アルファ系衛星の氏族たち (サンリオSF文庫)

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制作 : 友枝 康子 
  • サンリオ (1986年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784387860891

アルファ系衛星の氏族たち (サンリオSF文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 傑作短篇「スパイはだれだ」に出てくる精神異常者だけが暮らしている星をテーマにした長篇がこれだということで手を伸ばしたが、さすが知名度の劣る作品だな何か違う話だぞこれ…。
     まず中心にあるのは破綻した夫婦チャックとメアリーの確執で、妻メアリーの方が心理コンサルタントらしくその星に仕事をしに行くことになって、無報酬だから養育費や慰謝料を稼ぐためにもっと利率のいい仕事にしなさいもう弁護士は頼んでいてあんたの見動きはもう取れないんだから、といわれて夫が絶望するみたいなところから話が始まる。「スパイはだれだ」は自分たちの判断力が当てにならないなかで、攻撃を仕掛けてくる謎の敵は誰なのか果たして敵は実在するのかといったサスペンスがスリリングだったんだけど、そうではなくて夫婦の揉め事がいろんな勢力の思惑とからむみたいな話で、しかもいろいろ起こる割に焦点がぼけていて盛り上がりを欠く。
     そんな中でもさすがディック。ディックの作品は細部に必ず強烈な場面があって、この作品では(以下ネタばれですすみません)

     終盤に精神異常者たちが他人に見せる幻覚を作りだす場面があって火の玉がメアリーに「和解しなさい」ってメッセージを送るというシーンが脈絡なく登場すんだよね。何だよディック人生いろいろあったのか!?自分の信条の吐露か!?ってな気分になるよ読者としてはさ(笑)いやーびっくりした。その後の二人の和解の場面もぎこちなくて無理矢理なオチも含めディックも悩んでたんだなうんうんみたいなことになって苦笑いしたしたとさ。

  • SFなのだけど、地球以外の星にそれぞれ
    精神病患者が病気ごとに分かれて住んでいて
    それらを再び地球の支配下にというプロセスに
    CIA職員の離婚がからんでくるという

    第一章の星の代表者が集まる議会風景の話で
    なんだかわからなくてイヤになる人もけっこういそうな気がする……

  • 2009/03/27 読了

  • 11月15日読了。ディックの本は全て読んだつもりでいたが、長編に意外な読み落としがあるもんだ・・・。地球より追放された精神異常者たちが独自文化を発展させた惑星、そこに降り立ち自らが正常かどうか思い悩む登場人物たち、という筋書きはまさにディックならではのものだな。シミュラクラやテレパスなどの設定もお馴染みのものだけにすんなりと入っていける。展開も活劇あり、地球と惑星との視点の切替えありでなかなか面白い。ディック流の神学的要素の入っていない頃の長編、もっと読んでいかないとな。

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