人間の煩悩 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344984288

感想・レビュー・書評

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  • メルカリ売却

  • 死後の世界がとても興味深く拝見しました。

  • ごく大雑把に、結婚の罪の方をいうなら、まず自由がないことだろう。独身者はすべての時間を自分のものとして使うことが出来る。だがその自由の代わりに、孤独がある。孤独の中には自由という蜜があるが、同時に緊張(意識するしないにかかわらず)を伴っている。独りぼっちはうっかり病気になれないのである。メリット・デメリットは表裏一体をなしている。
    連れ合いに死なれたら女はみんな若くなる。ところが連れ合いを失った男はみな老け込んでいる。
    不運より脱出する運命の法則
    ・今日一日、親切にしようと思う。
    ・今日一日、明るく朗らかにしようと思う
    ・今日一日、謙虚にしようと思う。
    ・今日一日、素直になろうと思う。
    ・今日一日、感謝をしようと思う。
    これを毎日見で実践する。
    人間の大脳は右脳と左脳に分けられていて、左脳は物質の世界、右脳は精神の世界に対応する能力がある。現代人の右脳はよく働かなくなっていて、左脳人間ばかり増えている。物質の世界の価値観で育ち、理論や権利意識ばかり肥大する教育を受けてきた結果である。右脳(精神の世界に対応する能力)に5か条をインプットする必要がある。
    老人の価値は若者よりも沢山の人生を生きていること、失敗した人生も成功した人生も頑固な人生も、怠け者の人生もそれなりに人生の喜怒哀楽を乗り越えてきた実績を抱えている。
    人はいつか病み衰え死ぬ。どんな健康法を実践したところで、くるものはくる。健康法を実践したから長命と言う事はない、長命な人は自然に逆らわずに生きたために長命なのにちがいない。健康法のおかげで癌を防いだとか、癌の苦痛が全く無いのは健康法のおかげです、ということがあるのならともかく、何をしていても癌になる人はなる。なる時はなる。死ぬ時がくれば人は死ぬ

  • 「人間とは ?」・「人生とは ?」そして「あの世とは ?」など6つのテーマを論じながら、結局は「悩みの量こそが人間の深さ」と説くのは、大正時代に大阪で生まれた小説家で、日本の戦後ヒット曲第1号『リンゴの唄』の作詞でも知られる詩人のサトウハチローを異母兄に持つ佐藤愛子さん(95歳)。最初の夫はモルヒネ依存症となり死別、次の夫は事業が倒産して借金を肩代わりの末に離婚と、「目の前を生きるだけで精一杯」だった 波瀾万丈の日々を振り返る。 本書は過去に出版された小説・エッセーなど50冊にも上る作品の中から、ご本人お気に入りの珠玉の言葉・文章を抜粋して一冊にまとめたもので、煩悩から抜け出して元気よく生きるためのエッセンスが詰まっている。

  • 書下ろしではなく今まで書いてきたエッセイを集めた本なんですね。

    佐藤愛子さんの文章を読んだのは初めてですが歯切れのよい文章で読んできて気持ちが良いです。

    「ある時はあるように生活し、ない時はないように生活する…」という言葉は心にグッと響きました。

  • 読んでいて気持ちがいいくらいサバサバしている。

  • 佐藤愛子さんって強くてチャーミングな方だな。笑顔の写真も心から楽しそうに笑っていて連られて笑顔になってしまう。配偶者の借金を背負ったりと苦労もされたうえで人間味も増してきたのかもしれない。第1章の「人間とは」で著名人のことがいろいろ書かれているのが興味深かった。

  • 図書館で借りて読んだ。
    著者の過去の作品から、抜粋した話。
    いろんな考え方に触れることが大切なんだろう。
    共感できる部分と、そうでない部分があるが、そんなもんだろう。

  • 愛子さんの著書に外れはない!次回も期待!!

  • 93歳の佐藤愛子氏が今まで書いてきたエッセイ等を抜粋してまとめたもの。特に年をとってからの文章が多く掲載されており、老人の視点に驚かされることがあった。ユーモアたっぷりの面白い内容であった。ぬるま湯に漬かったような、厳しさのない時代に憂慮していることが、一番言いたいことのようだった。
    「私は時々、講演に出かけるが、最近、かつては経験しなかったことを経験するようになった。そのかつてなかった経験というのは、一時間半の講演をした後、一杯のお茶も飲ませてもらえぬままに帰されることである。こういう口にするのも情けない話が、今は世間に渦巻いている」p48
    「最初に気取っていいところばかり見せておくと、あとあとボロを出すまいとして緊張し続けなければならない」p50
    「通信機能の進歩の波はあっという間に大津波のように我ら年寄りに押し寄せ、(ファックスに電話し続けた)話などもう笑い話にもなりはしない。竜宮城でいい思いをしたわけでもないのに、いつか浦島太郎になっている我ら」p165
    「どうもまだ死にそうにない。それならそれで仕方ない。カラ元気を出して生き続けるしかないと心に決めた」p176
    「十分生きてきたのだ。死んでもいいと思っている者を無理やり検査漬けにして生かそうとするのは僭越じゃないか、と私は言いたい」p181
    「若い頃、「あのうるさい親爺さんも年をとって丸くなりましたねぇ」などという言葉を耳にしたが、「丸くなる」ということは人間が出来て角が取れたのではなく、単にエネルギーが枯渇してきただけのことであったと、今にしてわかる。なにも感心するほどのことではなかったのだ」p186

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著者プロフィール

大正12年、大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。昭和44年、『戦いすんで日が暮れて』で第六十一回直木賞を受賞。昭和54年、『幸福の絵』で第十八回女流文学賞を受賞。平成12年、『血脈』の完成により第四十八回菊池寛賞、平成27年、『晩鐘』で第二十五回紫式部文学賞を受賞。平成29年4月、旭日小綬章を授章。近著に、『こんな老い方もある』『こんな生き方もある』(角川新書)、『破れかぶれの幸福』(青志社)、『犬たちへの詫び状』(PHP研究所)、『九十歳。何がめでたい』(小学館)などがある。

「2018年 『新版 加納大尉夫人 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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