- Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
- / ISBN・EAN: 9784388060412
感想・レビュー・書評
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仕事に対する誠実さに感心する
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日本で一番、品揃えの気になるパンやさんといば、もうすっかり全国区ですが、大阪市西区靱本町「ブランジュリタケウチ」をおいてないのです。
※「靭」の読みは「うつぼ」です。靭公園の近く。
この本↑を書店で見つけて、手に取るや、
「うーーーん、そうきたか。」
「なるほど〜。」
「えーーっ、その手順で!?」
と、その天才的な感性に唸ることしかできません。レシピはそんなに数多く、載っていないのですが、試行錯誤の過程を公開して下さってるのがありがたいです。
素人がこれだけの試行錯誤を各自でしたら、何十年分もかかりますもの。
ここのパンは買って食べるに限ります。マネしようなんておこがましい。それに作るの大変そうだもん。
若き日の 竹内 久典 氏は(今も30代半ばと十分若いですが、、)、サヴィーか Lマガジンのインタビューで(もしかしたらTVだったかな)、
「何で僕はこんな大変なことしてんねんやろ」
的なことをおっしゃってたくらいですから。
国産小麦、天然酵母、オープンキッチン、、、etc. 大変なことをあれだけの量、毎日続けられるということは、それだけで天才。
大阪に行かれたら、タクシー飛ばして買いに行って下さい。
ただし、売り切れ注意です。
事前に電話でご確認を! -
大阪にある、パン好きなら誰もが知っている名店『ブランジュリタケウチ』のオーナーシェフが、自身のパンのアイデアや哲学について語った本。
哲学といっても堅苦しい話ではなくて、一風変わったパンたちが、どういう考えの下に、どういうきっかけで、どういう経緯を経て生み出されたのか、というような内容が多い。
これが、無類のパン好きとしてはおもしろかった。
既成概念を打ち破るような、確かにどこにもない考え方なのだ。調理を専門に学んだわけでもなく、たまにレシピブックを片手にパンを作るぐらいの自分でも、その異端さがわかる。でも、そのシェフの概念をものともしない探究心こそが、この店を名店と呼ばせるゆえんなんだろうな、と思う。
あああ、それにしてもこの店のパンが猛烈に猛烈に食べたくなる。大阪にまで行きたくなる。大阪で暮らすことがあったら絶対この店の近くに部屋を借りよう、とまで思う。それくらい、生活が豊かになりそうな気分にさせてくれるのだ。
おいしいものって、食べなくても、考えたり、眺めたりするだけで幸せになる。