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みんなの感想・レビュー・書評
【新歓企画】ブックリスト:「大学1年生のときに読んでおきたい本たち」 ルーマニア、独裁政権下、監視社会の中、秘密警察に追われ、生きる人々の物語。「見られる」ことの恐怖を、主人公たちが「見る」ものを克明に、おどろおどろしく描写することで示している。とか何とか、どうとでも語れる小説ですけど、とにかく凄いのは、文章すべてがどや顔なんですよ。風景描写も、台詞もすべて。普通の人が、小説を書く際に、カッコイ... 続きを読む »
読書期間6月10日-6月17日 原著『Der Fuchs war damals schon der Jäger』 人間同士の感情とか行為、生物の表現が生々しい。 生物に関しては正直ここまでは知りたくなかった。 表現技法が本当に巧みで、読んでいる途中で気分が悪くなっても読みたいと惹き込ませられました。 読了した後は、何故2009年度ノーベル文学賞を受賞したのかが疑問でしたが、時間が... 続きを読む »
2009年ノーベル文学賞受賞作家。
舞台はルーマニア、時はチャウシェスク独裁政権の晩年。警察国家の民衆の日々を描き出す長編小説。
物語は、独裁政権下での民衆の生活の一場面を短く切り取って、それを並べていくようなスタイルで語られるため、最初は連作短編かと思った。登場人物は極めて一般的な民衆と、抑圧側の代表としての秘密警察であり、語られる舞台は学校や工場での日々である。
が、平凡であるはずの日常は全く平凡ではない。人々はつねに弾圧の恐怖にさらされている。あらゆるところから、あらゆるものが自分を監視しているという意識のもとで送られる日々は、灰色である。断片的に語られる抑圧の日々が、重苦しさを逆によく表現している。全てを率直に語ることは許されないのだ。
読んでいてなかなか疲れる小説である。それはつまり、それだけ当時のルーマニアの重苦しさが伝わってくる小説であるということである。






