ぐう聖ペンギンさんの感想
2011年11月20日
ルネサンス期の傑作デカメロンから三十篇の物語を選出。各短編の入り口のかどで、その短編の舞台となる街の説明が一ページ弱ほど写真付きで記述がなされ、実際に小咄を読む際にその街並みを眼前に想い浮かべながら読み進める事ができる構成が素晴らしい。フィレンツェ人の目に映る各地域性の印象がそのまま物語に反映されているのがデカメロンが持つ大きな歴史的価値であり、純粋に物語を楽しみたい方だけでなく、当時のルネサンス期の歴史的造詣を深めたい方にもお勧めの一冊。