- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784390114509
感想・レビュー・書評
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夏のディックまつり。早川じゃないのでちょっと珍品だ。
表題にもある通り、SFベースの短編集。現代に影響を与えたある指導者を暗殺しに過去に戻ったら…。火星人と金星人と戦争になり、大敗して地球が廃墟になるのがわかっているという老人から敗戦の理由を聞くべきか、それとも戦争を回避すべきか…。
訳者あとがきにある通り、かなり初期の作品なのか、ストレートで裏もなく、途中でオチが分かってしまう話も多い。というか、ショートショートのような短くオチをベースにしたユーモア作品もいくつか。
全体に非常に読みやすいが、当たり前に家の屋根に火星人がいたり、金星人と共生していたり、しかしそれらが迫害や差別を受けていたりと、最初から飛ばしてくる話も多いので、ちょっと戸惑う人もいるか?SF読みには当たり前か。
まああの、1990年代前半発売のそれほど古くないくせに、珍品で手に入りにくくなっているようで、こういうのこそ電子化して発売すればいいのに、詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「髑髏」が一番おもしろかった。主人公の正体は、途中で予想したとおりだったので、さほど意外な結末ではなかったが、最後に謎が解けて綺麗にまとまっていると思う。「ウォー・ヴェテラン」は、新潮文庫の「永久戦争」に収録されていた「歴戦の勇士」と同じ作品。 仁賀克雄の訳と浅倉久志の訳を比べてみたらおもしろかろうと思ったが、「永久戦争」は、先日処分してしまったのだった。残念。
収録作品:「髑髏」、「生活必需品」、「造物主」、「トニーとかぶと虫」、「火星人襲来」、「ウォー・ヴェテラン」