- Amazon.co.jp ・本 (119ページ)
- / ISBN・EAN: 9784378014777
感想・レビュー・書評
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南アのアパルトヘイトが撤廃された頃は、ベルリンの壁が崩壊し、日本はバブル経済に翳りが見えはじめ、世は激動の時代だった。まだネットも普及しておらず、南アはあまりにも遠く、テレビの中の出来事だった。
この物語は113ページと短いながら、アパルトヘイト下の黒人達がどれほど過酷な生活を強いられていたか…まるでナチス時代の収容所のようだ。
現在も虐げられた環境に生きる人達は沢山いる。情報が溢れる中、私達が気付こうとしないだけで。2019.7.6
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アパルトヘイト下での、子供の目覚め。
こうして少しずつ、人の考えは変わっていき、社会はもっと少しずつ、でも、変わっていくのだと知る。
読みやすく、短いながらも、読み応えがある。
抑圧された世界で旅がもたらす効果も分かりやすい。 -
いつの時代でも差別はある、人間としての価値を問われる
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アパルトヘイト時代の南アが舞台。アパルトヘイト、知ってるようで知らなかった。
病院で亡くなった赤ちゃんを若い黒人のお母さんがビニール袋に入れられて返されるシーンとか、小学生が”私は料理・洗濯ができます、忠実な僕より”とかいう内容の手紙を書かされるとか。 -
アパルトヘイト下の南アフリカ。まだ赤ん坊の妹が病気になったが、病院は遠く医者をよぶこともできない。「母さんさえ、いてくれたら」13歳の姉ナレディと4つ下の弟ティロは、母が住み込みで働く街に向かう。300キロもはなれたヨハネスブルクで…。
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資料番号:020185716
請求記号:933ナ -
アパルトヘイト下の南アフリカの様子がわかる。
人権問題にふれるきっかけになる一冊。 -
人を差別すんなー!(♯`∧´)dy日本に住んでいて、差別はされていない男
~今回の一言~人権がこんなに無視されていたなんて!Σ(゚д゚lll)
(初めて感想で、真面目な事をいいました。)
[今回の一言とは、本を読んで思った事を一言にまとめたものです。] -
アパルトヘイトの問題について、ひどかったんだなと思いましたが、いまいち伝わりにくい物語で終わってしまいもったいないと思いました。
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日本での初版は2008年だけれど、原作は1985年の作品。
それから四半世紀。
アパルトヘイト以後の南アフリカがどうなっているのか…
サッカーWカップの今年、さまざまな切り口で紹介してほしいところ。
さて、物語は南ア版「母をたずねて三千里」。
出稼ぎ中の母を呼び戻すため、幼い姉弟が故郷の村を
ヨハネスブルクへと旅発つ…
赤ん坊の妹の命を救うために。
出会う人はみんな良い人。
特別怖い目にも遭わない。
というのは、描きたいことが冒険譚にあるのではなく
南アの黒人たちの置かれた状況を描くことにあるから。
彼らがどんなに苦しみ、権利を欲し、誇り高く生きるかがポイント。
新しい世界を知った主人公のちょっと成長した姿が
爽やかな読後感。
う~ん、四半世紀か…長いのか短いのか。 -
南アフリカ共和国のアパルトヘイトや
黒人差別の問題を扱っているんだけど、
内容が薄っぺらい。
物語にしてしまうことで、
伝えたいことの半分も伝わらないのではないだろうか。
読書感想文の課題図書として、
『どうして、お母さんと一緒に住めないのか』
などから、他の国の状況、日本との比較ができるのだろう。
しかし、もっとリアルに伝えた方がいいのではないだろうかと
思った。
かなりガッカリ作品。 -
アパルトヘイト下の南アフリカ。黒人居留地に住む姉と弟が町へ旅をするあいだに、さまざまな矛盾に遭遇する…。アパルトヘイトが、特に子どもたちにどれほど深刻な影響をあたえたか、強く語りかける物語。
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アパルトヘイト政策が行われていた時代の南アフリカ共和国。
ナレディの赤ん坊の妹、ディネオの具合が悪くなり、
一緒に暮らしている祖母とおばさんは貧しく、医者に見せることが出来なかった。
ナレディは、ヨハネスブルクに出稼ぎに行っている母親に助けを求めるために、
弟と二人で会いに行こうと決心した。
ヨハネスブルクは、ナレディの村からは300キロも離れている都会だ。
けれど、母さんしかディネオを救えないことは分かっていたから、ナレディは弟を連れて旅に出た。
貧しい二人にはバスや電車に乗るお金も無い。
ひたすら歩く二人に、旅先で出会う人たちの親切がとても助かった。
旅の途中で理不尽な差別を目の当たりにする二人。
ヨハネスブルクへは、とても危険な旅だったのだ。
2009年課題図書 -
「アパルトヘイト」という名前は知っていても、
人種差別が普通にある状況をよく知らない。
そんな私でも大変わかりやすく書かれていました。
本書にどれくらい事実が盛り込まれていたかは、
この本が出版された1985年、当時の南ア政府が
発禁処分にしたことが物語っていると思いました。
(訳者あとがきにありました)
苦しい日々から一歩踏み出すなにかが見えた気がします。 -
南アのアパルトヘイト下で、生きる黒人の子どもたち。社会の矛盾を知る旅をする。小学生にも分かりやすい言葉で、それほど長い物語ではないのに読みごたえがあった。
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ビヴァリー・ナイドゥーの作品は根底に怒りを感じる。この本は、子どもに伝わる言葉で書かれた、アパルトヘイト体制下の南アフリカの話。きびしい世界。