- Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
- / ISBN・EAN: 9784393133361
感想・レビュー・書評
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3年前に【ダライ・ラマ自伝】を読んだ。
スッゲェ~人だと思った。
人物的に第一級だと思った。
そして、3年後この本を読んだ。
エッセーのように気軽に読める本だと思っていた。
ところがドッコイ、バリバリの仏教の本であった。
読み終わるのに10日くらいかかってしまった。
たった210ページの本なのに・・・・・・
改めて気付いたのだけど、この人、仏教人(僧侶)だったのね。
内容は宗教哲学で、はっきり言って難解だ。
特に、(チベット)仏教用語が沢山出てきて、面食らう。
そして、たぶん、英語で書かれたものを日本語に翻訳している段階で、さらに難解になったと思われる。
それにしても、これだけの深い話をダライさんは英語で出来るんですねぇ。
それだけでもスッゲェ~~です。
確かに用語も、概念も難しい。でも、言いたいことは正確に伝わって来るんですね。
それは、語られている内容が彼自身が実践し、経験し、悟ったものばかりだからです。
特に哲学的な内容を人に語る場合、一つ一つの言葉の意味を自分で深いところまで理解してなければ語れないはずです。
彼はその点において手を抜いていない。
そして、これは自分の意見なのだがと断りながら、他の意見にも耳を傾ける姿勢を決して崩していないことが偉いんです。
自我について、輪廻について、利他主義について、母親の愛について、いちいち立ち止まって考えさせられた。
同時代に彼のような一級の人間が存在していることを知って、とても嬉しい気持ちになります。
かつてはマザー・テレサもそんな一人でしたよね。
世の中に、こういう人物がたくさん埋もれていることを期待します。詳細をみるコメント0件をすべて表示