新・動物実験を考える―生命倫理とエコロジーをつないで

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著者 : 野上ふさ子
  • 三一書房 (2003年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784380032035

新・動物実験を考える―生命倫理とエコロジーをつないでの感想・レビュー・書評

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  • 2003年発行なので、現在というわけではないものもある可能性あり。要確認。
    具体的な数字がない箇所もあるので、下記は要確認。
    ただし、根拠がないからといって、事実がないとは言い切れないと感じた。

    ◼︎動物実験に使われる動物がどう調達されているのか
    1.野良犬や駆除される猿など実験払い下げ
    1990年度に実験用に払い下げられた犬は約6万頭、猫は1万頭以上。犬の約13%は実験に回された。1999年に法律が改正され、動物取扱業は届出制になったが、実験動物業者だけは届出義務から除外された。
    2.犬猫引き取り業者
    3.民間の繁殖業者…畜産の一環とみなされ国から補助金も出る?
    4.外界から完全に隔離された施設内での繁殖…産まれながらに特定の病気を持った「疾患モデル動物」を人工的に作り出すことも。
    5.野生からの捕獲…ワシントン条約の抜け道

    →動物実験の監視機関を

    ◼︎動物実験が本当に役に立っているのか?
    1. 種の違い 動物と人間
    2. 代謝の相違 どの物質が良くて悪いかはそれぞれ
    3. 鈍系と雑種の違い 人間には大きな個体差がある
    4. 食べ物の習慣の違い
    5. 潜伏期間と寿命は動物の種類によって大きく違う
    6.投与量の違い
    7. 環境要因の違い
    8. 心理的要因の違い
    9. 実験系と自然系の違い

    ・アメリカでは医学研究現代化委員会(MRMC)や責任ある医療のための医師委員会(PCRM)が動物実験を批判。MRMCの冊子には「動物実験が人間の健康にほとんど貢献していないということは悲劇である」と述べている。

    ・実験の記録や目的が明確ではない、もしくはないケースがある
    ・人間のケースとして参考にしがたい
    ・海外の事例を参考にせず、国内で同じことを繰り返す
    ・「化粧品・医薬部外品製造申請ガイドブック」
    →申請に必要なのは”安全性”を確かめる実験書類であり、”有効性”を証明するものではない。
    ◯ドレーズテスト(1940年代に編み出された、涙腺を持たないウサギの目に化粧品を点眼する手法)
    1997年、ドレーズテストの代替法が発表されたが、この代替法のバリデーションするためにも動物実験が必要となる。
    ドレーズテストはばらつきが大きい→人間の場合はもっと個体差が大きいので確実性は疑問が残る。
    ◯LD50(ある一群に物質を投与し、半数以上が死ぬ量を出す事が求められていた)・・1989年に改訂された「医薬品の承認申請に必要な毒性試験のガイドライン」により、LD50による被害動物の数は減った。
    ◯1986年11月14日朝日新聞社会面トップ「18頭の生きたサルをはりつけコンクリートに激突させる実験」・・動物実験に従事した中村紀夫慈恵医大教授は、年間一万人の死亡者を発生させる頭部の重症外傷を減らすために人の頭部の衝撃耐性を明らかにする必要があった」と弁明。

    ◼︎教育・研究のために犠牲になる動物
    ・2002年行政文書に対する情報公開法が施行され、国公立の研究期間もその対象となった。税金が使われている動物実験の実態を知る必要がある。
    ・1988年アルゼンチンでは教育・司法省管轄下の小中学校における一切の生体解剖・死体解剖が法律で禁止。
    ・標本の必要性
    ・命をばらばらに分解しても、生命の本質は分からない。
    ・「ニュールンベルグ綱領」「ヘルシンキ宣言」により、人体実験に規制がかかった今、実際に人体実験をしていた731部隊の人々が動物実験をしてきた。
    ・「ラットと犬と人について六種類の薬物を投与した後に起きる八九種類の作用を比較すると、ラットから人を予測する可能性は7%、また犬から人を予測する可能性は26%であるとの結果であった。そして人にのみ観られた作用は四二種類もあり、これは動物データから人の場合を判断できない可能性が約50%の高率であることを示している」(『アニテックス』1990年11月号)
    ・フランスの生理学者ベルナール(1818〜1878)が『実験医学序説』で動物実験を体系化したとされている。

    ■胎児実験
    ・中絶胎児の研究利用という「需要」が大きくなれば、「供給」を促進する圧力が働く。
    ・胎児の実験、研究についての文献:産婦人科学会、先天異常学会、移植学会、脳神経学会、再生医療関係の各学会誌、研究論文。「死亡した胎児・新生児の臓器等を研究に用いることの是非や許容範囲についての見解」(日本産か婦人学会。1987年)。「生物医学時代の生と死」(福本英子著)

