- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784387912026
感想・レビュー・書評
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谷山ワールド全開で面白かったです!
ミステリとして成り立つのかはわからないけど、読後感は確かにミステリ。あとがきに宇山さんの名前が出てきてちょっとびっくりした。
発想が本当にすごくて、普通考え付かないだろうって思うものの連続で先が読めないから読んでて楽しいんだろうなぁ。歌も好きだけど、また作家活動してほしいなと切実に思う。
ウサギとか時計とかアリスっぽいモチーフも好きでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この作品を知ったきっかけは、友人がカセットテープに録音したラジオドラマからでした。
美しいメロディ、少し鼻にかかった温かみのある歌声、メルヘンのような残酷なおとぎ話のようなストーリー……。
登場人物も魅力的です。
常に正確な時刻を知っていたい「時計中毒」の主人公ヒロコ、彼女の恋人と名乗る魚の目をしたサカナ男、顔が時計盤になっている時計少女。
一気に谷山ワールドに引き込まれました。
それから約20年を経て、初めて原作本を手に取る事ができました。
ふわふわした文体でさらっと読めるのですが、しっかり心に残りました。
ラジオドラマが原作に忠実だったんだと感心。 -
青春アドベンチャーで聴いてたものの、未読。
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三日前読み始めておととい読了。谷山浩子さんの本ははじめて。以前ラジオドラマ化されていたのを、たぶん第一回だけきいたことがあって、ナンダコレと思って気になって、タイトルも妙に頭に残っていたもの。
常識人なのかぶっとんでるのかよくわからない浩子さんに、明らかにぶっとんでるのに要所要所できっちり常識的な時計顔の少女。谷山さんだからきっと怪しげな方向に行くんだろうなぁと思っていたら、ほんとうにあっさりと怪しかった。イメージとイメージのつぎはぎさの放置具合が、けっこう味な気がする。歌のイメージからの期待を裏切らない作品。
ラジオドラマを全部きいてみたい。 -
「ぼくのおねえさんは、びょうきで、ながくいきられないからだだったから」
少年はつぶやくようにいった。
「おとうさんは、おねえさんを、はとにするしかなかったんだ。とけいばとになれば、えいえんにいきられるから」
「ぼくのおねえさんは、えいえんに、いまをいきるんだ。ぜったいにしなない。としもとらない。なんにもくるしいことなんてない。おとうさんがそんなふうにしてあげたんだ。おとうさんはてんさいとけいしょくにんなんだ。ほら、もうすぐ……もうすぐはじまるよ……いま、おとうさんがとけいのおもりをひっぱっているんだよ……」 -
一見メルヘンなファンタジー。だけど実はホラー。でもって本質はミステリ。綾辻さんのお墨付き。
とにかく魅力的な登場人物に舞台装置と、そして謎。「悲しみの時計少女」というタイトルの意味は、結末で謎が解けたときに分かる仕組み。恐ろしくも悲しいこの結末には涙するばかり。同名の曲と合わせて鑑賞すると、さらにせつなさが増すこと間違いなし。 -
ご存知谷山浩子。
本当はラジオが聞きたい。
でも面白かったわ。
まっくらもりのうたの本も読んでみたい。 -
読書完了日2008年04月11日。
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谷山浩子の幻想世界はやっぱり好きです。現実の世界から一歩踏み出す、というのがファンタジーという言語の本当の意味ですので。「悲しみの時計少女」は主人公が不思議の国のアリスさながらに奇怪な世界を旅するわけですが、結末のキッチュさ、たまらない! 高校生のとき、ちょうどラジオでドラマをやっていたのを聞きました。谷山浩子のさまざまなモチーフには、やっぱり影響をされています。少女がもっている、病的な幻想、死とニアイコールな永遠への希求、そして傲慢さ。わたしの大好きなモチーフがちりばめられています。
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9/11読了。