自責社員と他責社員 (経営者新書 31)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344998728

感想・レビュー・書評

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  • 何か問題が起きたときに、自分にも責任の一端があるのではないかと考える「自責思考」。

    これの大切さは言うまでもない。
    自責の視点を持つことで、これまで「しょうがない」で済ましていた事に対して、本来出来たかもしれないことが見えてくるからである。

    だが、なかなか自責思考を身につけるのは難しい。
    事が起きたときに、どうしても人は他人に責任を求めがちである。


    では、なぜ人は自責になれないのか。
    本書では、それには5つの阻害要因があるとしている。

    「認識の欠如」
    それも自分の責任範囲である、という認識がない。

    「行動の欠如」
    問題に気づいても、それを解決しようと動かない。

    「知識の欠如」
    問題に対処したいが、どう解決すればいいか分からない。

    「仕組みの欠如」
    問題の解決法を、他の人から教えてもらえる仕組みがない。

    「諦めの支配」
    上記の失敗が続いた結果、「どうせ上手くいかない」と諦めるようになってしまった。

    もし自分が自責になっていないと思った時には、どの要因に当てはまっているかを考えてみるのがいいだろう。
    そうすれば、解決の道が開けるはずだ。


    本書は、自責思考の大切さと、それをどう身につけるかが書かれたものである。

    経営コンサルタントでもある筆者は、社員というリソースを、上手く使えば成功する「魔法の杖」だと言う。

    カネやモノを増やすことは難しい。
    だが、人は成長する。
    昨日まで役に立たなかった社員が、ポテンシャルを発揮するだけで、驚くほどの成果を上げることもある、と。

    そのための第一歩が、他責思考を自責思考に切り替えるということなのだろう。


    自分はこの「自責思考」が非常に苦手で、少しでも改善できればと思い、この本を読んでみた。
    中でも、先述の「5つの阻害要因」の部分が特にためになった。

    正直本を1冊読むくらいでは、性根はそんなに変わらないと思う。
    だが、他責になっていると気づいたときに、一旦落ち着いて「自分がどの要因に陥ってるのか」を冷静に考える所から始めたい。

  • 他責社員というのはどの会社にもいるものだが、他責になるのはその人のパーソナリティによるところが大きいと考えていたのだが、この本を読んでそうでもないと思えたことが本を読んだ収穫だった。
    他責的になる阻害要因は
    ・認識の欠如
    ・行動の欠如
    ・知識の欠如
    ・仕組みの欠如
    ・あきらめの支配
    この阻害要因があると、だれだって多かれ少なかれ他責的になるという。
    特に上司の立場から考えると、仕組みの欠如や知識の欠如をどうにかして解いてやれば、改善思想なフシもあるので試してみたいと思った。

