ:4つのコマを土台に、どう、折り合いをつけるか

    *愛子さん流:カッコいい男とは…

    *思い込みの恐ろしさ

    *愛子さん流:イジメ撃退法・人の『死』とは…

    *感性の有無による明確な『差』

    《わかる奴はわかる!わからぬ奴は、分からなくていい》

    愛子さん、本当にありがとうございました…

  •  人として長く生きている人に尊敬の念を持てなくなったこの世の中、それでも言いたいことは言うという精神に感服する。

     これだけ勢いのある老人がこの国にはもっといるはずなのだが、このご時世成りを潜めてしまい残念で仕方がない。

     本作でいえば本当の著者の念をとらえるのは難しいだろう編集の作為も感じられる。

     改めて著者の本を一から読んでみたいと思わせるようになったのは編集の力によることだろう。

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著者プロフィール

大正12年、大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。昭和44年、『戦いすんで日が暮れて』で第六十一回直木賞を受賞。昭和54年、『幸福の絵』で第十八回女流文学賞を受賞。平成12年、『血脈』の完成により第四十八回菊池寛賞、平成27年、『晩鐘』で第二十五回紫式部文学賞を受賞。平成29年4月、旭日小綬章を授章。近著に、『こんな老い方もある』『こんな生き方もある』(角川新書)、『破れかぶれの幸福』(青志社)、『犬たちへの詫び状』(PHP研究所)、『九十歳。何がめでたい』(小学館)などがある。

「2018年 『新版 加納大尉夫人 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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