    ■倫理
    ・「動物実験が、無益であるという理由ではなく、動物への愛と共感の故に廃止されるならば、人類は大きな精神的進化を遂げるだろう」(音楽家リヒャルト・ワーグナー)
    ・「動物実験は、今日人間が神が造られた美しいいきものたちにたいして冒している罪の中でも、最も罪深いものだと思います。自分たちの生きる代償に他の有情の生きものたちを苦しめるくらいなら、われわれは自分の生命を断念すべきです」(『ガンジーの健康論』)
    ・動物実験は本来、残虐な行為である。…正常な感覚では一般の部外者の目には触れさせたくないものばかりである」(佐藤徳光『動物実験の基本』)
    ・1876年イギリスビクトリア女王は「動物虐待防止法」制定。1986年にさらに厳しく改定。
    ・スウェーデン、1986年新動物福祉法制定。
    ・ドイツ、1938年ナチス政権下で動物保護法制定。2002年自然保護と動物保護が義務付けられる。
    ・『科学の犠牲者たち』(リチャード・ライダー)
    ・『動物の解放』(1975、ピーター・シンガー)
    ・トム・リーガン、アニマル・ライツという概念を提唱
    ・『罪なきものの虐殺』(ハリス・リューシュ)
    ・1972年イギリス、動物解放戦線(ALF)
    ・1986年イタリア南チロル地方、ボルザーノ州で制定された動物保護法
    ・1993年、「動物実験の良心的拒否に関する法律」制定。

    ◼︎代替法
    ・1989年に動物実験代替法学会が発足。
    ・1991年に第一回ICH(日本、アメリカ、EU)が重複試験の無駄を無くすため、開催。1998年にLD50などを含む43項目について国際調和を図ることが合意。
    ・1991から動物実験代替法の研究助成がつく。国からの動物の福祉への促し。
    ・1994年に東京都や神戸が全国に先駆けて犬猫の実験用払い下げ廃止

    ◼︎生命工学
    ・キメラ動物の生産(異種混合動物)
    事例:1984年アメリカで赤ちゃんにヒヒの心臓が移植。3週間後に死亡。
    ・最も需要があるのは角膜移植用に人間の目を移植したウサギの生産。(市川茂孝『背徳の生命操作』)
    ・遺伝子導入動物の生産。
    ・成長ホルモンの組み込み。巨大な家畜で経済効率を上げるためなど。
    ・クローン動物の生産。ドリー(『ニューズウィーク日本版』1997年3月12日号)→人間への応用。女性のみだけで子ども(クローン)を作ることが物理的に可能となっていく。
    →単一の同じ動物が増えていけば、野生動物は減って行く。米、ひえ、あわ、小麦は、人間の品種改良で既に原種自体は絶滅している。
    ・人工受精卵・胎児の実験で代理母に動物を使う
    ・生殖工学。人間の出産と負担軽減のために牛に産ませる
    ・臓器・脳移植。上半身損傷と下半身損傷の人が運ばれた場合、組み合わせて一人は生存できる。2002年に虚血した脳の機能を調べるためとして、日本の研究者が幼いラットの頭部を切断して大人のラットの股に移植する実験をした。

    ・中絶胎児の研究利用。1985年にソ連で人間の胎児の脳組織をウサギの脳内に移植。1986年にアメリカで5頭のサルの脳に胎児の細胞を移植。
    ・軍事兵器ウイルス製造のための動物実験。かつて、無実の捕虜達にペスト菌、コレラ菌、炭疽菌などを投与。

    ■代替方法と今後の方向性
    ・代替方開発→限界がある。
    ・2002年から4年かけて研究システムの国際統一化(データファイル統一、入力方法、プロとコール違反の検出、異常データの抽出、解析プログラムの抽出)
    ・公開による犠牲数の削減。
    ・日本には動物実験に関する法律がない。

    p.16
    1974年「動物の保護及び管理に関する法律」

  • 請求記号・490.769/No 資料ID・100044563

  • 社会問題を理解する上で表に出てこない面も理解しないといけない。但し両方の立場やいろんな角度から情報を得たり考えたりする必要がある。

  • 私たちが普段使うものにもたくさんの動物たちの命が使われていることを知りとても胸が痛くなりました。実験の様子が書かれているページもあり、やはり現実に起きていることだと思いました。動物実験が安心できるものならなぜ秘密にする必要があるのかがわかりません。もし、私たちの安心のためだということだったとしても私は動物たちの命を使ってまで調べるのは間違っていると思います。安心なら実験をする必要がないじゃないでしょうか?早く動物実験がなくなって一匹でも多くの命が救われてほしいと思いました。

  • 号泣しました。動物を実験に使うのは
    仕方がないことだと思うけど、
    中には・・・。痛々しいを通り越して
    ・・・うーん、言葉にならない。。
    人間として読むべき1冊です。
    ただ、この本に書かれていること
    全てを過信し過ぎるのはよくないかも。
    全ての動物実験が悪いとは思えない
    から。でも無関心でいるよりはいい。

  • 分類=動物実験。03年4月新版(93年初出)。(参考)AVA−NET→http://www.ava-net.net/

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