  • 同じことの方が楽だから、新しい行動が欠如する
    目線が高いからこそ、目標も高くなる

  • 人は、何か問題が起こると、
    問題の原因を自分の外側に求めて、
    その解決を他人に期待しやすいものです。

    他人のしたことだからしょうがない
    という無関心やあきらめの気持ちを持ちます。

    これが他責思考です。

    自責思考は、自分にも責任の一端があるのではないか
    と考え直すための仕組みです。

    そして、会社は一人ひとりの
    やる気しだいで大きく変わります。


    本日ご紹介する本は、

    自責思考を会社全体に根付かせる
    方法を論じた1冊。


    ポイントは
    「チーム思考」

    スポーツの団体競技では、
    負けたのは1人だけの責任である
    ということはまずありません。

    大きな視点で考えると
    負けた責任の少しは全員の個々のメンバーにも
    あるはずです。

    会社でも、すべての社員が自責の思考をもっていれば、
    会社に起きる問題の責任は全社員にあります。


    「行動は成果につながるのか」

    言われた仕事をやるのは当然ですが、
    その仕事は本当に成果につながる行動なのか
    を考えることは重要です。

    行動に移す前に、仕事の目的を
    よく確認してみましょう。

    わからなければ、仕事を依頼した人に聞くのが一番です。

    当たり前なことのようですが、
    なかなかできていないことも多いです。


    「問題」

    問題というのは目標と現状との
    ギャップのことです。

    目標やあるべき姿が明確でないと、
    問題にはなりません。

    まず、あるべき姿がほんとうに明確に
    思い描けているか確認した上で、
    日々、あるべき姿と現状を
    認識しながら仕事を進めることが重要です。


    ぜひ、読んでみてください。



    ◆本から得た気づき◆
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    会社の業績は、社員のやる気次第で大きくかわる
    多くの人がする過ち=問題発生の原因を自分の外側に求めて、解決を他人に期待すること
    「どうするのか」、や「何をするのか」 ではなく、「何のためにするのか」から決めるようにする
    管理者がプレーヤーになっている場合は、問題のへ原因追及や解決といった行動に至ることはない
    すべての社員が自責の思考をもっていれば、会社に起きる問題の責任は、全社員にある
    会社の中の自分の役割を認識し、その役割にあった目標を持ち、その課題を認識している人はごくわずか
    指標を数字に換算することで、何をどのように行動すれば良いかも、具体的な数値となって見えてくる
    会社に自力で問題解決をして業務を改善していく力を組み込むことを最終的な目標としている
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ◆目次◆
    第1章 「他責」の思考を招く5大要因とは?
    第2章 自分の会社の現実をえぐる
    第3章 あなたの自己変革が会社を成長させる
    第4章 会社成長ソフトをインストール
    巻末資料 APIコンサルタンツのプロジェクト事例
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ◆マインドマップ◆
    http://image02.wiki.livedoor.jp/f/2/fujiit0202/18da9d261d194077.png
     

  • 上司に勧められて読んでみました。

    本著は、マネジメントの立場にある人が、どのように振る舞えば社員のやる気に火をつけることができるかについて書かれております。

    内容的には、一般的なことが書かれておりますが、改めて言われると「できていないこと」が多く、そういった点で気づきが多かったです。以下、特に自分が気になった点を記載します。

    ・目標達成を阻む5つの阻害要因
     ①認識の欠如
     ②行動の欠如
     ③知識の欠如
     ④仕組みの欠如
     ⑤あきらめの支配

    ・HOW、WHATではなく、WHY(何のためにするか)から考える

    ・ストレッチしたいと思うかどうかは、より高いところを見たいと本人が思っているかどうか

    ・仕事がうまくいっているかどうかの基準は、目標を設定して、それに対する達成度で測るべき

    ・部下に何をどこまでやって欲しいか具体的に指示を出しているか

    ・目標と結果と行動、そのいずれかが欠けても結果を残せない

    ・目標は、必ず数値で表現すべき

    ・上司の仕事は、部下に仕事をさせ、部下に目標を達成させ、部下を成長させること

    ・マネジメントとはいちいち指示をしなくても、自分で考えて組織のために動くことができるように部下を成長させること

    ・あるべき姿と現状とのGAPが、解決されるべき問題

    ・まずは、「自分の伝えたいこと」を脇におき、「相手にどのように反応してもらいたいか」から考えること

  • 他責を排し自責になろう、は旬な身近のキーワードでもある。
    会社ではメンバーに自責化を強く求めてもいる。
    翻って自分はどうか?自責を意識はするものの、他責になってはいないか。
    「なぜ自分の管轄下にある部署に問題が起きているのかと問わねばなりません。その答えは最終的にはあなたのマネジメント不足となって返ってくるはずです」
    このフレーズはぐさりと心に刺さった。

  • 勧められて一読。

    よく言われることだし、
    コンサルタント独特の超客観的な話に終始するんかな?
    とその程度の期待で読んでみる。

    と、切り口の面白さはもちろんのこと、
    具体的な話も盛り込まれており、すいすい読んでしまった。
    面白いし、きっと明日からの働き方を、まず自分から見直していこうと思える一。

    気づけば、いや~○○だから...というのが口癖になってるあなたに贈りたい一冊。

  • 君子はこれを己に求む、小人はこれを人に求む。普遍の定理だと思う。組織の中では他責思考が多く、そのため問題は解決されない。
    組織作りの阻害因子は、認識の欠如、行動の欠如、知識の欠如、仕組みの欠如、それらによる諦めの支配である。

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著者プロフィール

1930年東京生まれ。日本道路公団勤務を経て、国際文化会館の理事。1991年外務大臣表彰。

「2008年 『地球建築士 国際交流・協力の五十年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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