わたしのノラネコ研究

著者 :
  • さ・え・ら書房
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本棚登録 : 54
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784378038995

作品紹介・あらすじ

わたしたちの最も身近な野生動物ノラネコ。その社会はまだナゾにつつまれています。福岡県新宮町相島。玄界灘にうかぶ小さな島での7年間にわたる、200匹ものノラネコの調査・研究を、写真と図版でいきいきと再現したドキュメント。だれにでもできる観察、調査の方法もわかりやすく紹介。ノラネコが見えると動物たちが見えてくる。

感想・レビュー・書評

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  • 野生動物研究は、飼われていない、管理下にない動物の研究なのね。へえーというのと、野生動物のとらえ方と、猫を観察してみたら予想外のことが見つかる(見つからなければ論文書けないか)素晴らしさと。よそ者のオスネコと積極的に交尾するメスネコの習性は意外だけど確かにその方が遺伝子の多様性は広がりそう。

  • ノラネコ社会のなぞを解き明かす!

    著者の7年間におよぶノラネコ研究の様子が楽しくわかる。舞台は福岡県相島。研究のテーマは「体の大きなオスネコがメスにもてて、子孫を多く残すのか」。研究は、島にいる200匹の猫を見つけて名前をつけることから始まって、最後には驚きの発見が待ち受ける。地道で途方もない時間をかけた研究の成果を知れる幸せをかみしめよう。みんながノラネコの研究をする方法も教えてくれているよ。

    「将来、動物をあつかった仕事をしたいという人、ノラネコのことをもっと知りたいという人がいましたら、この本に書いてある七つ道具を手にして、身近に棲んでいるノラネコを観察してみてください。」P124

  • 「にっぽん猫島紀行」関連本。猫島紀行の中にも登場した山根先生の本。福岡県相島のノラネコの7年間の研究ドキュメント。

    200匹のノラネコの個体識別、ホームエリア特定、生態研究。さらっと書いてあるけれど、気が遠くなるほどの時間のフィールドワークが裏にある。遺伝子解析の活用、懐かないノラネコ観察の方法や苦労話など硬軟とりまざり、読み物としておもしろかった。
    猫好きなら「ねこの秘密」もあわせておすすめ。

  • ノラネコたちの生態を調査した七年間の様子を生き生きと再現し,驚くべき研究成果を紹介する。(ヤングアダルト図書総目録より)

  • す、ご、い・・・。耐力がすごい。ど根性だ!

    ねこはすごい も、読みたいな。

  • はまる♡

    児童書として扱われているけど、地域猫が好きなら誰でも好きになる本ではないかと。暑さ寒さに耐えて、お外でひたすら「その時」を待つ猫観察。過酷を極めるのですが…面白すぎる!

  • 著者紹介の欄に、『ノラネコの研究(伊澤雅子著)』の著者と同じ研究室の後輩だと書いてあったので、即読みました。九州大学理学部生態学研究室の著者が、相島(あいのしま)でノラネコを7年間観察した成果です。『ノラネコの研究』よりもっと詳しく専門的な観察や研究の記録を子供向けに書いています。小学生向けの本だと思いますが、中学生、高校生も読むとためになるかも。これを読めば、生態学研究室ではどんなことをしているのかも何となくわかって、進路を決めるのにも役立ちそうだし。
    著者がノラネコを研究する人のことを「ノラネコロジスト」と名づけているとこが笑えます。この本を読んで、自分もプチノラネコロジストになってみたいと思ったし、海外にもノラネコロジストがいて研究論文を書いているそうなので、そういうものも読んでみたいとの思いました。

  • 身近にいながらその生活模様をよく知らないノラネコ…この本は非常によくまとまった興味深い本でした。
    集団の中で上位の雄猫が多く交尾できる事実がありながら、生まれてきた猫たちを調べてみると必ずしも父親が上位の猫とは限らない…実は雌のほうが意識的に?父親となる雄を選んでいるかのようにも解釈できるとのこと。うーん、生き物の世界は奥深い

  • 伊澤雅子の絵本『ノラネコの研究』が良かったので、伊澤雅子の後輩(?)の本書にも期待したけど、そんなに面白くなかった。
    内容は、伊澤本+交配について。『モグラ博士のモグラの話』もそうだったけど、今遺伝子解析がこの手の学問の流行りなんだね。
    昔は生態観察と解剖くらいしかできなかったけど、現在はDNA鑑定が早く簡単にできるようになったから。
    多様な遺伝子を取り込む方が種の繁栄につながると本能的に分かっていて他のグループのオスを選ぶのか、よそのグループのオスが魅力的に見えたからそうしたのか、メス猫にインタビューしてみたいものだ。

  • NHKの番組を見て、興味を持ち、購入。ノラネコの生態についても詳しい説明があり、その発見には驚き、大変面白かった。研究に対する真摯な姿勢を強く感じた。漢字にルビをふってあるので、小中学生にもおすすめ。自由研究の前に読めば自分のテーマに情熱を持って取り組みたくなりそう。


  • これ、NHKでやってたネコ学の人の本だ☆

    以前読んだ、ノラネコの研究の伊沢雅子さんの
    お名前も出てきて、また読みたい一冊♪

  •  福岡県・新宮町の相島でのノラネコの生態についての調査・研究。身近にいて観察しやすい動物としてノラネコを観察しているのだが、それは他の観察が難しい動物の生態を知る手がかりにもなるそうだ。あなたも観察してみませんか?というところから書いてあるのもおもしろい。メスは、必ずしも同じグループの一番強いオスを選ぶというものでもないらしい。

  • 福岡県の相島で行われたフィールド・ワークの記録

  • ノラネコの研究をしたい方はまずこの本を読んだらいいでしょう。この研究の舞台の相島。私小学生のころ海から見てました。

  • 両生類の専門家が、子供向けにノラネコの生態を探る研究のための基礎知識・注意点などを非常に分りやすく紹介している。ノラネコのネーミングの付け方もユニークで面白かったです。小学生の夏休みの研究にいいかもしれませんね。

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著者プロフィール

山根 明弘(やまね あきひろ):監修1966 年、兵庫県出身。九州大学理学部卒業。理学博士。国立環境研究所、京都大学霊長類研究所、北九州市立自然史・歴史博物館(いのちのたび博物館)などを経て、現在は西南学院大学 人間科学部 教授。猫の島として知られる福岡県の相島で、7年間に渡って猫のフィールドワークを行い、その生態を研究する。おもな著書に『ねこの秘密』(文春新書)、『ねこはすごい』(朝日新聞出版)など。NHK「ダーウィンが来た!」「美の壷」などにねこ博士として出演。

「2023年 『猫柄図鑑 にゃんこの柄のすべてがわかる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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