テストドライバーのないしょ話: クルマ作りの現場ではこんなことが行われている
- 山海堂 (2006年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
- / ISBN・EAN: 9784381077882
感想・レビュー・書評
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日産自動車でテストドライバーをされていた筆者による経験談と社内外の自動車についての論評。
コストをもう少しかければいいクルマができること、北海道にテストコースができて飛躍的に日産車の性能が上がったこと。
驚いたのは、パルサー、ラングレー、リベルタビラでもセッティングを替えていたということ。また、改めてP10プリメーラがよくできたクルマであったことを本書から読み取りました。 -
テストドライヴァがどんな仕事をしているかなどは先刻承知だし,今更関心も無いのだが,著者は1990年代半ばまで日産の現役だったそうなので,そのあたりの時代層に興味があって読んだ.
長くクルマに乗っている方なら解ると思うが,1980年代前半までの日本車と云うのはハッキリ言って同格の欧州車と比較すると格段に劣っていたのだ.それが一部の高級車種で同等になったのが80年代中盤,大衆車にまで及んで来たのが90年代前半.というあたりが私の実感.著者は,丁度その時期にクルマ作りに携わっていたわけで,造る側はどのように思っていたのか.という斜め後ろからの読み方である.
読んでみてやはり私の感覚を裏付けるような記述がそこかしこに見られて意を強くしたのだが,丁度日本車の水準が世界トップレベルになるのと相前後して日本経済の失速,消費伸び悩みのまま現在に至るわけで,当然それはコストにも跳ね返って,その後の大きな発展も無く未だ足踏み状態のままに思える.本書にもそういう焦燥が透けて見えるような気がするのだが,これは裏読みが過ぎるか.