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- Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784389410056
感想・レビュー・書評
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プラトンの生涯と思想の解説書。
第1章「プラトンの生涯」は、プラトンが哲学と政治にかけた情熱を生き生きと描き出している。ソクラテスとの出会いは、プラトンにとって「哲学」の問題そのものに直面させられるような体験であり、彼の一生を決定するような出来事だった。そのソクラテスが刑死を遂げたことにより、プラトンは改めて政治と哲学とのはざまに立ち、みずからの進むべき道を厳しく問いなおすことになる。そして晩年、ディオニュシオス2世の師としてシケリアに渡ったプラトンは、理想国の建設という夢の実現をめざす。
第2章「プラトンの思想」や、やや論旨がたどりづらい。プラトンが取り組んだ哲学的問題を、私たち自身の問題として引き受けるような論じ方がめざされているようで、著者の心意気には十分に共感できるが、個人的には議論の見通しが悪く、著者のめざした意図が十分に実現されているとは言いがたいように感じてしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示