穴と境界―存在論的探究 (現代哲学への招待)

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著者 : 加地大介
  • 春秋社 (2008年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393329061

穴と境界―存在論的探究 (現代哲学への招待)の感想・レビュー・書評

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  • 【選書者コメント】穴について掘り下げてみたいなと思ったので。
    [請求記号]1100:565

  • [ 内容 ]
    実体や普遍といった哲学の大問題ではなく、マイナーな対象にこそ存在の秘密は開示される。
    私たちの身近にありながら、存在と無、具体と抽象、物質と非物質、「もの」と「こと」のはざまでうごめく穴と境界という奇妙なやつらの分析をとおして、読者を存在論の世界へと導く、気鋭の研究者の野心的試み。

    [ 目次 ]
    第1章 存在のかたち(現代型而上学をとりまく事情と存在論;三つの現代的カテゴリー論;現代哲学における「存在論的転回」)
    第2章 穴(穴は存在するか;穴は回るか;穴とは何ものか・1―物体としての穴;穴とは何ものか・2―欠如としての穴;穴とは何ものか・3―依存対象としての穴)
    第3章 境界(なぜ境界は重要なのか・1―実体の独立性;なぜ境界は重要なのか・2―実体の自己連結性;なぜ境界は重要なのか・3―「触れ合い」の謎;境界とは何ものか・1―無としての境界;境界とは何ものか・2―抽象的対象としての境界;境界とは何ものか・3―具体的対象としての境界)
    付録 形式存在論の現代的展開(哲学的フォーマル・オントロジー;工学的フォーマル・オントロジー;“”意表的な形式的関係)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 存在論だけど、よくある認識論的なアプローチだった。
    そうでないもの(「私に外から到来するもの」における穴と境界に対する探究)を、題名から期待していたので残念だったけど、内容は悪くないと思います。

  • 穴フリーク必読。穴と境界について「明晰に考えようとする、異常なまでにしつこい試み」(穴ファンじゃなくても読めます)

    私たちの身近に穴というものがある。いや待て。穴はもの、つまり物体なのか?いや違う、それ自体は物体とは言えない気がする。とすると、穴は状態のことか?「穴っぽいものが開いている状態」が穴か。何か穴の説明に穴が入っていて変だ。

    そこはうまい言い回しを後で考えるとして置いておこう。さて、日常的に私たちは穴を数えているような気がする。では「穴めいたものが開いている状態」は数える事が出来るだろうか。「穴が2つあいている」とすると、穴をカウントしている事になる。とすると、「「穴めいたものが2つ開いている」状態」という新たな状態になるのか、すると、穴的なものを表現した状態の数が無限個必要になる。やはり、穴は穴として数えられるものであった方が良さそうだ。

    では、穴が何らかの存在としてあるとして、次に難問が控えている。トイレットペーパーの筒を考えてみる。両端が開いている空洞も穴の一種と考えていいだろう。もし嫌なら、一方にふたをしてもらってよい。さて、ではおもむろにその筒を転がすように回してみよう。さあ、穴は回っているか?考えてみてほしい。考えるとすぐにわからなくなる。回転している縁は穴なのか?/穴でないのか?筒の中にさらに細い逆方向に回転する筒があったとしたら?穴に対する疑問は深まるばかりだ。

    本書のテーマは、このような一見してどうでもいいような事に対して、穴がどんな風に存在するのか、をしつこく考察することから答えを出していくという、ひどくどうでもいい試みである。なぜか?そこに哲学的意義があるからだ、と著者は言う。(しかも、穴について考察している哲学者は、著者だけではないのである。)

    本書は、穴と境界を題材に、現代的な存在論について書かれたものである。というより、現代存在論的に考察するとは例えばこういうことだ、を示す本といった方が良いかも知れない。

    現代存在論のスタイルは、分析や論理を駆使することにはあるが、それを人間の認識や言語の仕業という方向へは引っ張ってこずに、あくまでも存在を中心テーマとして物事を考察するものだ、と私は理解した。

    この世界には、どういう種類のものが存在するか/し得るか。それらは、たがいにどのような関係を持つのか。


    このような問いそのものは途方もないものであるように感じられ、存在論そのものを追及することにどういう意味があるのか、ちょっと想像がつかない。しかし、存在論をツールとして見た場合、その応用範囲は意外に広そうだと感じた。何しろ、「穴」や「境界」という得体のしれない奴らに対処できるのだから。

    現代存在論については、現在、日本語で読める手ごろなものがあまり無いらしい。テーマがニッチという弱点もあり、教科書的に考えると少し疑問がある。読みやすさとインパクトにおいてはお勧めできる。穴好きなら迷わず買うべきだろう。そんな本。

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穴と境界―存在論的探究 (現代哲学への招待)の作品紹介

実体や普遍といった哲学の大問題ではなく、マイナーな対象にこそ存在の秘密は開示される。私たちの身近にありながら、存在と無、具体と抽象、物質と非物質、「もの」と「こと」のはざまでうごめく穴と境界という奇妙なやつらの分析をとおして、読者を存在論の世界へと導く、気鋭の研究者の野心的試み。

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