菊と刀: 定訳 (現代教養文庫 A 501)

  • 社会思想社
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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784390105002

感想・レビュー・書評

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  • 読んだのは第63刷。長いとても長い,この程度で長いとか言うなとか言われそうだが,普段から漫画しか読まないんだから長いもんは長い。戦時中の敵国である日本を日本人を知るために研究した内容で,アメリカの文化人類学者による有名な著書である。
    著者は日本に一度も訪れたことがなく,様々な文献や日本移民からの聞き取りなどで日本文化を紐解いたようで,それはないんじゃないかなぁ的なけったいな解釈もあれば(とはいえ現代の人間であり文化人類学も知らなければ歴史も詳しくない筆者にはけったいな解釈であるかどうかも分からないのだが……),的を射ている解釈もあるのでうなる。
    様々な“道”にみられるように,日本人はとても精神性を大事にしているように思える。最近ではその道を外れることも多いようだが,やはり精神論は根強い。
    義理や人情については……最近はそれほどでもないのではないかと,いや,人情は失ったまま義理は大事にするようでもある。義務については相変わらず大好きなようだが。
    アメリカが危惧した,降伏を受諾した日本の占領後の反発だが,予想に反しそれを全く受け付ける国及び国民に驚いたという,にわかに信じがたい彼らの言動行動にたいそう訝しがったようだが,そういうもんだと納得したとか。太古の昔より外部より新しいものを取り込み自分たちの中で消化し自分たちのモノにするのが得意だったからではなかろうかと思う。
    読む限りでは当時の日本人観から今の日本人はそう遠くかけ離れていはいないように思う,ちょっと否定できない面も多い。特にネトウヨと呼ばれる人のの中には悪い面だけが生き残り続けているような,そんな感想を持った。
    出来れば天皇制や時の権力者たちを徹底的に排除してくれていたら,今の馬鹿な日本にはなってなかったのではないか,とさえ思う。

  • 日本人は 他人の思惑と自己の体面に重点を置き
    恥 という感情により
    生活や行動様式が支配されるので、
    日本の文化を 恥の文化と 特色づけた。

    西欧文化は キリスト教に起源をもち
    内面的良心を重んじ
    罪の自覚に基づいているとし、
    罪の文化と呼んだ。

    基準、活力の原点が そもそも 違うのだ。

  • アメリカ学の授業で読んだ。
    この時代にこれだけの分析が出来ているのがなかなか面白い。
    天皇制のことや日本人の習慣・国民性について議論した。
    当時の日本だけでなくアメリカのことも読み取ることができて興味深かった。

  • 義理は、中国の儒教、東洋の仏教からきたものではない、ではこの日本特有の考えはどこから来たのか?

    日本は物質的環境に対する精神の優位を門司通りに解していた。例:日の丸特攻隊、戦いにおいては精神は死という自然的事実にすら打ち勝つ。

    日本人は従来、常に何かしらの巧妙な方法をして、極力直接

  • 古典的名著には変わりないけど、もうちょっと古いかな。

  • 敵国である日本人を対象として研究しているにも関わらず、文化相対主義的なものの見方で、日本人を捉えている点に、ベネディクトの人間としての深みを感じる。
    また、彼女は一度も日本に足を踏み入れることなく、また日本語も十分に解さなかったようだが、それでいて、日本人の精神の深いところを把握している点もすごい。今まで自分が考えたこともない、ものの考え方を、嫌悪や偏見なく捉えられるというのは、もともと彼女自身に自分の文化を客観的に見る視点が備わっていなければ難しいことなのではないか、またそれを実践できる人間はとても奥深い人だと思う。

  • 20060824
    面白かった。戦争しながらしっかり調べてたんだ。ちょっと同意できない点もあるが。

  • 難解。外から見た日本の姿。
    価値観の尺度って国単位でも個人単位でもそれぞれ違いがあって当然。

  • 未読

  • 60年前の日本の社会が描かれている。ってぐらいしか言えない。ちゃんと覚えてないもんで。。。社会文化に興味があるから、それでも私には高ポイントの本。また読みたい本です。

著者プロフィール

Ruth Benedict 1887―1948。アメリカの文化人類学者。ニューヨークに生まれ、コロンビア大学大学院でフランツ・ボアズに師事し、第二次世界大戦中は、合衆国政府の戦時情報局に勤務し、日本文化についての研究を深める。晩年にコロンビア大学の正教授に任じられる。主な著書に、『文化の型』『菊と刀―日本文化の型』など。


「2020年 『レイシズム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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