哲学入門: 新訳 (現代教養文庫 50)

  • 社会思想社
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  • Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784390100502

感想・レビュー・書評

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  • 作品紹介

    本書の特色は、第一に哲学を研究する態度、精神をわかりやすく説いたものである。観念的に走らずたえずみじかな例をつかって哲学に対する着実な愛着と情熱を感じさせてくれる。
    第二の特色は、ラッセル自身の哲学の立場を明らかにして、哲学そのもののあり方を示していることである。真理の真摯なる追求者として、人類平和への勇敢な実践家として、ラッセルの説く哲学は万人の胸をうつものがあろう。

  • 分かりやすく書いてあるとは思うんだけど、ラッセルの話が広がっていく印象があって、理解するの難しかった!でも「哲学の価値」とか気になるポイントはいくつかあったんで、ちくま版でもう一回じっくり読んでみたい!

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    本書は、簡潔な表現をつかい、明確かつ平明に論旨を展開した、ラッセルの数多い著作のなかの代表的な哲学書。ロック、バークリー以来のイギリス哲学の伝統をうけて、まず日常的な事実経験から出発し、次第に思索を深化させる方法をもって読者を哲学の世界へと導く。

    目次
    第一章 外見と実在
    第二章 物質の存在
    第三章 物質の本性
    第四章 観念論
    第五章 見知りによる知識と記述による知識
    第六章 帰納について
    第七章 一般原理に関するわたしたちの知識について
    第八章 いかにして先験的知識は可能か
    第九章 普遍の世界
    第十章 普遍に関するわたしたちの知識について
    第十一章 直観的知識について
    第十二章 真理と虚偽
    第十三章 知識・誤謬・および蓋然的意見
    第十四章 哲学的知識の限界
    第十五章 哲学の価値

  • (2005.10.05読了)(2000.09.30購入)
    1910年から1912年にかけて「プリンキピア・マテマティカ」(数学原理)第1巻から第3巻まで出版している。この本は、1912年に出版されているので、「数学原理」が一段落したところで、書かれたということになる。
    バートランド・ラッセルの名は、反戦・平和運動家、反核運動家として知られているのかもしれない。第1次大戦の頃から反戦運動を行い投獄されたりしている。それを第2次大戦後も続けているのだから筋金入りということになる。
    大学で数学を専攻し、その後、論理学や数学基礎論をやり、その結果を「数学原理」にまとめ、その後は、哲学、社会運動のほうへと向かってしまった。
    抽象的な世界よりは、具体的な人間の生活のあり方への関心のほうが強かったということなのでしょう。

    この本は、150頁ほどで15章に分かれていますので、1章当り10頁ほどです。とっつきやすくなっています。でも、小説のように読めるわけではありません。
    哲学というのは、普段われわれが、ごく当たり前に思っていることを覆してしまうので、何が言いたいのか分からなくなってしまいます。
    われわれが眼に見たり、耳で聞いたりしていることに対して、なんとなく他の人も同じように見たり、同じように聴いていると思っていますが、ほんとにそうなのかといわれると、他人に成る事はできないので、確認しようがありません。
    赤や青の色がぼくが見てるように他の人も見てるかというと疑わしい。同じ人間だから、そうに違いないと思うしかない。ついでに、他の動物まで広げてしまうほどである。でも他の動物は、見る仕組や聴く仕組が違うといわれると、なるほどとは思うけど、ではどんな風に聞こえたり見えたりするかというと、皆目見当が付かない。
    哲学にもいろんな分野があるのだろうけれど、この辺は基本になる認識論の部分なのだろう。確かなものは何かというところをつめていって、デカルトは、我思う、ゆえに我ありと結論した。
    ●哲学の価値(161頁)
    真の哲学的思索は、非我のすべての拡大に、思索の対象と同時に思索する主体を偉大にするすべてのものに、満足を見出します。思索においては、個人的ないし私的な一切のもの、習慣や私利もしくは欲求に依存する一切のものが対象をゆがめ、そのために知性が求める合一を損ないます。自由な知性は、神が見るように事物を見ます。つまりそれは、ここと今なしに、希望も懸念もなく、習慣的信念や伝統的偏見に捉われず、平静かつ冷徹に、ただひたすら知識を求めて事物を見ます。
    ●推奨する著作(どれもまだ読んだことがありません)
    プラトン「国家」、デカルト「省察」、スピノザ「倫理学」、ライプニッツ「単子論」、バークリー「ハイラスとフィロナウスの三つの対象」、ヒューム「人間悟性に関する研究」、カント「将来のすべての形而上学への序説」
    (岩波文庫、中公クラシックスに幾つかあるようです。)

    著者 バートランド・アーサー・ウィリアム・ラッセル
    1872年5月18日 イギリス、ウェールズ、トレレック生まれ
    2歳で母を4歳で父を失った。
    1890年(18歳) ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジに入学、数学を専攻
    1894年(22歳) ケンブリッジ大学卒業
    1899年(27歳) ケンブリッジ大学講師
    1914年(42歳) 第1次世界大戦勃発、反戦運動を展開
    1938年(66歳) シカゴ大学客員教授・渡米
    1950年 ノーベル文学賞受賞
    1970年2月2日 死去

    (「BOOK」データベースより)amazon
    「理性的な人なら誰にも疑えない、それほど確実な知識などあるのだろうか」。この書き出しで始まる本書は、近代哲学が繰りかえし取り組んできた諸問題を、これ以上なく明確に論じたものである。ここでは、分析的な態度を徹底しつつ、人間が直接認識しうる知識からそれを敷衍する手段を検討し、さらには哲学の限界やその価値までが語られていく。それはまさしく、20世紀哲学の主流をなす分析哲学の出発点でもあり、かつ、その将来を予見するものであったともいえよう。今日も読みつがれる哲学入門書の最高傑作。

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著者プロフィール

1872-1970。イギリスの哲学者。17世紀以来のイギリスの貴族ラッセル家に生れる。ケンブリッジ大学で数学・哲学を学ぶ。1895年ドイツを訪れ、社会民主主義の研究に打込む。1910-13年にはホワイトヘッドと共に画期的な著作『プリンキピア・マテマティカ』(3巻)を著わし、論理学や数学基礎論に貢献した。第一次大戦が勃発するや平和運動に身を投じて母校の講師の職を追われ、1918年に4カ月半投獄される。1920年労働党代表団とともに革命後のロシアを訪問。以後社会評論や哲学の著述に専念、ヴィトゲンシュタインとの相互影響のもとに論理実証主義の形成によって大きな影響を与えた。1950年哲学者として3度目のノーベル文学賞受賞。また原水爆禁止運動の指導者のひとりとして99歳の生涯を閉じるまで活動を続けた。多数の著作のうち邦訳の主なものは『西洋哲学史』(1954-56)のほか『懐疑論集』(1963)『ラッセルは語る』(1964)『人生についての断章』(1979)『私の哲学の発展』(1979、以上みすず書房)『哲学入門』(1965、角川書店)『ラッセル自叙伝』(全3巻、1968-73、理想社)など。

「2020年 『西洋哲学史【新装合本】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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