ドキュメントゆきゆきて、神軍 (現代教養文庫 1555)

制作 : 原 一男  疾走プロダクション 
  • 社会思想社
3.93
  • (6)
  • (2)
  • (7)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 52
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784390115551

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 監督の原一男の著書「ドキュメントゆきゆきて神軍」では、撮影する中で監督の原一男とカメラポジションまで仕切ろうとしたり、奥崎がアイディアを思いつくと原監督にモーニングコールしてきたり、奥崎が原監督に黙って事前に追及する上官と話し合いして撮影に臨んだり、「判断は私がしますから原さんは黙って付いてきてください」と撮影の主導権を握り自らを演出する奥崎謙三とドキュメンタリー監督としてモラルの一線を守ろうとする原一男監督のせめぎ合いの戦い、部下射殺事件の遺族が何故奥崎との同行をある時点から断ったか?、何故ニューギニアでのロケ映像がニューギニア当局に没収されたか?などの裏側を知ることが出来て、読んだ後で再度見たら新たな発見があり、「ゆきゆきて、神軍」のシナリオも掲載されていて映画鑑賞の助けになる1冊。

  • 日本のドキュメンタリー作品で伝説と言われている作品の制作秘話。

    日本兵の生き残りであるが、昭和天皇にパチンコ玉を打ち付けるなどアナーキストと化し前科3犯になっている奥崎謙三。(すでに故人)終戦後のニューギニアで2名の仲間の日本兵が上官に銃殺された(たぶん食肉として利用するため)という疑惑を解くべく、真実を知っている元日本兵達をアポなしで尋ねていく。
    仲間の墓参りや遺族を訪ねたり、戦地へ慰霊をしにいったり、人間としてまともな感情を持ってもいるんだろうけど、真実を明かすために暴力もいとわない過激さ、目立ちたがりの突飛さは恐ろしい。映像で観たらすごいんだろうなぁ。観たいような観たくないような。。。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「観たいような観たくないような。。。」
      もう、見ない訳には、、、
      そう言えば、奥崎謙三の自宅(だったと思う)は、シャッターにPRがビッシ...
      「観たいような観たくないような。。。」
      もう、見ない訳には、、、
      そう言えば、奥崎謙三の自宅(だったと思う)は、シャッターにPRがビッシリ書いてあって。映画を観た時に、「此の場所知ってる!」と一緒に観に行った友人と、喚いてしましました。今は、どうなっているのかなぁ~
      2014/06/07
  • 映画ではわからない奥崎賢三と原監督のぶつかり合いを読めるだけでも価値がある。「奥崎が嫌い」だと言う原監督。「あなたはダメな人ですね」と言う奥崎。何度も何度も映画の中止になりそうになった過程など、読んでいるこっちまでハラハラした。もちろん、テープが没収されてしまい、映画にすることができなかったニューギニア編も収録さされているのも大事。ドキュメンタリーの構成を考えて撮影をしようとする監督に、ただ自分のやりたいことをやり、そして撮ってもらおうとする奥崎。ドキュメンタリーなのに、遺族の代役を立てて演技させるという奥崎の考えには笑った。代役なんてドキュメンタリーじゃなくなってしまう・・でも、代役を立ててまでやりたいことをやる奥崎を撮るのがドキュメンタリーでもある。ドキュメンタリーというものを考えるという意味でも、面白い本だった。巻末の、人々の戦争に対する意識についての対談も良かった。つまり、最初から最後まで良かったということ。

  • 映画(ドキュメンタリー)「ゆきゆきて、神軍」の補完用に。

全4件中 1 - 4件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×