イースターワインに到着 (サンリオSF文庫)

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制作 : 越智 道雄 
  • サンリオ (1986年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784387860358

イースターワインに到着 (サンリオSF文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  ラファティにはいくつか同じ登場人物を主人公にしたシリーズがあるが、これは<不純粋科学研究所>のシリーズの長篇。マッドサイエンティストのシリーズで思考機械のエピクトの存在がポイントというシリーズ。本書はそのエピクトによる自伝で、その誕生と成長が描かれている・・・ざっくりいうとそんな感じ。で、このエピクト君が生み出された理由は人類はもう次の段階に進化するのは無理だと分かったので人間とマシーンの双方の機能を兼ね備える「集合人間」を作ろうということになったからなんだそうな(グレゴリーによる)。ただしそこはラファティの小説、そう単純に要約出来るものではなく、そもそもその目的すら早々にヴァレリーにダメ出しをくらっているし、全くよく分からない登場人物(動物、物などなど?)がどんどん登場して独創的としかいい様のない発想と理屈で話を進めていくんだからもうごめんなさいお手上げです。
     ただ長篇翻訳も増えて自分なりに共通項みたいなものを感じられるようにもなった。一つは長篇では話がエスカレートしていく傾向が強い事。もう一つは人間が統合されたりするような話が多い事。短篇「他人の目」では人それぞれでいかに視点や考え方が異なるかが描かれていたが、一方で進化していくには融合が必要という様な発想があるような気がする。他の人間の思考を探る、あるいは融合するといった発想はテレパシーに通じる印象がある。このようにラファティの発想は唯一無二ではあるのだが、不思議とSF的発想の文脈でとらえても違和感が無いものがそこかしかの感じられる(話がエスカレートしやすいのもSFの発想とシンクロしている)。ラファティの作品は多面的でSFの文脈からはみ出してしまう作家なのだが、一方でその思考形態の一部はSFの良質な部分の魅力と大いに重なっている。博識で独自の道を歩んだラファティなので、おそらくそれは偶然というべきことなのだろうと思うが、SFファンにとってはそれは非常に大きな幸運であった。

  • 短編でお馴染みの「不純粋科学研究所」の科学者たちによって作られた巨大コンピュータ、クティステック・マシーン(創世機械)のエピクティステスが語った自伝―と書けば、いかにももっともらしくSF的だが、その内容たるや一読発狂の代物なのだ。

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