- Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
- / ISBN・EAN: 9784384041071
作品紹介・あらすじ
知の歴史に偉大な足跡を残した天才、ガウスとフンボルトを主人公とした哲学的冒険小説。
感想・レビュー・書評
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小説で、こんなに読み返したのは初めてかもしれない。
主人公をガウスとフンボルトの二人とし、交互に話が進んでいくが、とりあえず二人とも行動が破天荒で、読んでいて飽きない。
冒頭ガウスが馬車の中で退屈し、息子のオイゲンから寄越された本を読み、こいつは頭がおかしいと、一言感想を言って馬車の外に投げ捨てる場面は、訳者の翻訳のうまさもあってか、一気に世界に引き込まれる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
フンボルトの業績が分かりやすかった以外は、なぜドイツでベストセラーになったのか理解できなかった。グローバルに活躍したフンボルトを偉大と感じたためであろうか。
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1700年代終わりから1800年代に生きた、ガウスとフンボルトの小説。
この時代の特有の文化や、天才たちの考え方などを垣間見るような小説で、不思議な世界観だった。
冒頭でガウスにかなり強烈な印象をもった。そのおかげか、どうやってこの人はこんな人になったんだろう、という興味がもて、その後に続く二人の幼少期からの話が興味深かった。また、二人がどこで出会うのか、そしてその後にどうなるのかを、なんとなく楽しみにしながら読み進めた。
まだ馬車で旅をしていた時代の、今から見れば便利でもなく効率的でない時代。その時代ゆえの心の交わし方は、どこか懐かしく、甘く少し切なく、どこか愛おしささえ覚えた。同時に、郷愁のような感じもあり、肌寒い霧がかった朝のすっきりとした感じもした。
これはいつか、数年後にまた読み返したくなるような気がした。
2008年に日本語訳が刊行された際に購入し、その後15年間本棚に眠っていた小説。。おそらく、その若い頃に読んだらつまらないと思って途中で読むのをやめていたと思う。ちょっとツウな人向けの小説なのかもしれない。 -
▼福島大学附属図書館の貸出状況
https://www.lib.fukushima-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/TB90186742
偉人伝のあとには、ユーモア小説がつづきます。
これは数学者ガウスと、自然科学者A・フンボルトの伝記小説です。ドイツ人なら子どものころ、二人のことをかならず聞いて育ったでしょうから、ここに描かれたエピソードは、いっそうおかしく感じられたことでしょう。
新婚の夜、やっと花嫁衣裳をぬがせたとき、ガウスの頭に数学のアイデアがひらめき、裸の花嫁そっちのけで、数学のメモに没頭する、という場面は、この小説の性格をよく示しています。
A・フンボルトの名前は、フンボルト・ペンギンやフンボルト海流でご存知かもしれません。二歳上の兄、W・フンボルトとの兄弟愛は、グリム兄弟のそれとならんで有名ですが、この兄が幼いころ、弟にたいしてひそかに殺意を抱いていた(らしい)というエピソードは、読後、小骨のように記憶にのこります。
(推薦者:経済経営学類 神子 博昭先生) -
まだまだ地球上では解らない事がたくさんあって科学も発展途上にあった18世紀から19世紀にかけて知の歴史に偉大な足跡を残したガウスとフンボルトの物語。
前者は、圧倒的な知性を武器に自身の頭の中で世界を捉える。いわば定点観測。
後者は、類稀なる探究心と行動力で、極限の中で新しい世界を切り開く。いわば実地観測。
セリフが時の文と接続詞でつながってカッコがない間接話法で書かれてるため、慣れるまでは取っつきにくいのだが、慣れてしまえば、もうこっちのもの。対比的な2人の天才が逆に身近に感じて、夫々の目標に向かっていく彼らの物語に引き込まれた。
知の巨人がいてその功績が今まで繋がったからこそ、こうやって現代はスマホを使える世界があるんだなあって青臭い感動なんかしちゃったりして。 -
読み終わらずに返却。
以前、「ハリー・ポッター」を3ページ読んで「そっ閉じ」した時と同じ。
それよりは頑張って読んだつもりだったけど・・・(ほかに読まなくちゃいけない本もあるし←弁明)
やはり、水が合わないカテゴリーとかあるのかも。 -
丸善静岡店で平積みされているのを見かけて。十九世紀冒険ものであるが、それなら私はやっぱりヴェルヌのほうが好き。こちらは現実に忠実な分だけ夢を感じさせる部分が薄いのかも。