志の輔らくご的こころ: ふしあなから見た

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  • 主婦と生活社
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784391132953

感想・レビュー・書評

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  • 【概略】
     「チケットが取れない落語家」の一人である立川志の輔師匠が2002年から2006年にわたり毎日新聞にて連載していたエッセイを加筆修正。演目だけでなくマクラも定評、冴えわたる志の輔師匠のマクラが面白い秘密が垣間見える一冊。

    2021年06月13日 読了
    【書評】
     世の中には2種類の人間がいる。一つは表に出てくる事象のみを理解するタイプ、もう一つはその事象から事象の向こう側を読み取り、他の事象に応用するタイプ。・・・なんてちょっと大袈裟かも。どちらに優劣、ということではなく、前者は数をこなすことでカバー、後者は逆に向こう側への意識が強くなり過ぎないようにする注意が必要じゃないかなと思ったりする。
     志の輔師匠が、こうも大量に、しかも良質の新作落語を作ることができるのか?の謎は、志の輔師匠が後者の向こう側を読み取ることができるタイプなんだということ、それがこの本を通じてわかった。エッセイって、目の前に現れた事柄からその向こう側にあるものを見抜いて、たとえばご自身の落語観に落とし込んだりできないと続かないと思うのだよねぇ。いくら一般の人達と比べて、日々刺激がある毎日だっとしても、だよ。とある事象と、また別の事象を、交互に横断しあう、そんな感覚があるのだろうねぇ。
     もう一つ、志の輔師匠の素晴らしいところ、それは日常のよしなしごと、些細なことに対して、能動的に楽しもうとしていらっしゃること。物事の捉え方、がすごくポジティブなのだよね。「事実」に対して、塗り絵をすることで「真実」になって、その塗り方に対して「感情」は変わってくると思っていて。志の輔師匠は「事実」への塗り絵が凄く素敵。爽やかな水彩画のような感じで塗り込んでいったり、時に油絵でこってりと、考えさせるような感じで重ね塗りしたり。これが噺家・立川志の輔という、皆に愛される噺家さんにつながっているのだろうと。
     「塗り方」盗もうと思った。

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著者プロフィール

富山県生まれの落語家、司会者。1983年、立川談志に入門。90年、真打昇進。古典から新作まで幅広い芸域で知られる。新作落語「歓喜の歌」が映画化。芸術選奨文部科学大臣賞受賞、紫綬褒章受章。

「2022年 『大河への道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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